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18話

村に戻ると、村の人たちが集会所の前にずらっとならんでいた。

「本当にありがとうございました!」

集会所の前に着くと、一斉に頭を下げられる。

「ああ、これでもうモンスターの心配は無いだろう。村の皆もご苦労だった。」

リヒがそう言ったのをきっかけに村の人たちが頭を上げ始めた。

でもね、心配がないとは言い切れないんだよね…。

「リヒ、ちょっと私から言うことがあるんだけど…。」

「言ってくれ、ミコト。」

「うん。…えっとね、モンスタースポットが無くなったからと言ってこの村にモンスターの心配がなくなるわけじゃないの。…リヒ、言っちゃっていいかな?会議でもまだ言ってない事なんだけど…。」

私がそういうと、村の人たちがざわつき始めた。リヒは難しい顔をしながら頷く。

「最近、いろんなところにモンスタースポットが発生してる。居住地に近いのは今の所ここだけだったんだけどね。モンスタースポットの異常発生は、モンスターの大量襲撃の前兆なの。だから、この国では近いうちにモンスターの襲撃が起こる。」

そう言うと、村の人たちだけでなく騎士さん達もざわめき始めた。

「1ヶ月もしないうちに起こるはずよ。備えは絶対しておいて。」

「とのことだ。村の皆、彼女は聖女なんだ。これは、予言だ。今日明日中にも国から非常事態宣言が出るだろう。」

リヒが言って、その場は一旦解散になった。


今から帰ってもいいんだけど、すぐに暗くなっちゃうと言うことで私たちは村に泊まることになった。

「にしても、聖女様だったのですね。」

「うん、私は召喚されたの。」

「そうなのですか…。ご家族が恋しいとは思ったことはないのですか?」

「ん〜、はっきり言って無いかな。友達と会えなくなったのは寂しいけど、あの環境よりもよっぽどこっちの方が良い。家庭環境最悪だったからさ。」

「そうだったのか…。」

リヒが険しい顔をしたのに気づかなかった私は、そのまま話を進めた。

「聖女様的には、こちらの世界の方が良いと言うことですか?」

「うん。プレッシャーは半端なく大きいけど、みんな慕ってくれるもん。」


その日は村で宴会が開かれた。

ご馳走が並んだ机を囲んでみんなで談笑しながらご飯を食べた。この村は伝統音楽があるらしくって、わがまま言って聞かせてもらった。

「本当に、ありがとうございました、騎士様、聖女様、殿下。」

「お役に立てて良かったです。聖女様がいらっしゃったので被害も最小限に済みましたしね。」

近くにいた騎士さんがそう言った。

そうなんだよね。怪我人は全員治しちゃったから、この村の人的被害は最終的に0、あったのは建物の被害が少しだけ。

ちなみに、さっきこっそりステータスを確認したら、MPがあとちょっとで黄色バー…気絶ラインって状態で、すっごくハラハラしました…。

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