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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
☆ I Can Fly ☆
4/258

えぴそど4 熊アゲイン

基本はiPhoneでポチポチしてます

PCの方が得意なんですけどねぇ

誤字脱字はご愛嬌です

まじごめんなさい

遠くの方をよく見ると、動物なのか魔物なのか何かが数頭走っている。空を見てみればありえない大きさの鳥が飛んでいる。


ここは日本でも地球でもない異世界だ


俺はキャラバン隊が向かった方向に歩いていた。


理由はもう日が暮れ始めているので、彼らはどこかで休む可能性がある事。もしくは目的地につける算段か、小さな集落でもあるのかもしれない。


なにせあの人数での移動だ。

無策でスケジューリングしているとは思えない。野営なら怪しいが、集落以上なら水場があるはずなのだ。


そう俺は今、猛烈に喉が乾いている。

目覚めてから数時間といったとこだろうか、いきなりの戦闘による緊張状態、不慣れな土地でのウォーキング、そしてなにより、まだ二日酔いのままだ!水が欲しい!


しかし、歩けど歩けど街や集落らしきものは無く、辺りはだんだんと暗くなってくる。強肉弱食があるとはいえ、闇夜での戦闘は避けたい。


それから間もなく、日が落ちきるのもあと僅かという時、遠くの方に木々が見えてきた。森か林か、焚き火の様な灯りが、いくつも激しく揺れているのが見える。馬車らしきものも4つあるのでさっきのキャラバン隊の様だ。

(くそ!野営かよ!)


街道ではなく、草の上を歩いていたのだが、足は傷だらけで血も滲んでいる。空腹と喉の乾きは限界。ほとほと満身創痍だ。


これは恥じている場合ではない、罵倒されようがなんだろうが何か恵んで貰えないかお願いするべきだ。


近づけば近づくほど様子がおかしい。

叫び声まで聞こえている。何かに襲われているのか?慎重に近づき様子を伺うと、悲惨な光景が広がっていた。その主役はあいつ…


真っ赤な巨大熊────


キャラバン隊は武器を持った傭兵の様な集団と、一般人らしき人達の混合だ。一番被害に遭っている辺りには、香辛料の様な茶色い粉と、弓や槍などの武器が散乱している。


この一団は商人とその護衛だなと推測しておいた。そんな考察は正直どうでもよかったが。


襲っているのは最初に闘った真紅の巨大熊が3頭。

人間側はだいたい殺されていたり食われていたり、なかなか直視できない状態になっている。生き残っているのは商人ぽいのが3人と、傭兵ぽいのが3人。


傭兵の一人は馬車に馬を繋ごうとしており、もう一人は商人が馬車に乗るのを手伝っている。


それにしても乗車口がやけに高いなあの馬車、もし周りがやられて、あのおデブな商人が独りになったら乗れないだろ。


最後の一人は盾を熊の方向に向け警戒中。


正直、商人は元より傭兵3人とも強そうに見えない。俺は鑑定眼を使いまずは安全を確保する。


巨大熊のレベルは38前後、思ったより高かくてびっくりした。対するあの盾持ちはレベル18で倍以上だ。ゲームだと、倍のレベル差は技術や気合でどうこうなるものでもない。


馬を繋いでいる傭兵が19、商人を手伝っている傭兵が15。商人に至ってはレベル7と8だった。


この情報は中々に有益だ。

成人男性であってもレベル一桁台が存在しているという事。あと、当面俺の敵は子供達になる可能性がかなり高いという事だ。


ただ、今の状況で俺に危害を加える事ができる役者はいない。それだけは確定事項。


距離が空いている為、熊達には気付かれていないはずだ。いや、匂いで気付いているのかもしれないが、奴等は死体を喰らうのに夢中になっている。そのまま鎌を発動し、一刀両断するのが一番安全な策ではある。


だがここで二つの問題が出てくる


一つは熊達の立ち位置である。

鎌スキルでは視界の方向から直線で攻撃位置を決めなければならない。奥行きに対する間隔がまだ掴めていないのだ。


一度に倒せず、仮に一頭に一撃づつ加えるとなると、15ポイントも消費してしまい、今後の事を考えても良策とは言えない。


次に遠距離で倒してしまうと、俺がやった事にならない可能性が高い。それは残った彼らを助ける事によって得られる恩恵を、みすみす手放す事になりかねないのだ。


「行くしかないか。」


思考を巡らせ決心し腰を上げると、3頭の内の1頭が急に走り出し、盾持ち傭兵を爪で引き裂いた。


この熊思いの外、脚が早い。これはうかうかしていると彼等が全滅してしまうかもしれない。俺は残りの体力を振り絞り走って向かった。


あと数百メートルという所で、商人を馬車に押し上げていた傭兵が、落ちていた盾を拾い、熊に向かって構えている。被っていたフードを取ると、闇夜でもよく分かる綺麗な金髪がなびいていた。


女の子じゃないか!

可哀想に身体は大きく震えている。


「早く出て!早く!」


振り絞る様に女傭兵は馬車に向かって叫んでいた。

その声で盾持ちを喰っていた熊が、馬車の方向を見る。ムチの音がすると、馬車はゆっくりと前進を開始した。


馬車と熊の間には、盾を構えた震える女傭兵。熊は距離を詰め立ち上がり、右腕を振り上げた。


くそっ!間に合うか!?



あと数メートル────

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