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09 幼女一家玉の輿計画

玉の輿…

Uターンしてから30分、謎の女の子に道を聞きながら家へと向かっていた。

戻っている途中で聞いたところによると、女の子はフィッテと言うらしい。


俺が尋ねたら笑顔で道案内をしてくれるし、やっぱり目からハイライトが消えたのは気のせいだったんだろう。

いま見る限りだと天真爛漫な女の子だ。


そしてフィッテに道を聞きながら自宅と思わしき建物に着くと、なかなか戻ってこないのを心配していたのか、彼女の両親と思われる人族とエルフ族の男女が家の前でそわそわしていた。

まあ3歳の子が急に消えたらこうなるよね。


「~~っ!? フィッテ!」


父親と思われる男がフィッテに駆け寄ってきた。


「あ、お父さん。あぅっ」


やはり父親だったか、思いっきり抱き締められている。

あの抱擁は子供にはキツそうだ。


まあ、それだけ心配だったのだろう。


「フィッテ、何があったの。それにこの方たちは……」

「ハッ! キサマァ! ウチの娘に何の用だ! 返答しだいでは……」


いやいやいやおっちゃん!気が早すぎるだろ!

どうみてもフレンドリーじゃないか。

そう、フレンドリーだ。

ニコッ……。



「これは申し遅れた、私はここの領主であるロイル・クロスハートと申します。なぜか娘さんが馬車に紛れ込んでいたのですよ」

「そうだよお父さん! ゼノンくんがボクをみつけたんだよ! すっごいんだよ!」

「む、領主様でしたか……、ご無礼申し訳ない。ここ最近越してきたばかりで、まだ領主様の顔も……。とにかく娘を連れ戻していただき感謝します」

「またこの子は王子様を探しに行ってたのね、精霊の英雄さまの話をしすぎたのかしら?」


俺の渾身のスマイルがスルーされた……。

ま、まあいいんだけどね!

ぜんぜん気にしてないしっ!


それにしてもこの子、いつも王子様を探していたのか。

それで公爵家の場所までたどり着いたんだから、ある意味すごい執念なのかもしれない。



「とりあえずこの子をそのまま連れて行くわけにも行かず、一度ご両親の元へ連れてきたのですが……」


パパンが状況を説明しようだ。


「むぅ~っ!? だめだよっ! ボクの英雄さまを見つけたんだからずっと一緒にいるっ! えいっ」

「うぉぉっ!?」


フィッテが正面からしがみついてきた。

ほ、ほわ~柔らかい。

この子が俺のオアシスや。


じゃなくてっ!


いつの間にか王子さまから英雄さまに格上げされていた。

なんでや、いつのまに英雄になったんや。

まあ悪い気はしないんだけどね。



「ム? ……ハッハッハッハッ! どうやらお嬢さんはウチの息子の事が気に入ったようだ! どうですかな、この際お嬢さんを息子の友として私に預けてみるというのは」


なぜだパパン、なぜそこまで俺とフィッテをくっつけようとするんだ。

確かに俺には同年代の友達とかはいないし、ちょうどいいんだけどね。


ただこの子の両親がそんなの承諾するはずが……。



「ほ、本当ですか…! あなた! こんなチャンスはもう二度とないわよ! フィッテもクロスハート家のご子息様と仲が良いみたいだし、玉の輿よっ!」

「うぅーむ、しかしな……」


あんた達もかいっ!


おばさんと違っておっちゃんは慎重に考えていたようだが、ちょっとノリ気みたいな態度が滲み出ている。

もう完全に流れが出来てきているし、俺には止められないよ。


そしてオアシスが追いうちをかけてきた。


「きっと英雄様といればモンスターと戦う事もあったり、今のボクじゃダメだけど……、いっぱい頑張るよ?」

「フィッテ、お前……。分かった、ロイルさんあなたの案にのせていただこう。俺はガドーで妻はサリーだ、宜しく頼む」


フィッテの決意にガドーのおっちゃんは、そのガタイのいい体を曲げて頭を下げた。


「ハッハッハッ! よかったなゼノン、お前まだ友達いなかっただろう」

「あ、うんそうだね……」


だが俺は忘れない、彼女が決意した時に少しだけ「ニヤッ」っとしていたのを……。

気のせいかもしれないけどねっ!


「それではお嬢さんはこちらで1週間ほどお預かりします。1週間ほどで戻る予定ですので、その時はご連絡しますよ。この子が今よりも息子と仲良くなれば、見習いメイドとして雇ってみてもいいかもしれません」


なぜだパパン、なぜそんなに嬉しそうに俺の友達を作りたがるんだ。

まあ確かに俺は友達付き合いとかないけどさ、まだ3歳なんだぜ。


もしかしたら、俺以外の兄弟で友達関係に悩んでいた時期があったのかもしれない。


「まぁっ! 本当ですか!? やったわよあなたっ」

「うむ、さすが俺の娘だ」


……両親の承諾により話はまとまったようだ。

全て誰かフィッテの手のひらの上でコロコロ転がされていた気がしなくもないけどね。


そして今さらだが、メイド見習いと言う事は同年代の女の子が屋敷に住むことになる。

ま、住むのはメイド用の宿舎の方の屋敷だろうけどね。


落ち着け!

落ち着くんだ俺!

イエスロリータ、ノータッチ!


「えへへ……」


既にタッチしてたわ。

現在進行形でギューッとされている。


「こ、これから宜しくな?」

「うんっ」


さきほどのニヤっとした感じではなく、満面の笑みで返答が帰って来た。


うん、やっぱりさっきのは見間違いだなっ!

やっぱりこの子はオアシスや。


その後はまた王都へと馬車を走らせた。

ちなみに馬車の護衛は一緒に乗っているメイドさんらしい、ウチのメイドの基準がよく分からなくなってきたよ……。



ガトー:ガタイのいい茶髪マッチョ。畑仕事が得意。

サリー:エルフの銀髪美人、魔法は多少得意だが属性は風だけ。

フィッテ:ショートカット銀髪の美幼女。

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