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えぴそど34 距離感

ハ「おりゃ!」

コ「っっっったっぁぁぁ!な、なにするんですか!」

ハ「乳首の毛が気になってさー採取してみた。」

「それは…俺は記憶が曖昧で、その…記憶喪失なんだ。」


とりあえずの言葉。

フルブライトさんは前を歩いているが、確実に会話は聞いている筈だ。下手な疑いは避けていきたい。


「ふーん。私ってね、昔から魔族の人を見ると胸がザワつくと言うか、ぶっちゃけ嫌いなの。でも康介にはそれが無いんだよねー。でも人族には見えなかったしなー。主に股間が。」


待って!?!?!?!?

胸がザワつくのは解るよ!?

ここまで読んでたらみんなそこは納得だけど、股間って何!?

何が違うの!?


「ちょ!それ!どういう意────」


「コースケ様!ユージリンさん達が!」


フルブライトさんの声に前を向くと、ユージリンがたくさんの魔物に囲まれ戦っている。しかもメイエリオは倒れているじゃないか!なんてこった!


「デリシャスマッシュとヌビアトレントです!コースケ様!メイエリオさんはおそらく麻痺にかかって動けない!急ぎましょう!」


「んーいちおー手伝おうかなー。」


美味しいキノコ!?


俺は走りながらレベルを確認する。

デリシャスマッシュx15 レベル15~18

ヌビアトレントx1 レベル23


ちょっと驚いたのは盗賊のリーダーも一緒に戦っていて、かなりダメージを受けていた。


「フルブライトさん!あの木の魔物に鎌を使います!反対側から対応していってください!」


「心得ました!」


さっきの盗賊戦で〈小かま〉を使った時、ある事に気付いていた。


左右の敵を瞬時に振り向き〈はじまり〉と〈おわり〉を決める際、〈おわり〉のボタンが敵の距離に合わせ大きくなったのだ。


また、そのまま〈はじまり〉を動かそうと手を伸ばすと指が引っかかり、掴む様な形になってしまったが、それにも反応し〈はじまり〉が若干小さくなっているのだ。


実際に最後の盗賊を倒す時には、鎌が普段よりやや『先の方』に出る形なった。


つまりこの鎌は遠近を始点終点の大きさで調整できたのだ。だが、まだどう出るのかわからない為加減が難しすぎる。


「試してやる!」


なんとかトレントまでの距離はあと100mくらいだろうか。ここから鎌を使ってやる。


思ったとおり、〈おわり〉はとても小さく表示されており、また木の魔物より若干左側にある。〈はじまり〉の位置は俺の右前方。


キノコに視点を合わせると〈おわり〉は大きくなった。やはり遠近の自動調整が、いつの間にか出来る様になっている。俺は再び木の魔物に視界を合わせた。


このまま〈けってい♡〉を押せば、100m程の距離を鎌が貫く事になる筈だ。俺はそのまま〈けってい♡〉を押す。


空間が若干揺らぎ、瞬きをしたその刹那、俺は鎌の横を走っていた。成功だ。伸びた鎌は木の魔物に突き刺さっている。


いつもより長く出した所為か、そのフォルムが良く分かった。とても滑らかで緩い曲線を描いた真っ黒の刃。始点の方は太くなっており、普通の木にも食い込んでいる。


【経験値280を獲得しました】


鎌は役目を果たすとヌルッと始点に吸い込まれ消えていった。実はこのスキルにはもう一つ気になる部分が増えている。二日前には明らかに無かったボタンだが、今はメイエリオを助けるのが優先だ。


フルブライトさんは魔法を詠唱すると、こちらから見て左側のキノコ達に氷の矢が刺さっていった。一撃で3匹が絶命したのが分かる。凄いなこの人。


透かさず次の詠唱を始めたフルブライトさんが走る速度を緩めたので、俺は横を抜き去ると短槍を握りキノコに刺した。


『ガキィッ!』


「かってぇなぁおい!」


パークコボルトとは違い、簡単に刺さらなかった。

鎌を出して一掃したい所だが、キノコ達とユージリンの距離が噛み合い過ぎている。


その上、双方とも頻りに動くので、下手に出してしまうとユージリンに鎌を刺してしまう。


その上で俺は、決定ボタンを押すかどうか悩んだ。


俺の中にドス黒い何かが湧き上がり、それは瞬く間に俺の心を飲み込んだ。このまま邪魔者を消して…いやいや!そんな事する訳ねーだろ!


