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8話

「ミコト様、お手紙が届いております。」

私が流行病をコレラだと言い、対策案を出したため会議に呼ばれなくなってから4日後。

朝、私の身支度をするために入って来たアリスは水色の封筒を持っていた。アリスに“聖女様って呼ぶのやめてほしいな〜”って言ったら、アリスは私を“ミコト様”と呼ぶようになった。

受け取ると、どうやら北部の人からの手紙らしい。

アリスが髪をとかしてくれている間に読むことにした。


手紙の内容は、私の言うとおりに川から水を引くのをやめたら新規患者数が激減したとのことだった。

手紙を読んでてわかったんだけど、今回私が言ったことは“貴族院会議の決定”ではなくて“聖女の進言”として伝わっているらしい。

「アリスー、北部の流行病が収まってきているらしいよ。」

「さすがミコト様ですよ!この“コレラ”という病はミコト様のいた国で起こった病なのですか?」

「うん、私の故郷でも流行したけど、200年くらい前に西洋でパンデミックを起こした病気なんだよ。症状が似てて、採られた対応も似てたから多分これかなって思って。」

アリスは、今日は編み込みハーフアップにしてくれた。私の髪色はこの世界では唯一である黒髪らしくて、真っ直ぐにして下すスタイルの髪型が似合うらしい。

「ありがとう、アリス。ここに来てからさ、いろんな髪型が試せて楽しいんだよね。いつもポニテだったからさ、ハーフアップとかピアノの発表会以来だよ。」

「ミコト様はピアノ弾かれるのですか?」

「2年くらいやってないから練習しなきゃ無理だけどね。」


とにかくすることがなくて暇なので、ディートリッヒに相談したら「じゃあ街に行って見たらどうだろうか?」と言われ、お小遣いをもらいました!

午後から私の増える侍女さんたちに会わないといけないからそれまでに帰ってくれば良いんだって。

ディートリッヒが選んだ護衛の人を連れて街に出ることにした。聖女だから、万が一のために護衛の人は付けないといけないらしい。この護衛の人、近衛騎士なんだって!近衛騎士はこの国の超エリート!私攻撃手段も自己防衛手段も持ってないから安心だね。

「騎士さん、あなたの名前は?」

「…グライドと申します。」

「よろしくね。」

グライドさんは基本私の行動には口を出さないらしい。すぐ近くにいるけど、私は1人ショッピングを堪能した。ディートリッヒの助言でツバ広帽子に髪を入れて街を歩く。


「わぁ、このピアス可愛い!でも私ピアス空けてないから無理だな。」

「よろしければ、イヤリングに変えることもできますよ。…って、聖女様ですか!?」

なんでバレたし。あ、目の色か。流石に髪みたいにチラッと見ただけじゃ気づかないけど向かい合うと気づかれるな。

「聖女様!?どこにいらっしゃるんだ!?」

アクセサリー店の人が声を上げたことで、周りにいる人たちが私を取り囲んだ。

「北部を救った聖女様だ!」

ちょうど商店街にいたからか、商店の人たちがお土産をたくさん持たせてくれたよ。

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