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109 ギラさんっ!またひとっとび頼みます!

人物紹介その3に、勇者の願いの挿絵を追加しておきました。

挿絵に抵抗のある方はお気を付けください。

闘技大会が終わり2週間がたった。

ハドウと話し合った翌日に希望者を募り、皆に相談したところ少し時間をかけて答えを決めようと言う事になったのだ。


恐らくエレンは帝国の国王や兄弟たちへの報告と相談、ファイスも同じ感じで瞬間移動で戻って両親への相談だな。

ミーシャの件も含めて2週間は猶予が欲しいとのことだった。

フィッテ・ヴァニエに関しては、それぞれが自分の意思で家を飛び出しているために答えはすぐに決まったようだ。


ちなみにファイスを除いて学校には休学届けを出している、闘技大会で実績を出したことから休学に関してはすんなり認証された感じだ。


「で、結局3人はついて来るってことでいいのか?」

「あたりまえですわっ!魔大陸を脅かす者達をのほほんと見ているなどありえません。…それにもう、外の事を何も知らずに生きるのはごめんですの。世界がこんなに広がっていたなんて、あの頃の私では考えもしませんでしたわ」

「…ん、同意。みんなで行くのがベスト。…エレンもファイスも無理やり連れていくべき」

「そうだね~、何があるか分からないしベストメンバーで行くべきだと思うよ?」


確かにな…

いくら人間大陸その2の住民が俺達と同じ「人間種」であったとしても、どんなトラブルがあるか分からない、少なくとも闘技大会で通用するだけのメンバーは揃えるべきだろう。


「うーん、となると…俺も現段階で強化できるところは全部やっておいた方がいいかな。装備としては使うつもりはないが、神社にあった覇者シリーズのダウンロードだけでもやっておくか」

「…それがいい、元からあの装備は英雄様が使うべきだった」

「だな、じゃあさっそくダウンロードしてくるか」


ということで、俺だけ瞬間移動で煉獄界の神社へと向かった。

行って帰ってくるだけだし、そんなぞろぞろ向かう必要はないだろうしね。

それと、残っている覇者シリーズは剣と盾だったはずだし、最低でも2つのダウンロードスキルが手に入ると思われる。


そして神主さんに預けた容器を頼りに瞬間移動すると神社の庭あたりに転移し、いつものように歓迎された。

みんな起きていたようでよかった…

ここって昼も夜もないから、行ったのはいいけど寝てましたなんてことはざらにあるんだよね。


「おお、英雄殿ではないですか…今回はどのようなご用件で?」

「…起きていたようでよかった。要件は覇者シリーズの装備だな、ちょっと強さが必要であろう地帯までいくんで、スキルだけでもダウンロードさせてもらえないか相談しにきたんだよ」

「はっはっはっ!そんな事でしたか、お安い御用どころかこちらからお勧めしたいくらいですぞ。元から覇者の装備を集めているのも、いずれ現れるであろ英雄殿にお預けするためにやっている事ですからな」


どうやらスキルのダウンロードに関しては何の問題もないようだった。

前回も剣と盾は使わないって言っても勧めてきたしな、そういう言い伝えか何かがあるんだろう。


…で、神主さんが持ってきた覇者シリーズをダウンロードした結果がこちら。


─覇者の剣によるダウンロード。

(武器スキル)

【魔力波Lv.5】

無属性の光線を飛ばす。

素手で行えば極太の光線になり、刃物で行えば魔力の刃になる。

相手の耐性スキル・無敵スキルを貫通した直接的なダメージになる。


備考:剣の魔力残量[5500/5500]


─覇者の盾によるダウンロード。

(防具スキル)

【魔力コーティングLv.4】

無属性の魔力で任意の対象をコーティングし、物理攻撃と各種魔法によるダメージをカットする。

また、コーティングを受けた対象は使用されている魔力が切れるまでダメージを受けない。

二重のコーティングは不可能。


備考:盾の魔力残量[5000/5000]


っていうことらしい。

無敵状態の貫通っていうのはギル兄さんの絶対防御なんかの防御スキルのことだろう。

ただ威力は圧力魔法に劣るっぽいので、特性により使い分けが肝心かもしれない。

空に向けて試し打ちしてみた感覚だと、威力は圧力魔法が2倍ほど高く射程は魔力波が10倍ほどだった。

燃費は同じくらいだ。



「よし、ダウンロードは済んだかな。助かったよ」

「流石ですな英雄殿、まさか本当に覇者装備すべてを装着してしまうとは…まあ何はともあれ、これで私共の肩の荷も下りました。ついでと言っては何ですが、残った覇者装備はいままで以上にはりきって探しますぞ!はっはっはっ!」


そもそもどうやって探してるのか気になるけどね、まあそこはまた今度来た時にでも聞けばいいか。



「それじゃ、また来るよ」


剣と盾を預け、ついでにファイスとエレンを回収しつつ3人の所へ戻った。

ファイスは既に両親と学校にはいろいろ伝えていて、あまった1週間ほどは自分の心の整理に費やしたようだ。

結論は全員揃ってから伝えるとのこと。


「…全員揃ったようだし結論から言うぜ、俺は新大陸に向かおうと思う。今の俺の実力的に考えて、この決断がどれだけ無謀だったとしても逃げることなんて出来ねぇよ。次の成長が目の前にあるのに、いつも努力から逃げていた俺と一緒になっちまう。そんなのはもう終わりにしてぇんだ」

「…僕の方も似たようなものさ、ここまで来て急にいなくなるなんて薄情なことはしない。さすがに今のミーシャでは高確率での即死がありえるし、待たせることになるけどね…それでも帰って来た時には必ず誠意を見せるって約束してきたよ。父さんと母さんも今までの旅を話したら一応は納得してくれたようだ」


ってことは全員で向こうの大陸へ向かうってことだな、なんか今までと変わったようで変わんないな。

まぁ、でもこんなもんか。


「それで問題は移動手段だが…一々徒歩で向かっていたら何年かかるかわかったもんじゃないし、ギラでひとっとびしようと思う」


幸いギル兄さんがまだ帝国の首都に残ってるしね、パパン・ギル兄さん・カーデリオン王国の王のおっさんでエレンの親父さんと会議を開いているようだ。

なんでもギル兄さんの立場が既に国王と変わらない地位まできてしまっているため、いろいろと今後の条約のことでやり取りがあるらしい。


というわけでギラだけ1ヶ月くらい借りようかなっていう判断だ。

2週間の間に相談だけはしてあるため、あとはギラの機嫌次第だな。



「…ってわけなんだが、1ヶ月くらい力になってくれないか?」

『あの戦闘狂女神の大陸に行くのか…この大陸に住む風の大精霊も俺もそうだが、あそこは居心地が悪いし気は乗らないんだがなぁ。まあ乗せていくだけでいいなら構わないぞ』


さすがギラさん話がわかる。

帰りはどうせ瞬間移動があるしな、大陸に到着しちゃえばこっちのものだ。


「よし、それじゃあさっそく頼むよ」



さて、新大陸までひとっとびだ!


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