まずはメイエリオをあの場から離さないと、囲っているのは残り12匹。鈍そうな見た目に反しよく動く。


「コースケ!先にメイエリオだ!ぐぅっ!この!!」


『わかってるっつの!』何だか解せぬ。ユージリンに言われる前に考えてたもんね!やろうとしたもんね!


俺はキノコ達の僅かな隙間をかいくぐり、囲いの中に入ると盗賊のリーダーが叫んできた。


「おいあんた!その槍を貸せ!援護しちゃる!」


躊躇なく短槍を盗賊のリーダーに渡すと、リーダーは手にした短槍を構えフルブライトさんの方向に居るキノコに突進してくれた。


「うぉらぁぁぁぁ!今だぁ!行けぇぇい!」


道が開けたこの好機を逃さない。

俺は盗賊のリーダーの背より、メイエリオを抱きかかえ走り抜けた。


だが、すぐ横に居たキノコがこちらに向かい黄色い胞子を吹いてきた。その時。


「おとなしくーしっなさいー!」


俺の目の前でたわわに実った2つの大きな乳が、大きく揺れた。彼女が、大きな袋でキノコを殴りつけ、胞子を防いでくれた。


「すまない!えっと…まぁ後で!」


俺は名前をど忘れしてしまったが、そのままフルブライトさんに駆け寄ると魔法陣が輝く。


「ユージリンさん!ハピスさん目を瞑って下さい!」


フルブライトさんが声を上げると、杖の先から真っ黒い蝶の様なものが無数に飛び出し物凄い勢いでユージリン達の方へ飛んで行った。


「コースケ様!ユージリンさんがあの場を離れたらカマをお願いします!」


「え?あ、はい!」


黒い蝶達はユージリンとキノコ達を通り過ぎて行く。するとキノコ達は急に挙動不審となり、お互いにぶつかったりしていた。


盗賊のリーダーも漏れなくかかっており、謎の動きを見せている。


「視界を奪う魔法です!長くは続きません!ユージリンさん今です!早くこちらへ!」


その声に反応したユージリンがキノコを踏み付け、囲いから抜け出すと、盗賊のリーダーの腕を引っ張り一直線にこちらに走ってきた。


顔は見ていないがおそらく巨乳美女もこちらに向かって来ている。なんで分かるかって?視界の端っこですんごい揺れてるからだ!


「コースケ様!今です!」


「かしこまりましたです!」


俺は蝶の後を追いかけ距離を詰めており、既にセッティング済みだ。


しかもただの鎌じゃない。

気になっていた〈小かま〉の画面にあったもう一つの存在。使うならこういう時だろ!薄っすらと画面端にある『b』ボタン!こいつをポチっとな!



ボタンを押すと世界が止まっていた

逸道:郭東の思惑1

**************

死神:什造 じゅうぞう

貧乏神:丞之座 すけのざ

疫病神:郭東 かくとう

**************

俺の名は郭東

俺は今悩んでいる


丞之座を誘い始めたこの遊戯だが

初期設定が非常に面倒臭かった


考えるのに飽きて漫画を読んでいたら

隣の部屋の丞之座が声をかけてきた


俺は設定を一緒に考えようと言う

丞之座の話にすぐに飛びついた


丞之座は自分では分かっていない

一緒に考えようと言いながら

丞之座がほとんど

考え決める事の方が多いのだ


俺は『おう!それでいこう!』

と言っていればいい


とても楽だ


案の定

勝利条件や思考性なんかをまとめて

ばっちり解決してくれた


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