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「スサノオ作戦?」

ソヨはキョトンとして直哉を見た。


「そう! スサノオのヤマタノオロチ退治を真似してみるんだ!」

ソヨは直哉に言っている事が全く分からなかった。


―この時代はもしかして俺たちの過去とは違う世界線なのかな…。


「とにかく! ソヨは酒のつまみになるような物を作って欲しい。それから酒の準備も。俺は武器になるような物を探してくる。」

直哉は言った。


「分かった!」

ソヨはすぐに準備を始めた。


 やしろの蔵には定期的に来る村の者たちが神への捧げものとして多くの食材を治めていた。酒のさかなを作るには充分過ぎるほどの量があった。


 直哉は辺りを見回り、武器になりそうなものを集めた。


「わぁ、すごいな、ソヨ!」


 り合わせで作ったにも関わらず、ソヨの用意した料理は見事な物だった。


「そんなこと…ないです。」

ソヨは照れた。


「そんな事あるよ! だってソヨは俺と年変わらないだろ? なのにこんなに料理できるなんて! 俺なんかカップラーメンくらいしか作れないよ。」


「…カップ…ラーメン?」

ソヨは首を傾げた。


「こんなすごい料理、あいつに食わせんのしゃくだな…。」


 悔しそうに言う直哉をソヨはジッと見つめると、スッとその場を立ち、台所から料理の入ったお皿を持って来た。


「これ…直哉の分。お口に合うか分からないけど…。」

ソヨは恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。直哉はそれを見て顔がパーっと明るくなった。


「お口に合うも何も絶対旨いに決まってる!」

直哉は嬉しそうにソヨの作った料理を完食した。


「うまっ! 今まで食べたどの料理より上手いよ!」

直哉は満面の笑みで言った。


「…人に…喜んでもらうって…こんなに嬉しいんだね…。」

ソヨの目には涙が浮かんでいた。そしてその涙は止めどなく溢れていった。


「えっ、ちょっと待って…何で泣くの? ねぇ、お願いだから泣かないで。」

直哉はどうしたらいいのか分からず慌てた。


「ごめんなさい。私、人から親切にされたことがあまり無くて…。村の人達は私に寄りつこうともしないから…その…気にしないで下さい。」

ソヨは涙を拭いながら言った。


―きっと今まで辛い目に遭って来たんだな…こんないい子が…


「美味い飯も食わせてもらったし、ソヨの為に俺、頑張んなきゃな!」

直哉は気合を込めて行った。


「その打掛うちかけ、俺に貸してもらえる?」

直哉はソヨがここに来るときに着ていた美しい打掛を指さした。


「これですか? いいですけど、どうするのですか?」

ソヨは聞いた。


「俺がこれを羽織はおってソヨのフリをして、あいつに酒を思いっきり飲ませる。あいつが酔っぱらった隙にやつを縛り上げて二人でやつの乗って来た小舟で逃げるんだ。ソヨは俺がいいって言うまで外の物置に隠れてて!」


「そんな危ない事! もしバレでもしたら直哉の身が危ない!」

ソヨは言った。


「大丈夫。部屋の灯りを入口一つだけ残して全部消したら、暗くて俺の顔なんて見えないさ。」


「…そんなに上手くいくでしょうか…。」

ソヨは不安をあらわにした。


「やってみないとわかんないさ。もしバレた時は俺が全力で戦う!」



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