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千春  作者: 古砂糖
第1章 邂逅編
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6、沈黙の3ヶ月


そこからしばらくの間、僕は平凡な日々を過ごしながら白いワンピースの女を探し続けたが、全くもって会うことも、手がかりを掴むことすらも出来なかった。普段よりも大学に回り道をして行ってみたり、町中に落ちているゴミを拾ってみたり、いきつけのラーメン屋にいい加減顔を覚えられるくらい通ったりしたが、全くその姿を拝むことは叶わなかった。


それどころか、根中にもここ二ヶ月ほど会っていなかった。夏休みはとうに終わり、本来毎週金曜日にはゼミの講義で必ず一緒になる以上、週一では顔を合わせるはずだった。

だが、あの日以来根中は大学に全く姿を見せなかった。インスタやラインにも一切動きが無く、こっちから連絡しても何も答えなかった。

友人なので、家まで押しかけても良いのだが、根中にはそれがしにくい。

というもの彼は時々体調を崩し、入院したりする。大学に入って一度や二度のことではなかった。


彼は自分の持病を不整脈と周りに説明しているが、僕はもっと何か大変な病気なのではないかと思っている。

当の本人はそれを露程も表に出さないので、実際のところは分からない。

事実として、彼はただの不整脈の割には良く体調を崩し、そして自分が弱っているところを人に見られるのを妙に嫌った。

そして、そのことを詮索されるのをあまり好かないこともよく知っているので、しばらくは放っておくことにしたのだ。


根中に会えないのだから、白いワンピースについての情報もアップデートされない。故に彼女の捜索は難航した。いつもの僕ならそろそろ彼女への情熱を失ってもいい頃合いなのだが、なぜだかどうしても会わなければいけない気がしてならなかった。それは自分で湧いてくる感情と言うより、第三者に頼み込まれてそう思っているような、不思議な感覚だった。


一応、ラーメン屋には1週間に1度顔を出し、全てのメニューを2回ずつオーダーするまで通ったが、白いワンピースは拝めない。

本当に夢でも見ていたのかも知れない、そう思い出している自分がいることにも気がついていた。



とうとう十二月になった。


根中のことがいよいよ心配になってきた。ゼミの教授や友人たちに聴いてみても、音沙汰ないらしい。彼は相手から病気を心配されるのは好きではないが、その代わりに自分から大丈夫だ、という意思表示を欠かすことはない。今までも、入院中は必ずゼミやバイト先にも連絡して、いつ戻るかも正確に伝える、それが根中という人間だった。

マメな根中らしくない。明日根中の家を訪ねようと決意した。彼は僕とは違い東京生まれ東京育ちで、今でも実家から通っている。そのため家には家族がおり気軽に顔を出しづらかった。だが、気まずさ以上に心配が勝っている。流石に見に行かなければなるまい。


そう決めたその日の夜、僕は夢を見た。

やっぱりたくさんの方に読んでもらうのって難しいですね・・・。

他の方の作品読んで勉強しよう・・・。

次話は11/23 21:00投稿予定です!

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