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平安貴族物語 ~時姫から藤原彰子まで~  作者: かあなび1
第一部 時姫(道長の母)
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兼家様の兄君(伊周殿)亡くなる

 この年の8月、長兄伊周殿が病に倒れられた。摂政になられてから、それほど時はたっていない。かなりの重病らしい。ところが、兼家様と次兄兼通さまの心配は、兄上の病ではなく、どちらが後を継ぐかであった。

 現在の位は、兼家様のほうが上。円融帝の覚えも、兼家様。伊周殿の重用ぶりも、兼家様。しかし兄弟の順でいえば、兼通殿。円融帝の御前で兄弟げんかを始めてしまったという話まで聞こえてくる。

 兼道殿と兼家様と、どちらが後を継ぐのか。

 

 とうとう伊周殿が亡くなり、はらはらしながらも、私のできることなどなくただただ知らせを待っていた。

 人づてに聞いたところによると、道兼殿がお亡くなりになった安子様のお文に

「関白をば しだいのままにさせたまへ。 ゆめゆめたがへさせたまふな。」

(関白は、兄君のほうから順に任じてください。決して、違えてはなりません。)

としたためてあるのを帝にご覧に入れ、そのようになさったということだった。兼道殿の唯一の有利、自分のほうが兄である、をしっかり生かされた形だ。


 兼家様は、たいそう気を落とされたご様子でお帰りになった。そして、昇進は全くないどころか、官位を落とされ、失意の中で日々暮らしていらっしゃる。


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