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12 冒険者ギルドへGO

冒険者ギルドのお約束

俺は連行された、おっさん達が集う場所に。


そこにはパパンと王のおっさん、爺ちゃんと、現・宮廷魔術師長、宰相、近衛騎士長が立ち並んでいた。

全員おっさんである、ゲンナリだぜ。


「……というわけだが、何か意見のあるヤツはいるか?」


王のおっさんが全体を見回す。


「ワシは特にない、勇者の力なんぞどうでもいい…はやく孫と話しをさせろ」


爺ちゃんが王に文句を言った。


「俺も特にないぜ。その力は喉から手がでるほど欲しいが、魔法言語の仕組みについては俺が一番理解している。教えてもらってハイできました、なんて簡単なものじゃねぇんだ」


おっさんの中でも一番若い、20歳前半くらいの兄ちゃん(今の俺からみればおっさんだが)が語った。


「まぁ政治的な動きについては、この段階ではまだなんとも……」

「私には魔法のことは理解致しかねます」


それぞれ、宰相、近衛騎士長だ。

宰相はまぁ太ったおっさんだ、40後半くらい。

近衛騎士長はガチムチの30前半だな、全体的にターミネーターのシュ○ちゃんっぽい……。


「お前らの意見はわかった。まぁそうなるよな、この段階では。俺もただコイツが勇者の力を持っているということしかわからねぇ。この後どうなるかは相手の反応と、こちらの動き次第だ。それでだ、俺はこいつを勇者と仮定し、教会の存在理由と暗部の件について話すことにした。理由はコイツの安全のためってのと、反応を知るためだ。もし仮にコイツが協力的じゃない反応が返ってきたとしたら……、俺はコイツを教会に連れて行かねぇ。ガキ1人に押し付けてまで、人類を守ろうなんて思わねぇ。俺たちが戦えばいい」


王のおっさんは語った。

ようするに、魔王は脅威だが、それを理由にして子供に全てを背負わせたら、屈したのと同じだと思っているのだろう。

王である前に、いい漢だと思う。


「そうだな、それで構わない」


パパンが言う。

そして全員が賛同した。


そして教会の暗部についてまず話されたが、これに関しては日本の忍者を思い出した。

ようするに情報収集と暗殺に長けた集団であり、教会にとって邪魔な人物を消す。

それだけだが、その平均的な実力が並みではないということらしい。

まぁ、これは俺が強くなればなんとかなりそうだな、俺の家族もヤワじゃないし。


次に存在意義についてだが、どうやら聖女と呼ばれる存在が教会内部に何人かおり、その人たちは勇者の加護と並ぶユニークスキルを所持している。


ただそれは戦闘向きのものではなく、聖女によって変わるらしい。

信託だったり、予知だったりと様々だ。

その聖女・勇者を含め、ユニークスキルの内容の存在を理解・使用方法の把握させることが教会の一つの役目らしい。


ようするに、この世界の人が5歳で行う儀式でユニークスキルの所持の有無を確認し、連絡。

そのスキルの使用方法を学ばせると同時に、囲い込む。

ということだ、まぁ普通はユニークスキルなんてあっても内容がわからないからな、俺は別だが。

ちなみに、勇者の加護・ユニークスキルは必ず戦闘向きの物になるらしい。


と、ここまで話を聞いたところで、今回はお開きとなった。

爺ちゃんが俺に「覚えておるか?爺ちゃんだぞぉ~~っ」としつこかったが、俺は早く冒険者登録をしたいため「覚えてるけど遊びに行きたいからまたね!」と言って躱していった。

爺ちゃんは寂しそうだった…また今度きたらあそんであげるから、落ち込まんといて!



王城を出たらメイドが待ち構えていた、そのまま宿へ向かい自由時間となった。

窓を開けた瞬間、フィッテが抱き着いてきたので細く柔らかい体をもみもみ抱き返しておいた。

体が前世だったら間違いなく犯罪だ。


そんなフィッテとぶらぶら出かけることになったが、パパンからメイドを連れていけとのお達しで3人で同行することになった。

しかも、このメイドさん俺が0歳からずっと一緒にいるあのメイドさんである、専属メイドだな。

銀髪でクール美人なのは相変わらずだが、歳をとった気配がない、なぜだ。

うちのメイドは謎だらけである。


それじゃ、いざっ!

