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平安貴族物語 ~時姫から藤原彰子まで~  作者: かあなび1
第二部 詮子(道長の姉)
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女御になったが

 三日夜の餅が、運ばれてきた。美しい銀の盆にのせられている。優雅に口にする。所顕(ところあらわしを終え、梅壺に下がる。円融帝は、雅やかで美しい帝であるが、どこか冷たい感じを受けた。まあ、今までの経緯を考えれば、無理もない。

 父は、次兄の兼通殿と、語り草になるほど仲が悪かった。その兼通殿がご病気と聞き、父はなんと兼通殿の邸宅の前を素通りして御所にはせ参じたのだ。怒り心頭の兼通殿は、病を押して御所に上がられ、頼忠殿を関白に、父の右近衛大将を奪われた。まったく、父は何をしているのだか。

私は、三人目の女御だ。お一人目は、兼通殿の娘媓子様。中宮におなりだが、帝より12歳も年上で、御子様はお生まれでない。たいそう仲の良いお二人であると聞くが、今は病に臥せっていらっしゃる。お二人目は、数か月前に入内された遵子様で、関白頼忠殿の娘。頼忠殿は、兼通殿と仲が良く、父とは疎遠だ。もしかして、中学校で勉強した『四面楚歌』なのかしら。

 そんなことは、言っていられない。帝は、冷たいと感じたとはいえ、礼節を重んじ、誠実にふるまわれる。ここにきて、少し父を恨むが、これくらいで弱気になる私ではない。


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