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平安貴族物語 ~時姫から藤原彰子まで~  作者: かあなび1
第二部 詮子(道長の姉)
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花山帝の出家

 寛和2年6月23日、穏やかな日々は、突然終わりを告げた。

 現在の天皇であられる花山帝が、昨夜、出家されたというのだ。つまり、東宮である我が一宮が天皇になられるのだ。誰も予想しなかった、急な展開である。混乱で、頭がついていかない。

 父兼家は、満面の笑みでわたくしに挨拶をし、儀式のことを伝えて、走るように去っていった。どうやら、兄上たちを使って、花山帝の出家をお助けしたようだ。花山帝は、昨年7月に女御の忯子様を身重の身で亡くされて以来、出家して供養したいと願われるのを義懐殿がお停めしているという話を聞いたことがある。蔵人としてお仕えしていた次兄の道兼兄が動いたか。

 長兄の道隆兄や、異腹の道綱兄の手ですでに三種の神器は東宮御所に運び込まれている。やはり父が裏で糸を引いていたのに違いない。もう、出家を覆すことはできず、誰も一宮の即位を止めることはできない。

数え年7歳にして、一宮は、一条天皇となった。摂政は、父兼家。一宮には、弟君はいらっしゃらないので、東宮は、姉上がお産み申し上げた朱雀院の第二皇子が立たれた。(花山院の異腹の弟君)これで、父は、天皇と東宮の祖父となる。

 わたくしは、7月5日に皇太后となった。

 公任は逆にわたくしの女房から「姉君の素腹の后はどちらにおいでで?」と皮肉られたという話を、出雲から聞いて思わず笑ってしまった。はしたなかったかしら。


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