冒険者ギルドへ!


「ぁ、あのっ……、ゼノンくんっ。……なにして遊ぶ?」

「あー、遊びかー。うーん、じゃあ冒険者ごっこにしよう」


ごっこじゃないけどな。


「えへへ……」


フィッテはまだ何もしていないというのに、満面の笑みだ。

実にカワイイ。

メイドが後ろから無言でついてくるが、関係ない、俺は冒険者ギルドへ直行した。


冒険者ギルドは想像通りの姿だった、ウェスタンドアに剣と盾を象ったマーク、酒場を兼用した2階建ての建物であった。


「たのもー!」


バンッ!と思いっきり扉を押し開けギルドへ侵入した。


「たのもーっ」


フィッテがマネをした。


「…………」


メイドさんは無言だ。


すると、受付の女性から声がかけられた。


「いらっしゃいませ、ご依頼ですか? でしたらこちらへどうぞ」


ニッコリと笑い「メイドさん」に声をかける受付嬢。

ってそりゃそうか、どうみても元気な子供を引き連れた依頼者にしか見えない。


「ちがうよお姉さん、冒険者登録しにきたんだよ」

「あら? そうでしたか、それは大変失礼しました。では、ここの隣の受付へお願いします」


お姉さんは営業スマイルを崩さないまま案内していたが、相変わらず話している相手は俺ではなかった。

仕方ない、とりあえず隣へ行こう。


「すみませーんっ」

「オウッ! ボウズ、どうした!」


そこに居たのはスキンヘッドのゴリマッチョだった。

最近おっさんの出現率が高すぎないか。


「ぼ・く・が、冒険者登録をしに来ました」

「オゥ! ……お? おぉ? ボウズがか? 後ろのネェちゃんじゃなくてか? そいつあ驚いたぜ……」


自己主張をしたらおっさんは分かってくれたようだ。


「だがよォ、冒険者になるのはいいが受けられる依頼はないと思うぜ。年齢制限がないとは言え、見習いのFランクでさえ試験に合格しなければ登録できないしな。最初は見習い冒険者の付き添い、見習いの見習いから始めるもんだ」


ほー、そうだったのか。

まぁでも、試験ってのを受けてみなければ分からんからな、とりあえず申請だけしておこう。

俺も戦えるしな。


「いいよ、とりあえず試験を受けさせてよ」

「カーッ、まじかよ。……しゃあねぇ、どんな相手でもルールはルールだ。銀貨一枚が試験料だ、持ってるか?」


って金かかんのかよ!金なんてもってないぞ……。

ちなみにこの世界の通貨は 銅貨が100円 銀貨が10,000円 金貨がそのまた100倍の100万円だ、だいたいな。


「お金なんてないよ、その代わりになる物ならどう?」

「ないだァ?なら帰んな、なにがあるのかしらねぇが…ないんじゃどうしようもねェよ」

「まぁまぁ、まずはこれ見てよ」


そう言うと、俺はいままで狩ってきたゴブリンやスライムの魔石を袋から取り出した。

持っておいてよかったぜ、ギルドで使うとは思わなかったが、魔石が取引されているのは知っていたからな。

王都で散歩するときの小銭替わりだ、いくらになるか分からないけどな。


「ん? ウォッ! ボウズ、これどうしたんだ!こんな量の魔石をどこで集めてきた?」

「俺が狩ったんだよ」

「んなワケあるか。が、しょうがねぇな……。換金アイテムがある以上は受けさせざるをえない。魔石は5つでいい、ホレッここに名前を書いて試験成立だ」


ゴブリンクラスの魔石は5個で銀貨一枚か。

名前は、ゼノンとだけ書いておいた。

そういって名前を書いたを俺は試験を受けることになった。


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