表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平安貴族物語 ~時姫から藤原彰子まで~  作者: かあなび1
第三部 彰子(道長の娘)
40/46

一条帝譲位

 わたくしのお一人目の二宮様が生まれるまでには、7年の歳月がかかったのに、お二人目の宮様は、すぐ次の年の11月25日にお生まれになった。この度は、安産で、三人目の男皇子に一条帝はたいそうお喜びであった。そして、三日、五日、七日、十日の御産養おほんうぶやしないの祝い事が二宮様に勝るとも劣らず同じように続く。

 ところが、その翌年、一条帝がお体を崩された。なかなか快癒されない。薬師によい薬を煎じさせ、読経も心を込めてさせていたのに。やっぱり、現代医学が恋しい。

 わたくしの知らぬ間に、一条帝は、父道長に譲位の意向を伝えていらっしゃったらしい。ところが、わたくしの耳に届いたのは、もうご譲位が決まってしまってからであった。しかも、東宮は一宮敦康親王ではなく、二宮のわたくしのお子敦成親王だという。

 なんてこと!わたくしはすぐに父を呼び出した。

 「お父様、すぐに東宮を一宮敦康親王様になさってください。敦成親王様は、その次でよろしいではありませんか。わたくしは帝になられると思って一宮様をお育てしてきました。一宮様も、もちろん、そう思っておいでです。それを、おとうさまの一存で違えるとは、一条帝のお気持にも、天の理ことわりにも外れることではありませんか。」

 語気も荒く詰め寄ったのだが、一宮様の後ろ盾がないことを理由に父に丸め込まれてしまった。悔しい。嘆かわしい。わたくしは、一宮様を守ることができなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