えぴそど33 人族
康「くそっ!苦渋の決断だ!武器を捨てるしか無い!」
メ「…………。」
康「はっ!…今メイエリオが居たような…」
目の前には巨乳美女と盗賊
左右には残り2人の盗賊
裏手に居たもう一人はフルブライトさんが倒しているであろう。彼の事だ、きっとどこからか見ているに違い無い。彼はそういう人だ。
俺は右手で短槍を空に向け放り投げ、左手を前に突き出した。
その瞬間
【経験値480を獲得しました】
【男気80を獲得しました】
〈小かま 265/5〉
〈大かま 265/100〉
悪いな
なるべく使わない様にしていただけで、使わない訳では無いんだ。
俺は鎌を出し、人質を取っていた盗賊を縦に真っ二つにした。そのまま左右に居た盗賊に向け、それぞれ腕を振り鎌を出す。
それはまるでタクトを振るう指揮者の様だった…
自分で言ってるだけだけど…
【経験値480を獲得しました】
【経験値480を獲得しました】
「ねぇなんで下半身丸出しなの?」
うおい!第一声それ!?
ちょっと!?今見てた!?凄く格好良く敵を殲滅したよね!?ありがとうだよね?!普通はそこありがとうだよね!!!?
巨乳美女は、横で真っ二つになった盗賊をチラ見すると、表情一つ変えず真っ先に俺のアイデンティティにツッコんでいた。
「こ、こいつらにさっき襲われた時に破れたんだ。助けてやったんからこれくらい大目に見てくれ。」
「そか。オッケー。じゃ、私はちょっと小屋に戻ってくるからー。」
軽い。
これは間違いなく現代っ子だ。おっさんの俺とのジェネギャだ。メイエリオが尚一層かわいく見えてきた。
「コースケ様、流石でございます。」
「やっぱり見てたんですね、フルブライトさん。命を奪うつもりは無かったんですが…」
「いえ、どちらにしろ極刑になる悪人達です。致し方ありません。気にされると今後の戦いにも影響がありますよ。」
「そうですね…ただ、人を殺めるのが『普通』になるのが怖いというか、割りとあっけなくできてしまったんで…」
咄嗟に出たその言葉は本意では無いかも知れない
俺は昔からどこか薄情な所があった。ニュースで誰かが死んだり殺されても可哀想と思えた事は無い。
遠くの国で恵まれない子供が居ると教えられても、どこか自分とは関係無いと思っていた。正直なところ今もそうだ。
あの死神から『皆殺し』と聞いて、そんな事はしてはいけない!では無く、自分の手を汚すのが嫌だと思っただけかもしれない。
だけど、今はそれでいい。
自分の手を汚すのが嫌?結構じゃないか。他に方法があるのなら、それに向かい考えて行くだけだ。
抗いようの無いこの運命にそろそろ諦めを付け、立ち向かって行かなければならない。
「ところで先程のが『カマ』でしょうか。ジャクシン様から聞いていた通り、現れてから目標を仕留めるまでが異様に早いですね。あれでは防ぎようが無い。」
「え?ああ、そうです。出すのを決めるとそこからは一瞬です。」
「鎧まで見事に真っ二つですね。断面を見てもとても鋭利な事が伺えます。本当にスケアリーベアーを倒されたんだなと確信できました。」
「そ、それはどうも。それで、あの女の子はなんなんですかね?」
「そうですね、着ていた物を見る限りは帝国領の者に見えます。パスが無ければ捕らえるべきですが、今は先を急ぐのも懸命かと。時間を大分ロスしておりますし、日が暮れるまでにはこの森を出なければ、ここでの野営は危険です。」
そう話している所に巨乳が小屋から出てきた。
「あったよー。ほらー。」
俺に向かい何かを投げて来た。
掴むとズボンの様だ。
「こいつらのだけど、そのままでいるよりいいでしょ。」
「あ、ありがとう。履いておくよ。」
まさかこれだけを取りに小屋に戻ったのかと思ったが、背には大きな袋が担がれていた。
「…そちらの方。あなたは帝国領の方ですね。私はこのオライオス地方を授かる軍の者です。許可証はお持ちですか?」
「ないー。こいつらに捕まった時に無くしちゃって困ってるんだよねー。え?もしかして無いと私殺されちゃう?」
フルブライトさんを見ると、顎に手を当て何かを考えている。先を急ぐべきか、この巨乳を捕らえるべきか悩んでいるのか。
「いえ、ただこのまま見過ごす訳にはいきませんので、我々と共に来て頂けますか。これより魔物の討伐を控えております。その後ブーメルムに行きパスの発行記録があれば、再発行を致しましょう。」
「おーそれはいいね。」
こうして巨乳美女がパーティに加わった。
メイエリオ達の所に戻る道すがら、俺は彼女の事について質問してみる。
「冒険者なのか?」
「んー冒険者登録はしてないー。放浪人?(笑)あ、でも戦闘はできるよ。それより君名前何ていうの?」
それは分かっている。
レベルは32だった。冒険者ならAといったとこだ。
「俺は康介、こっちはフルブライトさん。君の名は?なんでこんな所に?」
「康介とフルブライトねー。私はハピス。私ってばアルケミストなのよ。魔族領にある薬草を調べたり採取したり、いろんな所を調べたかったのに奴等に捕まっちゃったんだよねー。」
アルケミスト…錬金術か。
ポーションとか調合できる人達だよな確か。でもそれでレベル32は高すぎる。何か隠しているのか。
「それより君だよ康介。君は魔族でも人族でも無いよね。何者ー?」
唐突に鋭いツッコミが入った
逸道:丞之座の挑戦2
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死神:什造 じゅうぞう
貧乏神:丞之座 すけのざ
疫病神:郭東 かくとう
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俺が相談すると
郭東も設定を考えるのに
うんざりしていた様で大賛成だった
まず決めたのは勝利方法
これはもう相手の殲滅だ
単純に相手陣営の国に所属する魂が
いなくなれば勝ちなのである
次に人々の思考性についてだが
一人一人に設定するのは疲れるので
それぞれの国に敵対心を抱く様にした
これで全員が勝手に戦ってくれるだろう
後は適当に
勇者だの魔王だの逸話を入れれば
出来上がりだ
スキルも七つの大罪とか
その辺を弄れば何とかなるだろう
郭東はスキルを適当にすると
なんでもありになり
バランスが崩れると言うので
いくつか制限を作ってみた
ああ…でもまだまだ設定が残っている
面倒臭いなぁ…




