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129 アンリミテッドスキル

メダルを入れてしばらく、女神フレイの話しが続いていた。


「まず最初に、…もうお分かりかと思いますが私とアテナは姉妹の女神だったのです、同じく人間を守護する女神として協力しあってきました。…それはもう、とても仲が良かったんですよ?あ、もちろん私がお姉さんです、妹よりしっかりしてますしねっ?…えっへん!」


いや、この女神様がしっかりしている感じにはとても見えない。

ぶっちゃけ妹だと思ってました。


…それと、なんとなく分かってたけど元々は仲が良い姉妹女神だったらしい。

こんな形で石像が残っているくらいだし、昔は協力し合っていたっていうのも事実なんだろう。


「ふむふむ。テンプレ展開でいくと、この後どちらが人間に対して相応しい女神なのか、争う切っ掛けができたりしたのかな?」

「…むむむ、妙に鋭いですね?」

「またゼノンの謎知識が出ましたわ、テンプレ?が何かは知りませんが、まさか女神にも通用するなんて驚きですわ…」


いや、こういうのは良くある展開だからなぁ…

この世界の人達には謎知識に見えるだろうけど。


「…言ってしまえば貴方の言う通りです。大昔には私が管理している大陸に別の神が存在しており、その神が別の世界の創造神となる時に、この世界の魂の管理者を姉妹のどちらが引き継ぐかという話になりました。ようするに根源神の引き継ぎです」


その元根源神を入れたら3人しか人間側の神様がいないみたいだし、そりゃ姉妹のどちらが魂の管理者になるかって話になるよね。


っていうか、創造神ってまさかな…

いや、あの世話焼き爺さんな訳がない。


そして現・根源神フレイ曰く、話し合いでは決着がつかないと思った妹のアテナが暴走し始めたのもこの頃らしい。

アテナとしては、神の力の大きさこそが人間を守るのに必要だという結論に達してしまったようだ。


…だが結局、人間を守るために人間を使い潰すようなやり方をしてきた戦神アテナに対し、日々の豊かさと人の愛情を守るために力を使い続けてきたフレイに力が集中することとなった。

…プラスエネルギーってやつだな。


そして最終的に大きく力の差が開き、アテナではどうすることも出来なくなった頃くらいにフレイが根源神になったのだという。


まあ、あれだな…

アテナはいろいろと結論を急ぎ過ぎたと思う、人を守る力のために人を犠牲にしてたら何にもならない。

邪神ではない以上、根は人間の味方なのかもしれないけど考えが抜けているっぽい。


「…なるほど。つまり根源神になった女神フレイに対してまだ納得がいっておらず、いまだに力を求め続けているってわけか」

「極端に言えばそういう事です」


なんというか、眩暈がするくらい迷惑な話だな…


「むぅ、元気出してよフレイちゃん、人生?辛いときもあれば楽しい時もあるよっ!」

「「「フレイちゃんっ!?」」」


しんみりした空気にフィッテ爆弾が投下された。

いいぞオアシス!


「ぷ、ぷくくっ、…人にフレイちゃんなんて言われたのは初めてですよっ!?でも面白かったので許します!…それではお話しはこれで一旦終わりです、次は報酬タイムといきますよっ!」


おぉ、ようやく報酬か。

もう金の羊10枚近く使ってるし、このまま説明だけで終わるかと思ったよ。


「私はそんなミスはしません、しっかり物なんですからっ!」

さっきの俺の感想をまだ根に持ってたみたいだ。


「根に持ってません。さぁ、メダルをドバーッと入れちゃってください!!」

「ほいほい、…そりゃ!」


……ジャラジャラジャラジャラ…


なんかに重課金してるみたいな流れだな…


「むぅうう、パワーが漲ってきましたよっ!それじゃあ報酬です、それっ!」


ぬわっ!まぶし…

フレイが杖を一振りした瞬間、クリスタル迷宮の時のようにあたりが真っ白になった。

…まさかまた報酬渡し逃げかっ!


そして光が収まった頃、それぞれの目の前に説明書みたいな物とフレイが存在していた。

今回は居なくならなかったらしい。


「エネルギーのある私がすぐに居なくなると思ったら大間違いですよ!…私はしぶといんです」

「そのしぶとさにどういった意味があるんだ…」


相変わらず考えていることが謎い。


まあまずは説明書だな、ステータス画面と比較して考察しとこ。


<希望の使者へ。戦神アテナが相手では今のままではかなり力不足です。他の者達にもそうですがかなりの強化を行っておきました、ぜひ今後の活躍に活かしてください。ちなみに私の加護の変化については勇者の覚醒状態と同じ意味合いがあります>



(ユニーク)

【希望の流星群(根源神フレイの加護)】

└希望結界:光の流星群が降り注いだ場所に対して任意の結界を作り出すことができる。なお、結界の維持には魔力を大量に消費する。

└奇跡の炎:蒼炎の魔神との併用スキル。限界を超えた魔神化の時に、体のコントロールを維持できるようになる。また、蒼炎の魔神の強化効率が上がる。



(アンリミテッド)

【クロスハート】

自分にかかっている能力上昇効果を、スキルで繋がった人数分だけ自身に重ね掛けできる。

ただし、お互いに深く信じ合っていないとスキルは発動しない。

また、クロスハートは上昇する対象を他人に移しても発動できる。



…なんかヤバそうなスキルが増えていた。

特にこのアンリミテッドスキルの【クロスハート】の事なんだけどね。


おそらく信頼関係を結んだ人物の数だけ上昇率が掛け算されるんだろう。

例えばだが、蒼炎の魔神を使う時にフィッテとスラキューがいれば、いきなり3倍魔神モードだ。

パーティメンバー全員とクロスハートできる自信はあるし、これは俺が使うと大変な事になりそうだな…


そして以前まで問題となっていた、3倍魔神モードの時の「一直線にしか進めない」っていうデメリットも、加護の覚醒スキルで相殺されている。

すごすぎて何が起きているのかわからないぞ…

それだけメダルの量が多かったって事かな。


チラッと女神の方を見てみると「どや、私がんばったやろ」みたいなドヤ顔を決めていた。

…がんばりすぎだよ女神さん。


…他のみんなも凄いことになってると思うし、ちょっと見てみるかな。




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