表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/258

えぴそど45 魔力操作

ハ「あ!間違えた!そっちポーションじゃなくて精力増強剤だ!あはは(笑)。ごめーんね。」

コ「誰か!布をくれ!大至急だ!エマージェンシーだ!」

メ「………。」

早速トモにソリを引かせてみると、思いの外力強く引っ張ってくれた。見た感じは完全に犬ソリだ。後ろに乗って雪原を駆け抜けたい衝動を掻き立てられる。


元より俺を背に乗せたまま跳べる程の力を持っている。大きいとは言え、これくらいのソリなら余裕なのだろう。


もう少し慣れたら、馬の代わりにトモに乗って移動してみたい。それもファンタジーの醍醐味では無かろうか。


「でもテイマーでも無いコースケにこんなに懐くなんて凄いよね。」


メイエリオがトモの頭を撫でて見るが、嫌そうな素振りは無く尻尾がブンブンとなり、むしろ喜んでいる様に見える。


現在、自ら志願したヤッパスタが先頭を歩いている。肩に担がれた大きな金槌が頼もしい。


途中には猪の魔物が出たが、突進してくる猪に対しヤッパスタが金槌を振り下ろし一撃で倒した。


ユージリンがこの森の戦闘でレベルが上がって20とは言え、ヤッパスタはレベル23だ。ハピスさんとフルブライトさんを除けば一番戦闘力はあって然りなのだ。


正直、このまま死なせるには惜しい存在だった。


三度キャンプ場所に戻ると、先ほど狩った猪の肉をヤッパスタが調理してくれるらしい。


俺は気になる事があったので、スキルについて質問をする事にした。


「ユージリン、戦っている所を始めて見たんだけど、その、剣のスキルはどうやって使ってるんだ?」


俺以外にはステータスボードが無い、みんなはどうやっているのか気になった。


「どうやってとはどういう事だ?基本的にはやはり構えが違うんじゃないか?相手に悟られない為に同一の構えから発する別の技もあったりするが…すまん、質問の意図がよく分からない。」


「いや、例えばさ剣を振ったら衝撃波が相手に飛んで行くみたいのはさ、無いのかなーって。」


「ああ、あるぞ。魔力を飛ばす技だな、スラッシュなんかが有名だな。」


おお!聞いた事があるぞスラッシュ!

なるほど、魔力か…ん?それも構えで変わるのか?そもそも魔力量なんか見れないだろ。何回使えるかとかそういった管理はどうしてるんだ?


「なぁその魔力ってのはどうやって分かるんだ?」


「分かる?分かるとはどう言う事だコースケ。」


「例えば、そう、フルブライトさんは魔法をどれくらい使ったら打ち止めになるんですか?」


「使用限度についてと言うことでしたら、魔力の枯渇が近づけば倦怠感に襲われます。時間が経てば元に戻りますが、限界まで使うと気を失いますね。使用する魔法にもよりますが、私も訓練ではよく限界まで使わされたものです。」


フルブライトさんはハニカミながらそう言った。


なるほど、MPは自動回復なんだとして、気を失うって事はそのまま体力にも直結しているんじゃないのだろうか。俺の様にポイントや数値として分からないのは少し厄介だな。


「そうですか、じゃぁユージリンもその魔力を使うスキルを使い続ければ倦怠感が出るのか?」


「ああ、まさしくデリシャスマッシュの時なんかがそうだ。コースケが来る前には魔力を使う力は残っていなかったよ。」


「……魔法は詠唱する訳だろ?フルブライトさんのを見てたから分かるけど、その魔力を使うっていうのは何も言わないのか?例えば『スラーッシュ!』って叫ぶとか。」


「はははっ!そうだな!叫んでもいいが、相手にモロバレじゃないか(笑)、そんな奴は見た事が無いぞ。」


なるほど、確かに実践で技名を発しながらやるやつはいないか。『乱れ雪月花!!』とか言いながらやってみたかったが、叶わぬ夢になってしまった。


「魔力操作が重要になるんだよ。魔法やスキルに関わらず、魔力を使った攻撃では必ず操作が重要になるし、それで使えるスキルも増えていくよ。中級以上になるには魔力操作が出来ないと昇級できないんだよ。」


メイエリオの長文だ。

よく噛まずに言えました。


要するに、この世界では魔力をみんな持っていて、魔力操作をする事によりスキルを使う。呪文の詠唱をすれば魔法として使う事が出来る。そういう事なんだな。


「その魔力操作っていうのはどうやって習得するんだ?」


「コースケの鎌は魔法の一種だと思っていたが違うのか?」


「あ、ああ。あれはそういうんじゃ無いんだ。」


「じゃぁ、ブーメルムに戻ったら俺が教えてやるよ。自慢じゃないが魔力操作に関しては自信がある。そのおかげでソードスキルの上級を取得できたしな。」


そう言われてみればそうだ。

フルブライトさんの魔法が上級である事を考えたら、レベルの差があるユージリンが上級のスキルを持っているのはおかしいと思っていた。


スキルが増えれば短槍での戦い方も違って来るだろう。そうか、魔力操作で強くなっていけばいいんだな。


「ありがとうユージリン。もっと戦い方を知って強くなりたいんだ。」


ユージリンはにこやかに俺の肩をポンと叩いた。


「私も、いいかなユージリン。もっと強くならないと守られてばっかりは嫌なの。」


「も、もちろんだ!メイエリオ!魔力操作に関しては道場で嫌っていう程やってきた。まま、任せろ!」


おい。

すっかり忘れてたわその設定。


その後、昼食を取った俺達は再びブーメルムを目指し歩き出した。


先頭のユージリン、メイエリオ、ヤッパスタは楽しそうに談笑している。


フルブライトさんは辺りを警戒しながらも、最後尾から見守っていてくれていた。


ハピスさんはトモの身体を観察しているのか、時たま耳を掴んだり毛をかき分けたりしていた。


俺はブーメルムに帰ったら何をするか考えていた。

真っ先に風呂に入り、酒を呑みに行き、ベッドでぐっすり眠る。それからの事は、そこから考えて行けばいい。


今は一刻も早く休みたい



もちろん全部が全部

そう上手くいく筈が無かった

告知通り土日休載です

次回は10/5月になります

宜しくお願い致します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
良かったらポチって下さい!
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