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117 謎の超越者

人物紹介:その3に、リクエストにあったファイスの挿絵を追加しました。

挿絵に抵抗ある方はお気を付け下さい。

朝に集まって話し合いをした結果、ウィリアムさんは少しの減給・ユリアは俺たちについてくるってことでまとまった。


そしてついてくる以上は瞬間移動やルーシーの件、別の大陸からやってきたことなどは隠し通すことができないため、ユリアだけにはあとでこっそり伝えるつもりでいる。

まあツインテちゃんにならバレても大丈夫だと思うよ、…たぶんね。


それで問題は瞬間移動のための容器を、どこに置くかなんだけど…

全く見当がつかない。


「…うん、容器を置く場所がないな」

「…そうだね。最悪の場合は伯爵家に置いてもいいけど、誰がどこで見ているか分からない所で何度も種を明かすのはよくない。勇者の関係者が紛れている可能性も捨てきれないしね」


そこが一番問題なんだよね…

おっちゃんの権力で一応はガードできているんだろうけど、ユリアが神聖騎士を使ってこの町を脱出していることから、勇者の関係者が紛れ込んでいる可能性はかなり高い。

その場合、こちらの移動手段がバレバレになるのはなるべく避けいたいのが本音だ…

まあ、できればだけどね。


「ちょっと!なにコソコソ話してんのよ、ちらちら私に意識が移ってるし気になるじゃない。…あ、…もしかして私の美貌に気づいちゃった?」

「「えぇっ!?」」


なんでや!

なんでちょっと目を離した隙にユリア爆弾が投下さるんや。

スキルを持ったツインテちゃんがこういう言い方すると説得力がでちゃうので、まじで勘弁してください…


「いや、ちげぇだろどう見ても」

「チッ!アンタは黙ってなさいよ…」


ナイスフォローだファイス!

これからもユリア爆弾から俺たちを守ってくれ。


…まあ、これ以上放っておくと爆弾の数が増えそうなので、ちゃんと伝えておこうかな。


「要するに、昨日教会から脱出する手段として使ったアレだ。あの瞬間移動を使うのに必要なアイテムを置く場所を探しているんだよ」

「ああ、あの謎魔法のことね。だから昨日別れる時に変な容器を渡してたわけか。…まんまと騙されたわ」


まんまと騙し申した。

まあ少し不審に思われてたけどね…


しかし、既に1時間ほど町中をウロウロしているけどなんの成果もないし、そろそろユリアにいい場所でも聞いておこうかな。

伯爵と勇者の目を掻い潜り、いままで脱出してきた経験を活かして欲しい…


「そういう訳なんだけどいい場所ない?人目につかないところか、もしくは信用できる場所」

「…信用できる場所ならあるわ。神聖騎士とは関係ない資産家が運営している孤児院よ、あそこは今の教会のやり方に反発してる所だし、まず勇者とは無関係ね」

「なるほどな、個人経営か…」


確かに個人経営なら勇者の手が届きにくいだろう…

おそらく勇者側としては、伯爵家が行使できる権力層を腐敗させていき、そこからユリアを手に入れようと目論んでいるはずだ。

それなら一度孤児院に行ってみて確かめるのもアリだろうな…


「じゃあちょっと見るだけ見てみようか」


いざ孤児院へ。



それから30分ほど歩いた場所、スラム街に入るか入らないか付近の所にその孤児院はあった。

外観は敷地が広い家ってこと以外は普通だけど、中からかなり強力なプレッシャーを感じる。

…はて?


「アリサおばさーん!きたわよーっ!」

「…あら、誰かと思ったらユリアちゃんじゃないの。それに今日はお友達も一緒なのね?ユリアちゃんにお友達が出来るなんて大スクープよ!」

「はぁ!?…それじゃ私に友達がいないみたいじゃないっ!」

「あらぁ?そう聞こえちゃったかしらぁ~、ふふっ」


家の中から褐色肌のお姉さんが出てきた、オバサンってほど歳はとってないな。

…ちなみに、話している間にずっと鑑定しているが、ことごとく弾かれている。

微妙なジャミングも感じるし、効果の弱まった鑑定を弾くレベルくらいはあるようだな…

いや、というかこの人俺の鑑定に気づいている…?

魔力の流れがおかしいし、自力でジャミングしているのかっ!?


「あら、そんなにジッと見つめられると困っちゃうわ…おませさんねぇ。あんまり人のプライバシーを除いちゃダメよぉ?」

「…えっ!?い、いや~、お姉さん強そうだったからついつい、…ね?」


鑑定が気づかれたとかマジか、本当に人間かこの人?

プレッシャーで計測するなら、実力はクロウと同格くらいだが…

おそらくそれすらも偽装していそうだ。


「…そんなに評価してくれるなんて嬉しいわぁ。(でも警戒しなくても大丈夫よ。私はこの大陸の勇者、もっと言えばここの女神に反対しているから、取って食たべようだなんてしないわよ)」


…ん?おかしい、なんで勇者と女神の件がバレてるんだ?

というか探れば探ろうとするほど、この人の圧力が底知れない領域まで深まっていく。

もう既にパパン二人分くらいの領域まで来てるぞ…


「(…ゼノン、この人ちょっとヤバイよ。気配が普通じゃない)」

「(…わかってる)」


エレンを含め、他のメンバーも既に気づいているようだ。

まあこれだけ尋常ではない気配を前にして気づけなかったら、闘技大会じゃ予選落ちレベルだけどね。



だが、こちらもフルメンバーで俺の魔力もMAXの状態だ…戦っても瞬間移動で逃げるくらいなら余裕で出来る。

しばらく様子を探ってみよう。



「ふふふっ、ユリアちゃんのお友達はとても優秀なのね…お姉さん感心しちゃうわ」

「当たり前よ!この私を既に2回も助け出したんだからっ!特にそこの黒髪は神聖騎士団上位にも負けないはずよ、もしかしたらミュラ・ヴァルキュリア様に届くかもしれないわ!」

「あらあら、そうなのねぇ。私から見たらあのヴァルキュリアより数段強いみたいだけど…まあこの話は置いておきましょう。どうぞ我が孤児院へ、ゆっくりしていってちょうだい」


どうやら既に最強の神聖騎士より強くなっていたらしい…

まあそれはともかく、この人の素性を探らないと瞬間移動どころじゃないな。

ちょっくら様子を見ておくとしよう。



「…あぁ、そうだわ。ちょっと面白いものがあるから、黒髪の子だけ来てくれないかしらぁ?きっと気に入ってくれるはずよ。ユリアちゃんは他のお友達の案内をよろしくねぇ」

「むっ!?ゼノンくん、これはきっと罠だよっ!」


いや、そんな大声で罠とかいっちゃだめだぞオアシス。

まだこの人なんも悪いことしてないし…


だが他のメンバーも内心では俺の事を心配しているようなので、少しフォローくらいはしておくかな。


「大丈夫だ。っていうかフィッテが容器を持ってるんだし、みんなの所へ戻るくらいは一瞬だよ」

「…はぁ~、わかりましたわ。ゼノンはいつもこんな感じでしたし、心配するだけ無駄ですわ」

「ハッ!確かに、お前がどうこうされるなんて想像もつかねぇ…心配して損したぜ」

「…ん、英雄様は無敵」


どうやらみんなも表面上は納得してくれたみたいだ。


それじゃちょっくらついていくとしますかね。

それに敵じゃなければ、これだけの人物がいる場所はものすごい安全地帯になる…活動の拠点にピッタリだな。




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