喪失と希望の川
雨は小雨になり、空は重く灰色だった。洪水の濁流が、折れた木々、壊れた荷車、町の家々の破片を押し流していた。メイとリアンはびしょ濡れで震えながら、川に浮かぶ不安定な瓦礫の上で互いにしがみついていた。疲れ果てて動くこともできない。
小さな木の舟が勢いのある流れを切り裂きながら近づいてきた。二人の男がオールを握り、泥で汚れた顔には長時間の救助活動の疲れがにじんでいた。彼らはメイとリアンを引き上げ、すでに乗っている他の生存者たちの間に座らせた。怯えた子供たち、震える老人たち、顔がこわばった大人たちが、きしむ舟にぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。舟は川の激流に揺れながら進んだ。リアンは浮かぶ遺体を見て身をすくめ、すぐに目をそらした。メイは静かに彼の髪を撫でて慰めた。
舟を漕ぐ男たちによると、彼らは町の廃墟を離れ、高台にある救援キャンプへ向かっていた。
リアンは震えながらメイの袖をつかみ、声を張り上げた。「メイ!戻らないと!母さんと父さんを探しに行かないと!いなくなってしまったなんてありえない!置いていけない!」
メイの胸が痛んだが、舟が揺れる中、彼の腕をしっかりとつかんだ。「リアン」低く、しかし強い声で言った。「無理よ。どうしようもない。」
リアンは強く言い返した。「だめだ!家に戻ろう!母さんはまだそこにいるはず!寺にも行こう!」
メイは沈黙し、喉が詰まった。リアンは舟の男たちに懇願した。「寺へ連れて行ってください!近いはずです!」
男たちは疲れた顔で首を振った。「寺は跡形もない。我々も見てきた。」
「じゃあ家だ!吉祥通りにある家に!」
メイは語気を強めた。「幼稚なことを言わないで。今は危険すぎる。周りを見なさい。もうそんなに子供じゃないでしょう。」
リアンの目に涙と怒りが浮かんだ。「でも、僕たちの両親だよ!見捨てるわけにはいかない!」
メイは素早く立ち上がった。濡れた衣が痩せた体に張り付いていた。彼女の手がリアンの頬を打った。鋭い音に舟の中の人々が少し身をすくめた。「もういい!」メイは恐怖と疲労に震える声で言った。「怖いんでしょ。私もよ。でも強くならなきゃ。まずは自分たちを守らなきゃ。」
リアンは唇を震わせ、体をこわばらせた。メイは冷えた体をかまわずぎこちなく彼を抱きしめた。「私を見て」彼女は優しい声で言った。「必ず見つけるわ。父さんも母さんも、救援キャンプに来ているはず。もし見つからなくても、キャンプにはたくさんの人がいる。役人も、助けてくれる人もいる。私たちは一人じゃない。」
リアンはゆっくりとうなずき、涙をメイの衣に染み込ませた。メイは震える指で母の小さな財布を握りしめた。衣の内側にしまい込んでいたそれを触ると、いくつかの硬貨があった。それがわずかな希望だった。
さらに数人の生存者を乗せた後、舟は夕暮れ時に救援キャンプへと到着した。キャンプは泥の丘に広がり、混乱の中で人々が生き延びていた。竹の柱で支えたボロボロの天幕や布が、湿った風にひらめいていた。紙の提灯はぼろぼろに垂れ、かすかな光が地面に映っていた。家族は藁の敷物の上に寄り添い、空腹と悲しみに顔をこわばらせていた。兄弟を失った子供が泣き叫び、老人たちは古びた布にくるまりながら先祖と神々に祈りを捧げた。
キャンプには静かながらも切迫した雰囲気があった。泥だらけの破れた漢服を着た人々が、小さな袋の稗を奪い合い、叫びながら地面に穀物をこぼした。その近くでは、わずかばかりの米を地面にまいて霊を鎮めようとする者たちがいた。ある者は儀式を行い、粗末な龍王の祭壇に額ずいた。その祭壇は傷んだ木の板に萎れた菊とひび割れた香炉が置かれ、薄い煙が空へと立ち上っていた。別の者は葦や流木を結びつけ、冷たい夜に備えて不格好な避難所を作っていた。
メイは、嵐の雲が割れ始め、穏やかな空の一部がのぞく地平線を見つめた。喪失と恐怖、新たな責任が肩にのしかかった。周囲には、もはや頼れる大人がいなかった。だが、彼女は静かに誓った。リアンのために、両親のために、そして不確かな未来のために進み続けるのだ。まずは、この混雑した苦しみの中で、食べ物と避難所を見つけなければならなかった。