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えぴそど89 Endless Night

胸糞要素を含みます

お読み頂く場合はご注意ください

それぞれの亜人種がそれぞれ身を寄せ合い、それぞれの集落を築くと、どうしてもその特徴から優劣が生まれてきてしまった。


全てを失い何も無い状況下では、力が強く、狩りが得意な種族の生活が瞬く間に潤っていったが、人の生活に馴染みすぎた種族は、魔物に殺されるか、餓死するか、どこか力のある部族の傘下に降るだけの状態になっていた。


しかし、それは奴隷となんら変わりのない、搾取されるだけの日々の始まりである。容姿が整った女は身体を売らされ、男は倒れるまでの過酷な労働を強いられる。


人が亜人にしようとした事を、亜人同士自らの選択により実現した世界だった。


私の先祖、立耳白兎族もその愚かな判断を下した部族の一つだ。


私達の祖先は寄りにも寄って、人虎種の傘下となった。亜人の中で人狼種に匹敵する程の凶暴性を兼ね備えた戦闘民族だ。


その名称からも分かる様に、見た目は人というよりも獣である。


もちろん傘下になっているのは兎人だけはない、ここでは、数多くの獣人亜人が人虎を頂点としたヒエラルキーに属していた。



その階級の中での最下層

それが立耳白兎────



その日、私はいつもの様に家族と共に短い団らんの時間を過ごしていた。


家族と言っても、血は繋がっていない。


ジャンパーとホクリはの親は、過酷な労働に耐えられず既に亡くなっており、私が面倒を見ているだけだ。


かと言って全く関係無いかと言えば、そう言う訳では無い。


私の両親も過酷な労働を強いられ、身体を壊し若くに亡くなってしまったが、ジャンパーとホクリの両親が私を引き取り、育ててくれたのだ。


可愛く大切な弟と妹には変わらない。

この子達が一人立ちできるまで、私が必ず立派に育ててみせると決意した。


「じゃぁそろそろお姉ちゃんは仕事に行ってくるね。」


「……うん。」


「……いってらっしゃい。」


「ほら、二人ともそんなに暗い顔しないで。ホクリ、ジャンパーをしっかり寝かしつけてあげてね。ジャンパーはホクリの事をしっかり守ってあげてね。明日はお休みだから一緒に遊べるからね。」


「…うん!」


「…わかった!」


私は後ろ髪を引かれる思いで家を出ると、街に向かい日が沈みかけた街道を歩き始める。


私の仕事は売春宿で男達の相手をする事。


街から距離はあるが、ボロボロながらも3人で住める小屋を借り、老人達を含め面倒を見る為には稼ぎのいい仕事に就くしかなかった。


今更どうこう思う事は無い。

私にとっての日常であり、こうする以外に選択肢も無かった。受け入れる受け入れないの話ではなく、それが当たり前の事だった。


だからといって、いつまでもこの仕事できるとは思っていない、年を重ねれば途端に仕事は減ってしまう。病気になり働けなくなった者も多い。


だから私は足掻く。

得られる知識はなんだって吸収し、貪欲に好機を伺いながら爪を研ぐ。


全ては家族を守る為に…


────



────



────


日が明ける頃、私は街を離れ帰路に着く。


家までは歩いて1時間ほどの距離。


客に強く掴まれた耳が痛い。


一歩進む度に股間がヒリヒリする。


身体に染み付いた香水の匂いが鼻をさす。


だけど足取りは軽い。


今日は猫人族である女将さんの機嫌が良かったのか、ジャンパーとホクリの為に飴をくれた。


小さな、とても小さな飴だが、二人はきっと喜ぶに違いない。私は女将さんに何度も何度も頭を下げお礼を言った。


二人が寝ている間に二人の口に入れてしまおうか。

いやいや、間違って飲んでしまってはもったいない。やっぱり明日朝食の後に渡してあげよう。


二人の喜ぶ顔が目に浮かぶ。


二人共ただい…


!!?


