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どうもみなさんこんにちは!この春からJK、のはずが転生しました美琴です。
ところでここはどこなんでしょうか!気づいたらやたらと豪華な部屋で寝てたんだけど。天蓋付きのベットだよ?周囲を見て察したよね。『あ、これは異世界転移か?』って。
「聖女様が目を覚ましました!」
「本当か!?」
扉の外から大きな声が聞こえたと思うと、扉が勢いよく開いて金髪碧眼のイケメンが出てきた!
服装は西洋系?かな。顔立ちからしてヨーロッパの人みたい。
「やっと目を覚ましたか、聖女よ!俺はディートリッヒ、リスター王国の王太子だ。聖女、あなたの名前を教えてもらえないだろうか。」
「…、ミコト。海堂美琴よ。」
若干テンションについていけなくなってそっけない返事をしちゃった。いや、弁解させて?すっごく見た目通りな話し方するじゃん。the・イケメン☆みたいな。だからだよ。
「ミコトか、不思議な響きだが素敵な名前だと思う。今日はこの部屋で休んでくれ。侍女を呼ぼう。」
そう言ってディートリッヒはさっきみたいな大きな声で「アリス、入ってきてくれー。」と言った。すると、私と同じくらいの年齢の女の子が入ってきてぺこってお辞儀をした。
「本日より聖女様にお仕えさせていただきます、侍女のアリスと申します。」
「あ、はい。ミコトって言います、よろしくね!」
とりあえず第一印象は良くしとかなきゃ!ってことで、思いっきり笑ってよろしく!と言うと、アリスも笑ってくれた。とりあえず悪い印象ではないはず!
「では、何かあればアリスを呼んでくれ。」
そう言ってディートリッヒは部屋を出て行った。アリスも、支度があるからと部屋を一旦出て行った。
にしても異世界転生か…。ほんとにあるんだ。
「でも、聖女って言われても何もできないと思うんだけど?」
そう呟くと、私が座ってるベットの上にいきなりネコみたいな動物がポンっと現れた。
「君が聖女“ミコト”だね!はい、これ。」
そう言って、私にどこからともなく現れた1冊の本を渡してきた。
「こ、これは何?」
「これはね、この国の過去と未来が書かれた本だよ!こっちは、聖女の術を身につけるための教則本?みたいなもの。」
歴史書みたいなものかな?にしては薄いような気がする…。
「あ、これはね、魔法の本なんだよ。普通の本に見えるけど、無限にページが現れるの。」
確かに、最初に目次があって、試しに500ページとか見てみるか…と思うと、目次の次のページが500ページからになっていた。ペラペラとめくってみると、詳細に書かれている部分とそうでない部分があった。
「詳細じゃないところは、ミコトの知識で導き出せることだよ。いくら無尽蔵にページがあるとはいえ本を書くのは大変だから。暇だったらこれ見てて!じゃあね〜。」
そう言って変な動物はまたポンっと消えた。
まあ暇だし読んでみるかな。日本語で書かれてるし。