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えぴそど35 バーストスイッチ

一体何が起こった


世界が止まっているのか?

いや僅かに、ほんの僅かだが動いている。


周りだけじゃない、自分の腕も微妙に動き続けている。『b』ボタンを押し、手を引こうとしていた動きだ。


本来の時を刻んでいるのは眼球と思考のみ


まず目に入ってきたのは〈けってい♡〉が無くなり、〈はじまり〉と〈おわり〉が増え、縦に左右づつ3っつ並んでいるという事。


〈ふえる〉と〈へる〉ボタンも表示され、〈はじまり〉と〈おわり〉の増減ができる様だ。


周りの景色は白く霞みがかっており、眩しくもさえ感じる事。きっと目の採光時間の問題だ。


そして、一際目を惹くのは俺の周りを取り囲む様に出現した、ピンク色で禍々しい大きなリング状の魔法陣。


その中央には同じ文字が繰り返し表示され、俺の周りをゆっくりと廻っている。


【BURST MODE 00:02:38】


タイマーだ。デジタルタイムは本来の速さの時を刻み徐々に減っていく。


ビーストモ…いや、バーストモード?

なんちゃらコードを反転させた記憶は無いのできっと後者だ。リモコンに付いてそうなボタンで、いちいちTVが獣化されたらたまったもんじゃない。


で!!


これがなんなんだよ!!


わかるよ!?あのオカマの意図はなんとなくだが分かる!五次元を司る死神らしい発想だよ!あれでしょ?この間に攻撃したり守ったり考えたりしろって事でしょ!?


じゃぁせめて手も普通にしとけよぉぉぉ!

これじゃぁただ頭でツッコミ生み出す時間になるんですけどぉぉぉぉ!!!


【BURST MODE 00:01:49】


待て!!!待て待て待て!いや違う!

そうか……そう言う事か!なるほど気に入った!やるじゃねーか什……ジューちゃん!きっとアレだろ?これも二柱を騙す為の処置なんだろ!?


こいつは最高だ


タイマーが時を減らせば減らすほど、俺の身体だけが動きを加速させていく。まだまだ鈍いが、充分鎌をセット出来る速さになっている。


もちろん回避にだって使えるし、動けるようになるまでは目で見て考える時間も作れる。


これと遠近機能は最初の三日目までには無かったものだ。明らかにあの夜に増えたんだ。


そう、ジューちゃんと初めて出会った夜!

(正確には2回目だけど)


そういや、二柱が対抗手段を出してきているとか言ってからマイナーチェンジと言ったところか。問題はどうやって力を授かったのか。


きっとあのキスだ!最悪だ!

アレか!もしかして神から人に力を渡す時はキスしなきゃいけない決まりでもあるのか!?


それじゃぁ確実にキス2回目じゃねーかよぉぉぉ!


俺は叫びながら動き出した手を駆使し、始点終点を次々定めていく。こういう時は社畜時代と一緒だ!


無駄を省き効率よく!


【BURST MODE 00:00:27】


ホット&ジェントルメンに!


【BURST MODE 00:00:18】


過激に可憐でスマートに!


【BURST MODE 00:00:11】


ド派手にクールにぶちかませ!


【BURST MODE 00:00:06】

【BURST MODE 00:00:05】

【BURST MODE 00:00:04】

【BURST MODE 00:00:03】

【BURST MODE 00:00:02】

【BURST MODE 00:00:01】


【BURST MODE 00:00:00

────♡ B・U・R・S・T ♡ 】



魔法陣は音を立て派手に弾け飛び

目の前にはハートが付いたバーストの文字


一斉に現れた12本の鎌で描かれたのは

滅殺のサブグラウカ


キノコ達の足元より天に向け突き出し

一瞬で命と存在を奪っていく


それは

美しくも恐ろしい俺の必殺技になった



【経験値210を獲得しました】x12

〈小かま 190/5〉

〈大かま 190/100〉



「メイエリオは!?」


俺は敵を倒すと同時に後ろを振り返る。

全員がこちらを見て驚いている。俺の言葉に反応したユージリンが真っ先にメイエリオに駆け寄った。


「息はある!だがかなり苦しそうだ!メイエリオしっかり!」


「麻痺だけでは無く毒も受けているようです!それも…寄りにも寄ってかなりの猛毒です!……ちっ!コースケ様ピリオの実を!私は魔法で解毒を試みます!」


「ピリオの実はメイエリオに渡してる!ユージリン!腰のポーチに入っているはずだ!」


ユージリンがピリオの実を取り出すも、メイエリオの意識が無く飲ませることが出来ない。


「フルブライトさん!これどうしたら!」


「今は喋りかけるな!」


ユージリンもフルブライトさんもいっぱいいっぱいだ。つか、フルブライトさんの舌打ちとか初めて聞いたわ。


「にいちゃん!あんたが実を噛んで口移しだ!」


盗賊のリーダーがユージリンにとんでも無い事を口走った。よし殺そう。


「待った!まーった!その実をお貸しー。」


そう言いながらハピスが肩に担いでいた袋を開けると、中から大きな球体の鉄の塊が出てきた。窪みに手を当てると球体は白くなり半分に割れる。


中には注射器やメスの様な医療道具から、フラスコやビーカー等、まるで実験に使う様な道具がたくさん入っていた。


「50秒で解毒剤を生成する。君はその子に呼びかけ続けてー。」


ユージリンは言われた通りメイエリオの名を呼び続けた。盗賊のリーダーもなぜか必死に名を呼んでいる。


俺は近くまで来るが、何もする事が出来ない。正直ここまで深刻なものとは思っていなかった。


「2人とも少し離れてください!」


フルブライトさんが詠唱を終えると、魔法陣が輝き無数の光の球がメイエリオを包み込んだ。光の球はよく見ると妖精の様に見える。


「おー!バーフォラグラッチかー。最上級魔法とか久々に見たよー。どーかなー?いけたー?」


魔法陣の発光が終わると同時に膝を着き倒れ込むフルブライトさん。


「ダメです…元々上級までしか使えない私では全ての毒を取り除けません…」


「そかそかーおっけー。出来たよー。」


ハピスはそう言うとメイエリオの腕をメスで切りそこに注射器を差し込んだ。ユージリンは驚きすぎて固まっている。


「はいはい、睨まない睨まない。悠長にやってる暇が無いからごめんね。傷は魔法で治せるからいいでしょー。」


注射をして間も無く、メイエリオの呼吸が落ち着き始め、苦しそうな表情も無くなった。


安堵する一同。

フルブライトさんは辛そうだが回復魔法をメイエリオにかけ続けてくれている。



ユージリンと盗賊のリーダーは

何故か泣きながら抱き合って喜んでいた

逸道:郭東の思惑2

**************

死神:什造 じゅうぞう

貧乏神:丞之座 すけのざ

疫病神:郭東 かくとう

**************

その後も

領土分配や国の名前

言語や文字

通貨に至るまでほとんど丞之座が考えた


ゴリゴリの西洋文化ベースだが

俺は日本語しか分からない日本の神だ

もちろん言語は日本語を基本にしてもらう


後はスキルだ

これを適当に創ってしまうと

ゲームバランスが崩れてしまう


丞之座は

お互いに考えた

スキルの特徴を相手に説明し

双方が納得すれば

採用でどうかと言ってきた


大賛成だ

『おう!それでいこう!』

と叫んでおいた


丞之座は本当に便利だな

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