タイミングが悪すぎて、地球侵略に失敗したイカ型宇宙人のお話
しいな ここみ様、主催の『宇宙人企画』参加作品です。参加表明をしたところ、『イカ型宇宙人を楽しみにしております\(^o^)/←』としいな ここみ様にリクエスト?して頂いたので、イカ星人たちのお話になりました。
ボケるチャンスを振って貰ったら、全力で拾うお笑い芸人魂をご笑納ください。(@^^)/~~~
ある星に、宇宙人がいました。
この宇宙人は、地球のイカによく似ていました。
イカ星人は、海の星に住んでいました。
しかし同じ星に住む、タコ型の種族と領土をめぐる争いなりました。海の星が狭すぎたのです。
タコ星人たちにタコ殴りされたイカ星人は、遺憾の異を示しました。そして自分たちが住める領土を探すために、超大型宇宙船に乗り移住先を探す旅に出ました。
航海を経て、銀河の果てにある地球という星を見つけました。母星と同じように、海もあります。さっそく現地の生物を殲滅し、占領することが満場一致で決定しました。
宇宙船のイカ星人は、まずは作戦会議をすることにしました。イカ星人なので、宇宙船の中は水で満たされています。
まずは情報を集める為に、偵察隊を送ることにしました。若手がアイデアを出しました。
「地上を確認すると『ニンゲン』と呼ばれる種族が、一番勢力があるようです。サンプルの映像を撮影したので、化けて紛れ込むのはどうでしょう?」
それは良いと、皆が賛成しました。そしてサンプルの地球人に化けた100体が、世界各地に移転装置で送り込まれました。
5月の新緑の季節。公園で遊んでいた子どもは、驚きの声を上げた。
「ねえ、ママ見て!」
我が子の指さす方を見た母親は、思わぬ光景に目を見張りました。
「あら、珍しい。何かのイベントかしら?」
その場にいた、他の人たちもやはり声を上げ始めました。
「ドラマの撮影じゃないか」
「それにしては、スタッフとか見当たらないぞ。一般人が動画サイト用の企画でやってるんじゃないかじゃないか?」
辺りを見回し撮影スタッフを探す人や、スマホを手にし写真を撮ろうとする者。だんだん、騒ぎは大きくなり始めました。
公園に配置されたイカ星人は慌てました。宇宙船の本部と連絡します。緊急退避が決まりました。
体内に持っていた黒い霧状の煙幕で、地球人の目をくらましました。そして転移装置で宇宙船に戻りました。
それは、他の場所に配置されたイカ星人達も同様でした。
宇宙船に帰ってきた偵察隊のイカ星人達は、母船のメンバーに報告しました。
「ダメです!地球人たちはすぐに自分たちに注目し始めました」
解析班の船員も、同様の意見を述べました。
「地上を飛び交う電波を確認しましたが、世界中で話題になってます!」
イカ星人達は報告を受け、驚くと共に不思議がりました。
なぜなら化けたイカ星人の見た目は、サンプルの地球人そっくりだったからです。なぜ気づかれたのか分かりません。
「もしかしたら、『ニンゲン』とやらは、我々の知らない方法でコミュニケーションをしているかもしれません。それで奴らは我々に違和感を感じたのかも……」
とにかく、騒ぎになったからには秘密裏に情報を集める作戦は中止せざるを得ません。イカ星人たちは地球侵略を諦め、次の星を探すことになりました。
イカ星人たちの予想は当たっていました。
イカ星人は声(音声)でなく皮膚の色を変え、ミュニケーションをします。そのため身体の表面を覆う洋服という存在も知りませんでした。
そしてサンプルの映像を撮影した日は、12月24日のクリスマス・イブでした。
日本の報道機関でその日の夕方、次のニュースが紹介されました。
「本日の日本時間で15時15分、世界中でサンタクロースの恰好をした人物の目撃証言が相次ぎました。目撃者がいるなか、突然その人物の周りに煙幕のような黒い霧が出現。霧が消えると同時に、サンタの恰好をした人物も消えていたそうです。目撃者も多数の事から、全員が幻覚をみたとも考えられず専門家が調査を勧めています」
聖夜の奇跡で、地球の平和は保たれたのです。
彼らのスクイ~の星が見つかるまで、イカ星人達の旅は続きます。
イカ星人たちのモデルは、実在するイカの『アメリカアオリイカ』、別名『レッドデビル』(赤い悪魔)です。赤つながりでサンタクロースの恰好がオチになりました。こちらの『アメリカアオリイカ』は本当に皮膚の色を変えてお互いコミュニケーションします。
ユーチューブに動画がありますので、ご興味を持たれた方は是非。結構大きいイカなので、びっくりすると思います。
『いかすみこ』より(@^^)/~~~