2話
にしても、西洋ファンタジーの世界ってお洋服がすっごい豪華。
今私が着ているのはこんな感じのグリーンのワンピースなんだけど、クラロリみたいで可愛い。って言うかクラロリかな?これは。
アリスとかメイドさんが着てるお仕着せ・メイド服もゲームで見るような感じなの。
鏡の前で何回かくるくるっと回ってふわっと広がるスカートを満喫していると、ドアがノックされ男の人の声が聞こえてきた。
「聖女様、お夕食のお時間でございます。」
部屋を出ると、カチッとした服を着た初老の男性が立っていた。その人についてご飯を食べる食堂まで行くんだけど、私の部屋からは遠いらしく、その人が諸々の説明をしてくれた。
「私は執事のデイルと申します。では、食堂に向かう間に聖女様の侍女についてご説明させていただきます。現在、適任を選出している最中でして、明日もしくは明後日からアリスの他に3、4人ほど聖女様にお仕えする侍女が増える予定でございます。」
え、増えるの!?3、4人も?え、こう言う世界のお偉いさんって侍女が複数人付いてるのが普通なのかな?
「こちらが食堂でございます。中には国王陛下、王妃殿下、王太子殿下、王女殿下がいらっしゃいます。」
食堂の中にはすでに王族の人たちがいて、端の席だけ空いている状態だった。空いていたディートリッヒの隣に座ると早速料理が運ばれてくると同時に国王様が話しかけてきた。
「あなたが召喚された聖女か。突然召喚されて戸惑いもあるだろうが、どうかその力で我が国を救ってくれ。」
「はい…。あ、ミコトです。よろしくお願いします。」
私が多分伝わってはいると思うけど自己紹介をすると、さっきから喋りたそうにしていた王女様が喋りかけてきた。
「私は王女のアイシャですわ!気になっていたのですけれど、あなたは何歳ですの?私は17歳ですわ。」
「アイシャさんですね。私は14歳です。後ひと月で15歳ですけど…。」
「まあ、なら私の2つ下かしら?」
じゃあ現代で換算したら私が高1でアイシャさんが高3かな。
「あ、そうだミコト。俺ら王子王女は身分的には聖女と同じなんだ。あまり畏まらなくて大丈夫だぞ。」
「ええ、私あなたと仲良くなりたいの!私はあなたをミコトと呼ぶわ。あなたは私をアイシャと呼んでくださらない?」
聖女ってそんなに偉い人だったの!?
でもまあ読む小説によるけど聖女が出てくる物語って大抵は自分よりも身分が高い人が国王と王妃だけだったり王族と同じ扱いされてたりするのが多かったからあながち不思議なことではないのか。
そのあとは国王様と王妃様に見守られながらディートリッヒ、アイシャと談笑しながらご飯を食べた。
苦手なフルーツが使われてたって勘違いされたみたいだけど、ペース配分間違えてデザートが食べられなかったのは内緒ね!