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91 スキンヘッドのおっさんは兄弟じゃないらしい

話もだいたいまとまった所でセレナがどうするか聞いてみる事にした。

今後俺たちについて来るならついて来るで神主さんのところに一度いかなきゃいけないし、帰るにしても送り届けなきゃいけない。


「で、どうするの?」

「……一緒に行く」


来るのか、でも学校どうしよう。

とりあえず冒険者ギルドに登録したあと居候ってことでいいや。


皆に聞いてみたらOKサインが出たのでそういうことになった、じゃあ明日は煉獄界に分身を派遣しときますかね。

分身に瞬間移動を使わせると魔力の消耗が激しいので、キャシー宅までは俺が同行しなければならない。


ちなみにいろいろ実験したところ分身には魔力の回復機能が存在しなかった、なので俺のユニークである不死身の情熱は効果が使えない死にスキルだ。


ということで容器をもった分身を派遣した。



「じゃあ今日はこれで終了ってことで。いまのところやらなきゃいけないことも無いし、授業やプライベートはそれぞれ自由時間に変更だ、迷宮は行きたいグループが俺かエレン込みで勝手に行って修行してくれ。とりあえずそういう方針でいこう」

「全く問題ないね」

「ボクも~」


ならそういうことで。

エレン込みの理由は、魔道具で転移できるから絶対に俺かエレンがいないと空島には行けないっていう意味だな。



──翌日。


容器を持った分身がセレナを送り届けて消滅したのを確認した。

さっそく神主さんのところに転移しよう。



「…おお英雄殿、セレナから話は聞きましたぞ。覇者シリーズも使いこなせているようでなによりですな。この子にしても、いつまでも古臭い神社などにいては装備と資質の宝の持ち腐れ、旅の同行については賛成ですぞ」


どうやら話し合いはもう終わっていたみたいだ。


「わかった、それじゃあこれから宜しくなセレナ。この容器については神主さんの家で管理してもらってもいいかな?セレナがいずれ帰ってくるときにいちいち半日かけるのも面倒だしね」

「もちろんですよ。ではセレナ、私の娘よ、存分に世界を見てきなさい」

「……はい」

「じゃ、【瞬間移動】」


宿に戻ってきた、というか神主さんの娘だったのか。

ちなみに今宿に残っているのはファイスだけだ、他のみんなは授業だな。


「お、帰ってきたようだな。冒険者ギルドでパーティを組むから残れとかいうし、待ちくたびれたぜ。今日は迷宮に行きたかったんだがな」

「セレナをパーティに加えるときに一緒に居た方がいいだろ、ヴァニエは特殊な条件でパーティメンバーとして認められているけど…ファイスは今の所メンバーとして認識されてないからな」

「わーってるって」


セレナを希望の流星群スターダストホープに加入させるときにファイスもやっておいたほうが2度手間じゃないしね、残ってもらわないとめんどい。

ちなみにファイスの冒険者ランクはCになったばかりとのこと。


…ギルドに入るといままで訪れてきた感じとは違って魔法職の人が多い印象を受ける室内だった。

まあ当たり前ではあるけど、他のところでは前衛が多かったのでなんか新鮮だ。


とりあえずカウンターでニコニコしているエルフの受付さんに加入申請の件を聞いてみよう。


「パーティの加入申請ってここでいいんですか?」

「あら、こっちはクエストの受注と素材の買い取り場所よ? 同じく受注と申請系は向こうのカウンターね。それにしても可愛い冒険者ね、ふふっ」


向こうだった。

お礼を行ってそそくさとカウンターを移動すると、そこには見た事のある顔があった…


「またスキンヘッドが現れた……」

「オゥ! なんだボウズたち、依頼を出しにきたのか?」


あのムキムキマッチョのスキンヘッドのおっさんだった。

これで王国、帝国、連合国に出現したことになるが、さすがにこれはもうおかしい。

兄弟か聞いてみよう、いや、聞くべきだ。


「いや、依頼じゃなくてパーティの申請だよ。あとおっさんを王国と帝国でもみかけたんだけど、兄弟でギルド職員やってるの?」

「…オォ? なんだ既に冒険者だったか。王国と帝国のやつらは兄弟ではなくて親戚だな、聞いたところによるとほぼ全てのギルドを網羅してるらしいぞ。まぁ俺の知った事じゃないがな、ガハハハハ!」


まじかよおっさん、いままで会った親戚とか全員同じ顔してたぞ、そういうスキルとか持ってそうだ。

いや実際は無いだろうけど。


「で、加入申請するのは後ろの二人ってことか?それならパーティ名を教えてくれ、ギルドカードに登録しておいてやる」

「パーティ名は希望の流星群スターダストホープだ。女の子の方はギルドの登録から始める感じで」


セレナはまだギルドに登録すらしてないからな、試験を受けてEランクからスタートになると思う。


「スターダストホープっと、……ん? F~Cランクにそんなパーティは無いみたいだが?」


なんらかの魔道具で俺とファイスのランクを基準に検索をかけたみたいだが見つからないらしい。

…そうか、あれ特例のAランクパーティだったわ。


「一応全ランクで探してみてよ、もうちょっと上のほうにあると思う」

「オゥ! まかせろ」


おっさんがもう一度探し始めた。


「…………お、おい。スターダストホープってAランクパーティじゃねぇか!? ボウズ共が人類最強ランクだとォ!?」

「「「ガタッ」」」


おっさんが絶叫したとたんギルドの酒場で飲み食いしてた冒険者たちが一斉に立ち上がった。

…な、なんだよ、やるのか!?


「…あん? なんだお前ら。や、やんのか!?」


ファイスも同じ感想だったらしい、ただちょっとビビリすぎだ、落ち着け。

…落ち着かなきゃいけないのは俺もだったわ。


「あの子供たちAランクパーティなのか!? …確かカイムの町で英雄の少年が現れたと噂で聞いたが、あれがそうか?」

「俺、ちょっとコネつくっとこうかな…将来不安だし」

「あの女の子が今から試験するらしいぞ! 初心者の子が入れるなら俺も加入できるかもしれないっ」

「ばっか、お前じゃ年齢制限にひっかかるだろ」

「「「ちげえねぇ、ガハハハハハハ!!」」」


やっぱ冒険者はいつも通りのノリだった。

ビビったのがアホらしい。


「あー、ゴホンッ。それじゃあ彼女の試験を頼むよ。終わったら同じようにパーティ申請お願いします」

「オゥ! まかせな、それじゃ試験は俺が担当する。ついてこい」


セレナの試験が始まるようだ。



ここで黒龍出したらどうなるんだろう。




武装した屈強な男たちが一斉に立ち上がったのでビックリしたようです。

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