第20話:すべては水で解決する…!?⑳
「……そういうことか」
「……!!」
王が席から立ち上がる。
「やはり……我が婿か……!?」
「そうです……!」
「よかろう……来い!!」
「我が名は――アールニス・アルティニス」
「……いや」
「血の名において」
「サングイニスとして貴様を討つ!!」
「婿!!!」
「歓迎するぞォォォ!!!」
「父上ぇぇぇ!!!」
「시발!!!なんだこの展開は!!!」
「アリエル様……落ち着いてください」
「これは騎士の戦い――」
「いや、戦士としての決闘です!!」
「イカれた種族だな……」
「なあ、ちょっと気になるんだけど、ルナ」
「ん?なに?」
「血族って……実在するのか?」
「んー……いるかも?」
「でもなんで?」
「いや……ちょっと聞いてみただけです」
「……」
「血族なんて存在しません」
「断言しましょう」
「アリエル様……」
「――サングイニズム・レバティウム」
「!!?」
「それは……!」
「そうだ!!」
「我が一族の固有技だ!!」
「この地に――血の領域が展開される!!」
「その領域に囚われた者は――」
(約三分後)
「……おい」
「これ合ってるか?」
「デリニス……」
「うん……父上は元々ああいう人だから……」
「これ……説明してるうちに先に逝くんじゃないか?」
「……」
「何分経った?」
「うーん……たぶん三分くらい……?」
(さらに三分後)
「시발!!!もういい加減にしろジジイ!!!」
「正気に戻れ!!!」
「クリエイター・ウォーター!!!」
「クリエイター・ウォーター!!!!」
「クリエイター・ウォーター!!!!!!」
「口に直接ぶち込むなァァァ!!!」
「もう死ね!!!!」
「……」
「満腹だ……!!」
「説明だけで……腹が満ちた……!!」
「水まで流し込まれて……限界だ……!!」
「もう……何も入らん……!!」
ドサッ――
「……これが」
「老人の攻撃……いや、“公敬”だ……!!」
(絶望編)
「デリニス?」
「大丈夫なのか?」
「うん……父上は大丈夫……だと思う」
「……おい待て」
「“だと思う”ってなんだよ」
「よく考えてみて……」
「たぶん起きない」
「マジかよ!!!」
「ガチで寿命削ってる老人攻撃してんじゃねぇか!!!」
「……たぶん?」
「だからその“たぶん”やめろ!!!」
「アリエル!!!」
「まだ知り合って間もないけど――」
「そのバランス!ミドル!ボリューム!そして整った体型!!」
「俺のデータによれば、君は善人だ!!!」
「だから頼む!!!この老人を助けてくれ!!!」
「……」
「ちょっと待ってください」
「今なんて言いました?」
「……」
「どうして?」
「何が問題で――」
「死ね!!!」
「やめろおおおおお!!!」
(しばらく後)
「うーん……」
「これ一つと……」
「あれ一つ……」
「うん、二人分処理すれば終わりだな」
「そう?」
「じゃあすぐ終わるね~」
「おい!!!」
「人を荷物みたいに扱うな!!!」
「同意だ……!」
「娘よ!!!」
ガンッ!!!
「なあ、デリニス……」
「それでも……お前の父親だろ?」
「……違う」
「了解です」
「よし!」
「宿に戻るぞ!!」
「帰ろ~」
宿の前――
「今日の夜、時間ある人ー!!」
ドンッ!!!
「……」
「いないのか……」
「くそ……」
「시발!!!」
「なんで主人公なのにこんな扱いなんだよ!!!」
「実績的には――」
「第九幹部撃破!!」
「第三幹部を去勢キック!!」
「しかも王国の王まで倒したのに!!!」
「お前頭おかしいだろ!!!」
「言ってて違和感ないのか!!!」
「うぅ……」
「もう寝るか……」
「……」
「……」
「やばい!!!」
「眠れない!!!」
「それより――」
「トイレが限界だ!!!」
「道どこだよ!!!」
「瓶にするわけにはいかねぇ!!!」
「いくら現代人で――」
「異世界に転移したとはいえ!!!」
「文明レベルが中世でも!!!」
「俺は現代人なんだぞ!!!」
「そうだ!!!」
「ミンゴニングなら助けてくれる!!!」
「ミンゴニング!!!」
ドンドンドン!!!
「助けてくれ!!!」
「……どうしましたか、カズキ?」
「緊急事態だ!!!」
「男の尊厳に関わる問題だ!!!」
「それならカズキは関係なさそうですね」
「では」
「おい!!!その結論なんだよ!!!」
「この童貞男に愛をくれ!!!」




