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平安貴族物語 ~時姫から藤原彰子まで~  作者: かあなび1
第一部 時姫(道長の母)
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超子入内

 このとき、兄上の伊尹殿は、従四位のたいしたことないで蔵人の頭兼左近衛権中将。(これは、天皇の秘書で将来有望)まだまだこれからというところ。村上天皇の后は、妹の安子様。しかも、東宮の母。(これも将来有望)次兄の兼通殿は従四位の下中宮権大夫と兼家様は、正五位の下で少納言。まだ、力がない。当然、大臣になどなれない。

 伯父に当たる藤原実頼殿が関白太政大臣に就かれる。しかし、実際は兄上の伊尹殿が政治を動かしておられた。

 村上天皇が崩御され、安子様の一の宮が冷泉天皇になられる。

 安子様には、皇子が三人いらっしゃったが、二の宮ではなく、三の宮が東宮になられた。二の宮には、左大臣源高明殿の娘が后になってすでに王子(皇子の子)を産んでいらっしゃった。藤原氏の邪魔になる。伯父の実頼殿も、兄上の伊尹殿も、ぬかりなく事を運び、まんまと三の宮を東宮にした。当然、兄上の伊尹殿は自分の娘懐子様を朱雀天皇の女御として入内させ皇子を手に入れた。この時の経緯を、出雲はよく知っていて、何かと私に情報をくれた。

 安和元年、伊尹殿のすすめで、私の一の姫も冷泉天皇の女御として入内することになった。なんと!!帝の妻(の一人)になるなんて。一の姫が生れた時、「国母になるよ」という兼家様の言葉を、親バカ!!と笑っていたのに。当然ながら、我が家から女御が出たことは、ない。わたしだけどの身分が低いうえに、兼家様もまだ公卿ではない。わからないことだらけで、かなり焦った。兼家様の実家には、何かと相談し、伊尹殿の姪として恥ずかしくないように準備を整えた。実は、転生先の時姫は、かなりの美人。兼家様はりりしくハンサム。一の姫超子は、どこに出しても決して他の姫に引けはとらない。(私も、親バカ。)父が公卿でないのに娘が女御となったのは、超子が初めてだそうだ。伊尹殿のお力は、すごい。


 入内の準備は、豪華な調度品や様々な宝物を取り寄せ、美しい衣を縫いなど様々で、息をつく間もないほど目まぐるしいものであった。


 それにしても、私は、兼家様と文を交わし、兼家様がいかに私を思ってくださるか納得の上で婚儀を迎え、我が家の婿になっていただいたのだが。今では、兼家様が造られた家に招かれ女主人として住んでいて、正妻として重んじられている。

 一の姫は皇子(みこ)と文を交わしもせず入内される。母の私と会うことも、めったにない内裏で幸せに暮らしていけるのだろうか。



すみません。朱雀天皇と冷泉天皇を取り違えていました。超子は、冷泉天皇に入内しました。書き直しました。

60代醍醐天皇の次が息子の61代朱雀天皇で、朱雀天皇の弟が62代冷泉天皇です。

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