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夢で出会った死神

作者: tomocha928
掲載日:2026/02/09

200X年の9月、私は20歳の誕生日を迎えた。

その夜は家族が盛大に祝ってくれた。

「おめでとう!」

「これからの人生楽しみだね!」

「早いところ結婚するんだぞ~」

家族からの祝いの言葉を肴に酒を飲む。


しばらくして、父から1本のワインをプレゼントされた。

「ほら、これ誕生日プレゼント。」

「そんなに高いもんじゃ無いけどな!」

『ありがとう!大切に飲むよ!』

初めて感じる、フワフワと幸せな気分。

(あぁ、これが酔うって感覚かぁ。気持ちいいな……。)

そう感じた直後には記憶が飛んでいた。

案の定、酔いつぶれて寝てしまったのである。

そしてこの後に、私は彼と出会う事になる。


[こんばんは。20歳の誕生日おめでとう。]

ずっしりと重く、けれども掠れがかっている声が私の脈拍の速度を上げた。

どこかで聞いた事があるような声に感じるが、分からない。

寝室の窓から覗く月明かりが照明となり、その姿が見えた。

モヤッとした人型の黒い霧状の姿に、無表情な白いマスクをしていた。

その姿は月光を吸収し、周囲の闇よりも深く淀んでいる。

禍々しさと神々しさが同居したような、明らかに異質な雰囲気が漂う。


……。(不気味な沈黙の後)

[君の人生も、今日でちょうど半分を迎えたね。]

『え??……夢か?半分って、どういう事?』

心臓がひときわ強く脈打つ。さっきまでの酔いが、一瞬で醒めた事を本能が理解した。

彼は嘲笑した口ぶりで、こう返した。

[そのままの意味だよ。また20年後に会いにくるさ。いや、お迎えと言った方が正しいかな。そうそう。君がプレゼントされたあのワイン。実は……]

そう言い残すと、彼はフッと消えた。


20年後の9月の誕生日、私はワインを片手に、幸せそうに寝ている彼の前に立っていた。

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