決意・弐
「なのに、お前の一族はオレを封じた。わかってはいたがな」
視線を襖に向けるのと同時に勢いよく、襖が開く。
「かあ……さん」
「最初に言っておこう、嶺花……こいつにお前は殺せない。封印なんて出来やしない」
現れた嶺の母親に彼は言うが、彼女は「出来るわ」と肯定する。
「ずいぶんな自信だ。その自信はお前と沙嶺の子供だからか? どっちにしろ、自己満足だろう、生き長らせたいから、殺させる」
呆然としている嶺の首に腕を絡ませ、彼はクスクスと笑いながら言う。
「……もっとも、お前を殺すことができても、封印は再び解ける。──〝嶺の死と共に〟な。そして、オレは自由になる。嶺の魂が死んでも、オレの魂は死なないからな」
双眸を細め、彼は言葉を続けていく。
「十二神将から聞いているな、嶺花。こいつが【使命】の為に生きなければならないことを。その使命の為に〝死ぬ〟ことも知っていて……それでも、望むと? 生かすことを」
「望むわ。少しでも長く生きてくれるなら。それが残酷な未来だとしても」
強い、揺るぎない意志が瞳には宿っていた。
彼はその瞳を見て、納得したように笑みを浮かべる。
「いいだろう、封じてみろ、オレを。貴様の血と生命でもって──な」
言いながら、彼は消え──同時に嶺も意識を失う。嶺花は息子に駆け寄り、嶺を抱き締める。
「……ごめんね、嶺」
母親の息子に対する言葉は懺悔──。
その声を聴きながら、嶺は目を覚ました。




