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『みぃつけた!』って言って。

作者: さち



「もういいかい?」

「まぁだだよ!」



…私はかくれんぼが大好き。

学校から帰ってきて仲良しのお友達と今日も公園でかくれんぼをしてる。


ガサガサッ


『あ、誰か来た!』

自分の口に人差し指を当ててシーッて言う。


「あれ〜?なんか声がしたのになぁ…。」

鬼になった男の子が私の目の前で言う。



『…見つかっちゃった。』



「え?誰もいないじゃん!変なの。」

男の子は別の子を探しに向こうへと駆けていく。


『…今度は私が鬼ね。』




キーンコーンカーンコーン…


5時の鐘が鳴る。

「帰ろ〜!」

「また明日ねーっ!」

「またなぁ!」

「バイバーイ!」


みんなが口々に言って、手を振りながら帰っていく。





一人ぼっちで公園に残される私。

『今日も誰にも見つけてもらえなかったな…。』



この時間、ブランコには乗り放題だ。

ユラユラとブランコに揺られながら、赤く染まる空を見上げる。



…トントン。

急に肩を誰かに叩かれた。


『えっ?』

ブランコを足で止めて後ろを振り返った。



『みぃつけた。』



『あ、見つかっちゃった…。』




公園にはユラユラ揺れるブランコだけが残された。



一体、彼女が誰で何処に行ったのか?

肩を叩いたのが誰だったのか?

…それは誰にも分かりません。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 私たちには見えないかくれんぼという感じで日常のなかにこういうことがあるのかなと思うと怖かったです。 ブランコがユラユラしている描写が不思議さと曖昧さを引き立たせていて好きです。 ありがとう…
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