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110 新大陸到着、そしてお約束へ…

ギラの背中に乗せてもらい、まるで大型旅客機かのような快適さで空の旅を楽しんでいる頃、そろそろ魔大陸に突入しようかというところでモンスターの質が変わってきた。


ワイバーンやその他を含め、教国までの空のモンスターたちはこちらの戦力を悟った瞬間逃げ出すか様子を見てくるくらいだったんだが、魔大陸のモンスターは警戒すらせずに突っ込んでくるんだよね。

俺が転移魔法陣で飛ばされた時も大量のモンスターに襲われたし、何度殲滅しようと力の限り戦うみたいだからそういう習性なのかもしれない。

おそらく邪神の影響が強く出ていると見て間違いないな。


というわけで現在、ダウンロードスキルである【魔力波】の試し打ち替わりに利用させてもらっている。

極太のレーザービームで空の敵をまとめて一掃中ってわけだ。


「…お前いつそんなスキル覚えたんだよ。反則だろそれ」


この前覚えました。

だが実際反則みたいな強さなのは否めない、もうこれマンガなんかに出てくるヒーローの光線と同じレベルの射程だ。

遠くの方はさすがに威力が減衰するけど、数百メートルは届いているっぽい。

それに圧力魔法に比べたら威力は足りないけど、普通の魔法を基準にしたら超火力もいいとこだし雑魚相手ならこれで十分だな。


「威力・射程・汎用性的に、このスキルはもう兵器と変わらないレベルのようだね。名前をつけるならゼノン砲といったところかな?」

「…エレンくん、ゼノン砲はダサいよ」

「ネーミングセンスが壊滅的ですわ…」

「……もうちょっと捻るといいかも…」

「は、ははは…」


落ち込むなよエレン、俺は好きだぞゼノン砲…

なんかシンプルでわかりやすいと思う…たぶん。


とりあえずエレンが名付けたゼノン砲でD~Cランクのモンスターをなぎ倒しつつ数週間飛行していると、魔大陸を超えて新しい大陸が見えてきた…あそこが例の大陸かな?

遠目で見る限りでは普通の陸地だな、自然が多すぎるわけでもなく人工物だらけというわけでもない感じで、一般的な中世って感じに見える。



「うーん、ここらへんからは歩きの方がいいかな。ありがとうなギラ、いつも助かる」

『礼などいらん、友を乗せて飛ぶこと自体は何の問題もない。この大陸の空気が俺には合わないだけだ』


なんだか知らないがギラの肌に合わない空気らしい。

ちなみにギラが降り立ったのは人気のない大陸の端っこだ。

あんまり人里に近づきすぎたら現地の人と戦闘になるだろうし、ここらへんが妥当だろう。


…そして全員が礼を言った後、ギラはクロスハート領にとんぼ返りしていった。

おそらくまた領内でのんびりするんだろう。


ギル兄さんとも契約したようだし、仮に王なんかになったらカーデリオン王国の守護神みたいな存在になってるかもしれないな。

煉獄界でも祭られてるようだし、人気がやばい。



「それじゃ出発しようか。…といってもまずどこから向かえばいいか分からないんだけどね」


空から見た感じだと、近い場所で2か所の町が見えていた。

1つは魔族へ対抗するための前線基地みたいな完全武装の町で、もう一つは大き目の神殿が目立つ町だ。

俺としては出身が明らかではない以上、前線基地で魔族と勘違いされるのは避けたいんだよね。

神殿くらいの戦力なら「仮に」トラブルが起きてもなんとかなりそうだし。


「俺はあの神殿みてぇな場所がいいと思うぜ。最初から軍事施設っぽい所はさすがにな…意味もなく危険を冒す必要はないはずだ」

「…賛成。大陸の女神が気になるけど、こんなところに居るとは思えない」


おおまかに俺と同じ意見のようだ…

他のメンバーも結論としては神殿がベストって事らしいので神殿で決定だな。


行動方針が決まってから平地をだらだら進んでいると、遠くにちらほら人の魔力が感知できるようになってきた。

…さすがに人間種の住む大陸だけあってモンスターなんかは少ないのかもしれない、これが魔大陸だったら見えてくるのはモンスターばっかだしな。

だがしばらくすると唐突に魔力が一つ減ったみたいだ、…はて?


「ってかあれ戦闘してないか?馬車が襲われてるぞ」

「…おそらくあれは中級魔族ですわね。人族に偽装しているようですが、同じ魔族である私から見たら一目瞭然です。戦争だから仕方ないのかもしれませんが、誇り高き魔族のプライドを捨て一般市民を食い物にするなんて許せませんわっ!」


あまりの怒りにヴァニエの瞳孔が開いている。

ヴァニエにとって戦いと食事は違うのだろう、まったく魔族らしくない魔族だな…

だがここからでは距離がありすぎる、徒党を組んで襲っている中級魔族に馬車の護衛数人じゃ決着がつくのが先だろうな。


「んー、さすがに間に合わないなこれ」

「ゼノンくん!こんなときこそあれだよ!あれ!」


あれってどれ…


「何考えてんだ、ゼノン砲に決まってんだろ。はやく蹴散らさないと護衛がやばいぞ」

「ああ、そういやこいつ射程がやばかったな。じゃあさっそく【魔力波】っ!!」


……ズガァアアァン

……

…パラパラ…


「よし」

「よし、じゃねぇって!爆風で馬車の屋根が吹っ飛んだぞ!?…攻撃は当たってねぇけどよ」


大丈夫だ。

中の人の魔力に変化はないし、屋根が吹っ飛んだだけでケガもないだろう…

命を助けたんだし弁償はないはずだ…ないよね?


「ははは…相変わらずの射程だね。とりあえず脅威は去ったし事情を聴くのが先かな」

まあ恐らくは戦争がらみだけど、さすがにここまで目立ったら隠れても無駄だしな。



とりあえず馬車に向かって行った。

新大陸について早々、いきなりやらかした感があるな…


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