撃墜通勤戦線(中編)
レースと言うテーマで表と裏との闘いを描写した本作品は、少し諄くもあるが一貫性を持たせるための説明だと考えて頂きたい。戦闘描写が最初と最後に留まるもその理由のひとつである。一人のドライバーとそれに関わる一人の女性で話は進められるので読み易く、主だった登場人物も少な目の設定となっている。最後まで辛抱強く読んでいただければ、謎が解ける事による清涼感を味わう事が出きるはず。
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「あいつだ。あいつなんだ」
他社の新人記者が執筆した『経済危機繁殖四面楚歌』と言う聞き慣れないロゴ・タイトルに何かの意味を掴もうとしていたセンタル・クルーズ社の唐沢は(何事だ?)と言う表情のまま二十階のオフィス・レンジ・エントランス廊下に身体ごと顔を傾けた。比較的エントランスから近場にある唐沢のオフィス・ボックスはエントランス
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マトリックス的に、私達の今の世界が果たして正しい世界なのか?を問う作品である。ハッピーエンドではあるが、その後がどうなったのか?についての描写は途切れていて、読む者達の想像と創造に委ねている。主人公がもう一人の主人公である女性に淡い思いを抱く事が切なく感じられるが、普通意図されそうな設定で終わらせていないところに清らかな印象が残る