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えぴそど44 仲魔

メ「じゃぁ私が頭蓋骨を取り出すね。」

フ「ですが、そこだと顔の皮を剥がなければなりませんよ?」

メ「うんー大丈夫ー」 グサー ザクザクザク

フ「……。」


メイエリオの視線が痛い


俺は今、ハピスさんに真正面から抱きしめられている。


「あーごめんねー触診だよ。私は医者でもあるからねぇ。この状態でスキルを使えば傷口から菌が入って無いかすぐ分かるんだー。」


俺は、俺より背の髙いハピスさんの巨乳に顔を埋め、身体を硬直させながら終わるのを待っていた。


ハピスさんの身体は一瞬光りを放つが、それは徐々に薄くなっていった。今一番気を付けなければいけないのは、股間が反応しない様にする事!


だって素っ裸なんだもん!


皆があまりにも普通に接してくるから俺自身も忘れていたけど、鬼の攻撃で服は全壊だからね!?


「ま、まだですか!?」


「え?もうとっくに終わってるよー?一瞬で分かっちゃうんだー凄いでしょー。」


「うおぃ!!」


俺はいつまでも抱きしめてくるハピスさんを突き放した。


「とりあえずは大丈夫みたいだね。一応これあげるーポーション。」


「あ、ありがとう。え!?これが…ポーション!」


おい!何気に初めて飲むぞポーション!これがファンタジーの大定番!ポーションか!青い!青いぞ!!


無茶苦茶テンションの上がってしまった俺は、瓶の蓋を開けると一気に口に入れ、一気に吹き出した。


「ぶぅーーーーー!!!!!」


「うわおー。結構いいポーションなんだよそれー。」


「げほぉっ!げほっ!す、すびばぜん…これ…苦すぎませんか…!?」


「薬は苦いもんだよー(笑)。ほらーもう一本あげるから今度はちゃんと呑みきるんだよー。」


「わ、わかりました。」


一気に飲み干すと、身体がなんだかポカポカした様な感覚に包まれる。傷口が若干発光し新しい皮が出来たのが分かった。フルブライトさんが使う回復魔法と同じ現象だ。


即効性抜群。

さすがだぜファンタジ-!


幼少の頃よりゲームでお世話になったポーション。それを呑んだと言う感動のあまり涙が出そうだったが、8割方は苦さの所為だったので踏みとどまれた。


その後、解体も終盤に差し掛かると、ユージリンとヤッパスタは解体から離れ、木を斬り簡易的なソリを作っていた。


冒険者と言うのはつくづくアウトドア技術に長けている。ログハウスくらい簡単に作ってしまいそうで怖い。ハピスさんは、ビーカーに入れた鬼の目玉を嬉しそうに眺めていた。


「コースケ様。メイエリオさんの手際が良く、もうすぐ出られそうです。」


「分かりました。あの…狼なんですが、可愛そうなんで死体を埋めてあげようと思うんですけど、フルブライトさんの魔法で穴を空けたりできないですかね…」


「……かしこまりました。あの生きているハティが驚いてはいけませんので、よろしければハティの近くに居てあげて貰えますでしょうか。」


「ありがとうございます。フルブライトさん。」


俺はそのまま狼の近くまで来ると、狼はこちらをじっと見ていた。


「大丈夫、何もしないよ。今から大きな音が鳴るかもしれないけど驚かないで欲しいんだ。」


狼はこちらを見たまま、死体の間に伏せた。


「皆さん、メギドフレイムを使います。飛んでくる石に注意して下さい。」


フルブライトさんの杖の先に真っ赤な魔法陣が展開すると、大きな火球が地面に向かい放たれた。


轟音が鳴り砂煙が巻き起こる。

煙が薄れるとそこには2匹が入れそうな穴が空いていた。


「この子達を埋めてあげようと思うんだ。いいかい触っても?」


俺は穴が出来た事を確認すると、狼の目を見ながら話しかける。狼は言葉が分かっているのか、スクっと起き上がると死体から少し離れた所でおすわりをした。


俺とフルブライトさんで協力し、一匹づつ穴に丁寧に入れていき、木を板状に削った物で土を被せ埋葬した。


「さぁ、これでいいでしょう。もう10時ですね。キャンプ地に戻る頃にはお昼になりますので、食事休憩を取ります。その後ブーメルムに向け出発しましょう。日が暮れれば野営となりますが、明日には必ず帰還できるでしょう。」


「そうですね、いきましょう。」


皆が荷物をまとめ、生き残った狼を残しその場を離れた。しかし…


「えと、これどーするのコースケ。」


「完全に旦那に懐いてるなこりゃ。」


そう、ハティが俺達の後ろを付いて来ている。

無下に追い払うのも可哀想だが…


念の為、フルブライトさんに連れて行ってもいいものかと聞いてみると、テイムした魔物を使役している冒険者も多いので懐いており、従属の首輪をすれば街には入れるとの事。


従属の首輪なる物がいまいち分かっていなかったが、歩きながら狼の隣に行き、声を掛けてみた。


「お前、俺と…俺達とこのまま一緒に来るか?」


狼も歩きながら俺の目を見ると、尻尾を振り出した。


「しかし、ハティをテイムする事自体が異例です。先にも言いましたが初代拳王様以来となり、歴代の拳王様もそれに習いハティを探したと聞いています。」


「あぁ、俺もその話は聞いた事がある。ギルドの依頼張り出し台にもハティの捕獲案件が常にあるしな。コースケがやっかみなんかに巻き込まれなきゃいいが。」


「コースケがこのままブーメルムに連れて帰ったら間違いなく騒動になると思うけどね。」


みんなが不安になる様な事しか言って来ない。

だが、俺はこの狼、ハティを連れて帰る事にした。


「それでも、俺はこいつを連れて行くよ。」


「じゃぁ名前を付けてやらないとなコースケ。」


名前…無難にポチとかだろうか…

いやいや、鬼との戦いでも命を助けてくれたんだから、ペットと言うより相棒だろ。


「よし!お前は今から『トモ』だ!これからは俺の供であり友達だ!いいか!?トモ!」


「わふっ!!!!」



気に入ってくれた様だ

俺は黄金色の毛並が美しいハティを仲魔にした

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