家に着いた私が扉を開けると、目の前に見知らぬ男達が5人小屋の中に居た。


「だ、だれっ…むぐっ!!?」


いや、背後から私を羽交い締めにした男も居たので全部で6人。


私は口を手で抑えられたまま拘束され、小屋の中に無理やり押し込められた。



私はつくづく自分の血を呪う。

立耳白兎族の危機察知能力の低さを。


私は心の底から自分の血を憎む。

立耳白兎族の戦闘能力の低さを。



男達は亜人では無く人だった。

身なりからおそらくは冒険者。


私は奥に連れて行かれながらも、必死にジャンパーとホクリの姿を目で探した。


居ない、どこにも居ない。


「やっと帰ってきたな。ほれ見ろよ、言った通り良い顔してるだろ。」


「あぁ~兎は初めてだが毛深いのかなぁ~」


「ばーか、兎人は耳と尻尾以外はほとんど人と変わりゃしねぇよ!」


「乳もいいっしょ!これ!ほれ見てみなさいよ!…おい暴れるなって。」


男達は私の事を最初から狙っていた様な口ぶりで話す。


「むーーー!!!むー!!」


「暴れるなっていってんでしょうが!」


「むふっ!!!」


格闘家の様な服装の男が私の腹部を強く殴り、強烈な痛みに私の視界は涙で霞んでしまった。


「大人しくしてりゃぁすぐ終るから我慢しろっつの。」


「なんだ?なんか言ってるな、おい、手を離してやれよ。」


「あ?……そうか、叫ばれても誰も居ねぇもんなこの辺(笑)」


「そういうこと(笑)」


口に当てられた手を離すと、背中を押された私は床に倒れ込んだ。


「ぐぅ……お、弟と…妹は……!?」


「は?はーっはっはっはっ!なんだよ、第一声がそれかよ!やっぱり売女は肝が座ってやがるな!はははっ!」


「はははっ!!おい、二人を連れて来てやれよ!優しくな!」


「え!?俺が!?……は~~仕方ねぇなぁ。」


生きてる!!?

私はその言葉に安堵した。


大丈夫、この男達の目当ては明らかに私の身体だ。私が耐えさえすれば、またいつもの…日…常…に…



男が外から連れて来たのは二人の生首だった。



「ジャ…ンパー……ホク…リ…。」


「「「ぎゃーはっはっはっはー!!!」」」


「ひーひー!はーっはっはー!おい!兄弟のご対面だぞ!?優しく抱きしめてあげないとだめでしょうが!いーっひっひー!」


「お?なんだこれ?なんかの飴だ!どれどれ………うべっ!まっぢぃ!」


「ははっ!!…さぁもぅいいだろ?俺我慢できねぇよ。」


「そうだな、ヤっちまおうぜ。」



その時の私の記憶は曖昧だ。


放心状態で何も考えられなくなっていた私は、男達に好きな様に犯され続けた。そんな私の目には、無造作に床に転がった二人の首が映っていた。


その後、散々弄ばれた後、男達が帰り支度を始める。


「なあ、こいつ本当に殺さなくていいのか?」


「あ?見ろよ、完全に壊れちまってる。それにまともに戻ってたらもう一回ヤってやるってのも乙じゃねぇか。」


「ひひっ!それもそうだな!」


「あーでも俺達の事をベラベラ喋れても困るっしょ。よっと!」


「なにするんだ?」


「舌を切って喋れなくしてやるんでしょうが。」


「お前あったまいいな!」


「おー!もっと褒めろって!だはははっ!」


────



────



────


どれくらいの時間が過ぎたのだろうか。


男達が去った後、私は二人の頭を抱き呆けていた。


「ひゃんはー…ほぉり…ほめんね…ほへぇひゃん…ひゃひもできひゃひゃった…………うっ………うぐぅ…うぅぅうぅぅぅぅぅ……」



私は生きる意味を失った

アルネロ話つづきます

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