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えぴそど41 豚と鬼と狐か犬か狼か

「血生臭い匂いがしやがるな、旦那、そろそろ近ぇぜ。」


俺達は早朝より再びブロスの森に入り、ワイルドオークの縄張りに向かっていた。俺はヤッパスタと先頭を進んでいる。


「ああ。いつでも大丈夫だ。ワイルドオークが出たらヤッパスタはメイエリオの元まで下がって見ていてくれ。」


「了解だ。また昨日のアレを使うのか?」


「アレ?ああ鎌の事か。できれば早く終わらせたいんだ。」


ベッドで早く寝たいからね!


後はやはりメイエリオだ。

気合は充分だが明らかに状態が良くない。最速で終わらせる必要がある。


「なら一瞬だろうな。本来、ワイルドオークは脂肪が分厚く倒すのが面倒な魔物なんだ。俺達は食いもんに困ったら奴をヤって食おうとしてたがな。」


「保存食みたいなもんか?」


「あ?はははっ!そうだな!そんなもんだ。」


ヤッパスタと雑談を交えながら道を進む。

途中魔物が出たが〈小かま〉で一掃して行った。


〈小かま 165/5〉

〈大かま 165/100〉



「これは?」


前方を見ると木々がなぎ倒されている。

行手を阻むかの様に残骸が散乱しており、血の匂いも強くなっていた。


「こりゃぁ…確かにこの先は奴のテリトリーだが、何かと戦ったのか?どうする旦那。」


「どの道行くしか無い。ヤッパスタは下がっていてくれ。」


「ああ、分かった。」


姿が見えるか見えない位に位置するユージリンに拳を上げ合図する。ユージリンもそれに応え、拳を上げると若干距離を詰めて来た。


道をさらに進むと唸り声と激しい衝突音が聞こえてくる。俺は様子を見ながら慎重に進むと、魔物が2頭戦っている所だった。


あれがワイルドオークか?豚かと思っていたが鬼の様な風貌なんだな。もう一匹は犬?狼?いや狐か?


犬にしては脚が長く、先の方は黒く靴下を履いているみたいに見える。狐の様に大きく立った耳があり、顔はスッと細い。身体はそこそこ大きく俺が背に乗っても走れそうだ。


鬼の風貌を持った方は、手に持った大きな金槌を振り回している。鉱物性の武器を使っている時点で知性が高そうだ。筋肉隆々でなんとかベアーと大きさで言えば大差無い。


まだ夜が明けて2~3時間といった所だろうか、いつから戦っているのかも分からないが、鬼も狐も身体中が傷だらけになっており、相当消耗している様だった。


周りを見ると狐の仲間らしき死体が2体と、大きな別の魔物の死体が転がっている。匂いの原因はこれだったのか。


ん!?


あそこにで死んでる大きな魔物って豚じゃない?あれ?もしかしてだけどあれがワイルドオークじゃない?


俺は後方に居るフルブライトさんに向け、予め決めていたブロックサインを送る。フルブライトさんはそれに応えこちらに来てくれた。


「フルブライトさん、あれを見てください。」


「あれは…あの黒い角はハイロックオーガ!?…つくづく貴方と居ると退屈しませんね。」


驚きつつも、呆れた表情と苦笑いを浮かべるフルブライトさん。


「あれは普通のハイオーガとは完全に別物で、ここから遠く、国境沿いにあるカジャ遺跡に居ると言われるネームドモンスターです。確かガムルシンと呼ばれています。」


「じゃぁやはりあそこに倒れているのが。」


「そうです討伐目標のワイルドオークです。あの狼は幻獣のハティですね。ハイロックオーガの討伐ランクはAAです。それこそ一個小隊規模で挑みたい魔物ですね。どちらもこの森に居るという報告は今までありません。」


熊の件と言い、俺がこの世界に来た瞬間から何かが変わりつつあるのだろう。


世界が収束に向け動き出しているのかもしれない


「それで、どう致しますか。我々の目的は達成されております。危険を侵さずこのまま帰還しても、一先ずは問題ありません。ですが…」


「ジャクシンさんなら討伐依頼を追加するでしょうね。」


「ははっ、仰る通りですコースケ様。ですがハティは生かしておいてください。」


「?…なにかあるんですか?」


「ハティは元々好戦的な魔物では無く、滅多に人を襲いません。今は数が少なく希少種になっていますが、一番の理由は、初代拳王様が付き従えられていた幻獣がハティと言う事でしょうか。それからアスタリアではハティの無許可での討伐は禁止されています。」


「…分かりました。やるだけやってみましょう。」


「お手伝いは必要でしょうか?」


「まさか。ですが何があるか分かりません。フルブライトさんは特等席で観戦するみんなを守ってあげていてください。」


「ふっ、かしこまりました。ご武運を。」


鬼だけを倒せと言うのなら鎌は危ういか。

二頭とも動きが早く、使うとしてもかなりタイミングがシビアだ。


俺は短槍を握り2頭の前に出た


先に気付いたのは狐…狼の方だ。

目が一瞬合うも、直様鬼に視線を戻して行った。


俺はそのまま鬼の背後に周り、駆け出すと真っ先にアキレス腱を狙い短槍を思い切り突き刺した。


足さえ止めてしまえば鎌を使い一気にカタをつけられる。だが槍は少し刺さったところでそれ以上先には行かなかった。硬すぎる。


その瞬間、こちらに気づいた鬼が金槌を思い切り振り降ろしてきた。


『カキィィィィィ』

【経験値50を獲得しました】


ああ、もちろん装備は一撃でおしゃかだ…

すっ裸さ…

そこはもうさ…いいんだ…


鬼は大きく仰け反るもすぐに体勢を戻し、今度は横から金槌を振り抜いてきた。


『カキィィィィィ』

【経験値50を獲得しました】


無駄無駄無駄ぁ!

鬼のレベルは48!効かぬに決まっておろう下郎が!頭がたかーーーーい!


鬼は、その間も爪や牙で攻撃していた狼の方に振り返ると、金槌で狼の腹に叩きつけた。


狼はすぐ後ろの木にぶつかりスタン状態になっている。なんとか起き上がろうとしている所へ、鬼の追撃が行われる。あれをくらうと狼は死んでしまうかもしれない。


『カキィィィィィ』

【経験値50を獲得しました】


「ぬははは!!!」


俺は狼と鬼の間に入り込み、狼への攻撃を弾いてやった。


「グガァァァガアアアアアアア!!!!」


鬼は怒りの咆哮を上げた


俺は短槍を再び握り直すと、足目掛けて今度は斬りつけてみた。手応えはある。刺すのは難しいが少しづつ切っていけば目的は達成できそうだ。



しかし

次に鬼が取った行動で

俺は命の危機を迎える事となる

神々の雑談2

**************

死神:什造 じゅうぞう

貧乏神:丞之座 すけのざ

疫病神:郭東 かくとう

**************

什「私は後発だし、まだ2人しかいないしこれくらい見逃してくれてもいいんじゃないかしら?」


丞「おい……おいおいおい!什造てめー!スキルだけじゃなくてステータスもいじってるじゃねーか!」


郭「いや、おまっ…これ…」


什「だーかーらー資料には書いて────」


丞郭「炙り出しとか分かる訳ねーだろ!!」


郭「なんでレベル2でレベル30と同等のステータスポイント持ってるんだよ!」


丞「おかしいと思ったんだ!レベル31の俺の駒が素手で殴られたんだからな!」


什「だってそこからレベル上がらないのよ?防御値は少し低くしたし…」


丞郭「そもそもそいつ防御値いらねーだろ!!」


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