第12話:屋敷の亡霊⑫
屋敷の前――
「カズキ?」
「どうしたの?」
「なんであの屋敷の依頼を受けたの?」
「……」
「話すと長い」
「まぁ……優しい魔王軍幹部に会ったと思ってくれ」
「はぁ!?」
「その幹部って……どんな趣味を――」
「やめろ」
「えぇ……」
「それくらい教えてよ……」
「嫌だ」
「それより、早く屋敷に入るぞ」
「ルナ?」
「何?」
「仕事しろ。もう夜だぞ」
「月の女神なんだろ?」
「能力とかないのか?」
「あるよ!」
「何?」
「うーん……」
「うーん……?」
「……あっ!!思い出した!!」
「バカか!!!思い出さないと分かんねぇのかよ!!!」
「私は月の女神よ!カズキ!」
「バカなの?それとも鈍いの?」
「アンデッドどうやって倒すのよ!」
(この野郎……!!)
「……そうか?」
「俺は一つ方法知ってるけど」
「何?」
「……嫌な予感しかしないんだけど、私はギルドに帰――」
「おい」
「どこ行くんだクソ女神」
しばらく後――
「嫌だあああああ!!!」
「絶対嫌だあああああ!!!」
「夜だからって!!!」
「人を!!いや女神を!!!」
「懐中電灯に使うとかありえないだろおおおお!!!」
「うるせぇ……」
「デリニス」
「もっと反射させろ」
「分かった」
「やめてええええ!!!」
「私のトレードマークがああああ!!!」
「アイデンティティがああああ!!!」
「うぅ……」
「カズキ……これ本当にいいんですか?」
「いくらルナでも……」
「こんな持ち方で……」
「方法はもう一つある」
「何ですか?」
「俺の目にはロリ魔族が一人見えるんだけど」
「暗い場所を照らすなら――」
「爆裂魔法一発で十分じゃね?」
「いいですね!!!」
「行きましょう!!!」
「暗く深い深淵より、我が魂を――」
「うるせぇ!!!」
「冗談なのに詠唱始めるな!!!」
「むぐむぐ……!!」
「……待て」
「シッ……!!」
「何か来る」
「ちょうどいい」
「セリルに教わったスキル使うか」
「赤眼とドレイン・グリップだ」
「ちょっと待ってください!!!」
「そんな名前からしてチートなスキル、いつ覚えたんですか!?」
「しかも赤眼って私の役割じゃないですか!!!」
「うるせぇロリ!!」
「赤眼はただの透視スキルだ!!」
「見えないものが見えるだけ!!」
「じゃあドレイン・グリップは!?」
「初めて聞きましたけど!!!」
「ああ、それは俺が勝手に付けた名前」
「カッコよくね?」
「ただの魔力吸収だ。供給もできる」
「チートじゃないですか!!!」
(これって……)
(カズキがルナから魔力を吸って……)
(その後に私が連続で爆裂魔法撃てば……!!)
(1日に何回も撃てる……!!!)
「いいですね!!カズキ!!!」
「早く私にドレイン・グリップを!!!」
「OK」
「ちょっと待ってください!!!」
「どこ触ってるんですか!?」
「当たってます!!!」
「おい」
「15禁だぞ……」
「ただ首掴んでるだけだろ!!!」
「なんで首なんですか!?」
「首絞めてるんですか!?」
「ついに私にも容赦なくなったんですか!?」
「何言ってんだよ!!!」
「お前がやれって言ったんだろ!!!」
「ひぇええええ……」
「フフフ……」
「これを狙っていた……!!!」
「ドレイン・グリップは魔力吸収……」
「つまり移動もできる!!!」
「お前の一日一回しか使えない無駄魔力……」
「全部いただくぞ!!!」
「嫌だあああああ!!!」
「よくも……!!私の魔力を!!!」
「それよりなんで自然に背負ってるんですか……」
「恥ずかしいです……」
「おいお前ら何してんだ?」
「あ、デリニス」
「ちょっと重要なことしてる」
「何だそれ」
「無防備なロリを背負って、胸の感触を――」
ゴンッ!!!
「死ねええええ!!!」
「ぐああああああ!!!」
「はぁ……一件落着」
「最高です……デリニス……」
「よし」
「1階と2階は問題なし」
「各自部屋決めて休め」
「一日様子見ないと異常があるか分からない」
「解散!!!」
「この哀れな者に胸パッドを!!!」




