第22話:今度はなんなんだああああ!!!どういう展開だよこれ!!!
「……なあ、デリニス?」
「ん?」
「どうした、カズキ」
「いやさ……」
「こんなこと聞いていいのか分かんねぇんだけど」
「アリエルって……どう見ても人間なんだよな?」
「……」
「それは……」
「今は話せない」
「すまない、カズキ」
「いや、気にすんな」
「そういう意味じゃねぇよ」
「その体型が純粋な改造なしでそのバランスって――」
ドォォォォン!!!
「……」
「かなり我慢しました……!」
「よくやりました」
「……」
「それにしても皆さんひどくないですか……?」
「カズキ、すぐ蘇るとはいえ殺しすぎでは……?」
「最近は俺もそう思う」
「だがここで――」
「カズキのK/D/Aに最も貢献しているお前が言うことではないな」
「なんですって!?」
「私はわざと人を殺したりしません!!」
「それに爆裂魔法はそんな悪質な魔法じゃありません!!!」
「ふざけんな!!!」
「何回俺を灰にしたと思ってんだ!!!」
「そ、それは……事故です!!」
「事故で済むか!!!」
「じゃあ法律は何のためにあって俺はなんで執行猶予なんだよ!!!」
(どう見てもデリニスとアリエルは……)
(……いや)
(理由があるはずだ)
(信じるしかねぇか)
「……」
「それよりデリニス」
「戦況はどうだ?」
「ああ……」
「アリエルが倒したのは偽物だ」
「本物の幹部はまだ王城には侵入していない」
「そうか……?」
「それより……妙な感じがする」
「魔力……何か感じる」
「……お前がそういうの感じるのか?」
「女の匂いとボリューム以外分からないんじゃなかったのか?」
「おい」
「勝手にそういう人間にするな」
「……コホン」
「どの辺だ?」
「前方500メートルだ」
「……は?」
「ふざけんな!!!」
「ほぼ目の前じゃねぇか!!!」
「今回はちゃんと陣形を――」
ドォォォォン!!!
「今度は何だあああああ!!!」
「……」
「言葉はいらないな」
「答えより行動を求める」
「我が名は魔王軍第八幹部」
「――グラディウス」
「……!」
「その名前は……」
「お前のものではない」
「……不満でもあるか?」
「いや」
「来い」
「全力で相手をする」
「……?」
「デリニス、どうした?」
「本気で気が合うタイプではないが……同族を見たのか?」
「カズキ」
「これは名誉の問題だ」
「私も……ふざけていい時とそうでない時の区別はつく」
「……そうか」
「じゃあ任せる」
「ありがとな」
グラディウスがデリニスに向かって突進する。
デリニスは剣術のみでそれを受け止める。
その最中――
「……」
(囁く)
何かが込み上げてくる……
いや……
爆発しそうだ……
「自分を見ろ」
「罪を直視しろ」
「血を憎め」
「……」
「魂を否定しろ」
「……」
「……受け入れる」
その瞬間――
足元から何かがデリニスを引きずり込む。
「……っ!?」
「これは……」
「まさか……!!」
「それか……!」
「よりにもよって……本当に血族か!!!」
月桂冠。
棘に覆われている。
踏みしめた場所から血が滴り、
血の沼がグラディウスを引きずり込む。
「……!」
「抜け――」
「グラディウス……」
「いや……」
「デリニスだったものが」
血の沼から幹部を引きずり込む。
徐々に――
その存在は沈んでいき……
やがて何も残らなかった。
「……」
「グラディウス……いや」
デリニスは遠くから視線を感じた。
「……やはり使いましたね」
「面倒を避けただけだ」
「アリエル」
「お前は全部分かっているんだろ」
「……ご安心ください」
「あなたの仲間……いえ家族には」
「話すつもりはありません」
「助かる」
「いえ」
「それより……」
「名前の価値は」
「本当に仲間より重いのですか?」
「……」
「……この事情を背負った者に、真実を」




