第2話:やっぱり不法侵入はカズキだ②
アクセルの町。
「どういうことだよ……」
「このクソ女神が……!!!」
「まぁ……一応戻ってこれたしOKじゃない?」
「どこがOKだよ!!!」
「少しは頭使え!!!」
「なんでよ!!ミスくらいするでしょ!!」
「それでも地獄行きは回避したじゃない……」
「なんでそんな責めるのよ……」
「おい、急に可哀想ぶるなよ……」
「……分かったよ、落ち着け」
「……」
「マジで泣いてるし……」
「ごめん……」
「ごめ……」
ドゴッ!!
カズキが再び地面に叩きつけられた。
「시발……なんだこれ……」
「騙されるなんて、本当に愚かですね!!」
「単純すぎますよ!!」
「異世界に来て権威はほぼ失いましたが――」
「あなたを吹き飛ばす力くらいはあります」
「それをポジティブに言うな!!!」
「うぅ……頭が痛い……」
「頭痛いですか?」
「うん……」
「抱きしめてあげましょうか?」
「うん」
「……って、待て今なんて?」
「ウソです」
「……?」
「行きましょう!」
「どこ行くんだよ」
「知らないの?」
「……まぁいいか、行くぞ」
数時間後。
「腹減った……!!!」
「計画あるって言ったよな!!!」
「どこにあるんだよその計画!!!」
「これが路上生活のことか!!!」
「うぅ……」
「騙されねぇぞ、このクソ女神」
「……」
「はぁ……」
「まぁいいよ……」
「……」
「今日は殴らないのか?」
「別に……」
(……なんだこの空気、시발。恋愛ものかよ!?)
「そうか……?」
「まぁいいけど……」
「とりあえずギルド行くか――」
「……可哀想ですね」
「これ、受け取ってください」
「……」
「ありが……とう?」
「おい、ルナ」
「これで冒険者登録の金は揃ったな」
「……」
「本当?」
「ああ、だから泣くな」
「行くぞ」
ギルド前。
「……よし」
「こういうのは俺向いてないし、複数相手はお前がやれよ、ルナ」
「うん……分かった」
「まだ落ち込んでるのか?」
「うん……」
「悪かったって……」
「いや、謝らなくていい」
「いつも通りでいい」
「……努力する」
「……」
「えっと……」
「すみません?」
「はい?どうしました?」
「冒険者登録したいんですけど」
「登録料が必要になります」
(やっぱ金いるのかよ……)
「これで」
「少々お待ちください。終わればステータスが表示されます」
「おいルナ……」
「本当に大丈夫なのか?」
「……」
「全然大丈夫じゃない……」
「お前だったら平気なのかよ……こんな状況で」
「……まぁ、そうだな」
「抱きしめて……」
「なんでそんなにくっつこうとするんだよ」
「私は昼だから、かなり弱ってるの」
「……?昼なら元気じゃないのが普通じゃない?」
「何言ってるの?」
「そんな目で見てたの?人間짐승」
「私は月の女神よ」
「夜に強くて、昼に弱いのが常識でしょ!」
(常識じゃねぇよ……)
「あ、そうだ。登録結果だ」
「サトウ・カズキさんは――」
「……」
「どうかしましたか?」
「いや……なんでもない」
「知力は低いですが、敏捷が少し高いですね」
「他は平均です」
「……一般人レベルですね」
「いや、一般人以下です」
「は?」
「ちょっと待て……」
「ルナさんは――」
「え?」
「ステータスが……」
「ステータスがなんだよ!!!」
「話途中で止めんな!!!」
「お二人とも似たようなものですね」
「この方は知力が0です」
「こんなの初めて見ました……」
「信仰も特に高くないですね」
「は?」
「お前、女神だよな?」
「なんで信仰低いんだよ?」
「……」
「言ったでしょ、月の女神だから昼は弱いって……」
「意味わかんねぇよ!!!」
「それと信仰関係ねぇだろ!!!」
「……まぁいいじゃない」
「……そうか?」
(いや待てこれおかしくね?)
(普通の異世界なら俺チート側だろ?)
(なんで女神がこれで、俺がこれなんだよ……)
「……はぁ」
「まぁいいか」
「これも冒険の一部だと思えば」
「おお……ポジティブだな」
「2話目にして初めてまともだな」
「世界が合ってるのかもな」
「おいクソ女神」
「雰囲気ぶち壊すな!!!」
「女神ならそれらしくしろ!!!」




