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消える流れるすり替わる  作者: 羊毛
3.辿れない糸口
29/81

 あいつ家出したんだって。妹と二人で。

 家出したんだって。でも、失敗したんだって。バッカじゃない。行く当ても無いのに、よく考えもしないで、妹まで連れてって。しかも、


 一人で帰ってきた。


 二人で行ったのに、一人で帰ってきた。


 どこで何してたんだか知らないけど。

 川に落ちたんだろう? 川にねえ。

 あいつ見てたんだってよう、妹死ぬところ。

 黙って見てたんだってよう、おい。

 立ち入り禁止の場所だったって。

 チェーンまたいで入ったんだって。

 そしたら妹死んじゃったんだってさ。


 その、危険な場所で、何をしていたのか、あいつは答えられなかったって。今でもきっと答えられない。忘れたんだってさ、きれいさっぱりと。何聞かれても、答えられやしない。覚えてたとしても、あいつはもちろん答えられないのさ。


 そして答えないという事は、答えたという事と同じじゃないか。そうだろう?


 聞いたかい、聞いたかい。

 五雁いつかりただしは、「妹殺し」だってよう。


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