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旅行者が語る物語。
年月が経ち、帝国を巡る旅人たちが道中や旅籠、宿屋で語る話の中には、遠く雲南省に住む一人の女性のことがあった。彼女は貧しい子どもたちに読み書きを教えていたという。銃の扱いに長けていたとも言われているが、それを人前で見せることはなかった。
だが、彼女の教え子たちが何よりも覚えているのは、彼女の机の上にいつも置かれていた一瓶のジャスミンの花だった。
彼女は繰り返しこう語っていたという――「正義はいつも銃口から生まれるとは限らない。子どもたちがきちんと学んでいる国には、銃など必要ないのだ」と。
それが本当にメイだったのか、それとも寂しい土地に希望を与えるために旅人たちが語った物語だったのか――その真偽を確かめられる者はいなかった。
だが武漢では、寺のそばに白いジャスミンの花が咲くたびに、人々は思い出すのだった:
かつて強大な不正に立ち向かった一人の召使いの少女を。そして彼女が、自らの物語を川の水面を流れる花のように、遠い岸辺へと運び続けたことを。
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