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えぴそど85 ダン学-習

ジャックマルモッテ。

元の世界で普通に見かけるリスの大きい版。


俺は短槍に魔力を込めると、穂先をリスに向けそのまま溜まった魔力を解き放った。


「プラズマショットぉぉ!!」


短槍の先からただの魔力の玉が放たれる。


プラズマとか言ってるが、勝手に言っているだけでまだ属性を付与できるところまでは出来ていない。


リスはサッと横に跳び、魔力玉を避けた。

魔力玉は目標を失うも地面に当たり、軽いクレーターを作る。


「くっ!!素早いっ!」


「……けいかいしてるあいてに、みえみえのシュートわざがきくわけないだろ。」


後ろからアルネロの冷めた言葉が俺の後頭部に突き刺さった。


それでも敵対の意思を示せたのか、リスは少し走っては立ち止まり、また少し走っては立ち止まるという様に、落ち着きを無くした。


せっかく覚えた魔力操作のスキルを使ってみたかった俺だが、時間も惜しいのでリスに向けやや小走りで距離を詰める。


リスはせわしなく動きつつ、たまに立ち止まると、こちらに向けかじっていたどんぐりを投げつけてきた。


『カキィ』

【経験値50を獲得しました】


強肉弱食で攻撃を防ぎながら更に距離を詰め、リスの動きを良く見てから短槍を横薙ぎにし、刃先でリスを一刀両断にした。


【経験値10を獲得しました】


「ふぅ…。」


魔物の討伐を終えた俺は神妙な面持ちで振り返り、ジャクシンさんの元へと戻った。


「なんでドヤかおなんだよおまえ。それにそっちにいくんだったらこっちにもどってくるな。」


「う…す、すみません。」


「しっかり槍が使えているじゃないか。魔力の練り方も悪くない。」


「ほ、本当ですか!?いやぁ、なんか嬉しいですね!」


ジャクシンさんに普通に褒められ普通に嬉しい。

何故か後ろに居るトモも嬉しそうに尻尾を大きく振っていた。


「ああ、もちろん伸びしろはまだまだあるが、もう少し強い魔物との戦闘も見てみたい。時間の制約もある、先へ進むぞ。」


「うぃっす!」


俺は気を取り直して先へと進むと、また分かれ道だ。

ゲームと同じでここは方角的に同じ方向から攻めた方がいい。


俺は再び右に舵取りし進むと、すぐ降りる階段を見つけてしまった。


「あ……どうしましょう。」


「おりればいいだろうが。」


「え、でも、まだこのフロアの探索は全然出来てなくないですか?」


「コースケ、まだ二階層だ。これくらいの低階層ではあまり得られるものは無い。探索するにしても五階層辺りまでは階段優先でいいだろう。魔物の強さも徐々に上がっていく筈だ。」


「りょ、了解!」


「まて。」


「はぃ?」


「おりるまえにここのかいそうのマッピングはちゃんとできたのか?」


「マッピング?」


「……おまえはかえるときのみちじゅんをかんがえないのか?」


指摘されドキっとした。


最終階層のボスを倒せば魔法陣が現れるとジャクシンさんは言っていたが、今日はそこまで行く予定では無い。


明らかに自分より若いアルネロに指摘されると、罪悪感が出てきてしまう。教えられていないからなどは子供の言い訳だ。もう少し真剣に考えるべきだった。


「す、すみません。今すぐメモします。」


「ふんっ。」


「ふふっ、コースケ。アルネロが居るといい勉強になるであろう?」


「ええ、全くですよ。本当にありがたい事です。」


「次の階層からは分路などで書いておくといい。ただ、それにばかり集中して魔物や罠への警戒を疎かにしない様にな。」


「はい!ありがとうございいます!」


俺はほんの少ししか歩いていない二階層をどの様に進んで階段に着いたのかをメモした。


今、自分はなんともありがたい状況に置かせて頂いている。これにおごる事無くしっかりと学べる所は学んでいかなければ。


「できました!」


「ならさっさといけ。」


「了解です!」


そうして三階層に降りる。

今度は道順を素早くメモしながら進んで行く。


「ぜんぽう80メートルさきにまもの、こうほうはなし。」


「了解!」


2階層で倒したジャックマルモッテが三匹ゴロゴロしていた。俺はそのまま走り込み、一番手前で背を向けていたリスに向け短槍を伸ばす。


「プギュュゥー!」


短槍はリスのお腹に刺さったものの、直前で気付かれ一撃で仕留め損ない声をあげた事により残りの二匹もこちらに気付いてしまった。


直ぐに短槍が刺さったリスに足を掛け、引き抜くとそのままリスの後頭部に向け短槍を再度突き立てた。


それなりにグロい事を平然としている自覚はあるが、この二週間程みんなと出ていた狩りで克服済みである。


「プーーーーギーーーー!!!」

「ヴーーーーギィーーー!!!」


残った2匹が金切り声を上げた。

俺は仲間を呼んだと判断しながらも、心の底で楽しく思いながら2匹に向かい短槍を薙ぎる。



通路の奥から

それはたくさんやって来た

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