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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
モナオ(仮)
257/258

えぴそど257 捲

私の思考は絶賛フリーズ中。


こんなイケメンから求愛されて、悪い気がしない筈が無い。


むしろ舞い上がって、今すぐ雄叫びをあげながらお酒を樽ごとかっこみたい。


私は照れ隠しからシュナの方を見て確認すると、トモと一緒に気持ちよさそうに寝ている。


そのままイノイチさんの方へと視線を戻そうとした瞬間、何かが気になり、もう一度シュナの方を見ると、モナオがトモの影からこちらをガン見してた。


私は人生でおそらく一番怖い表情を作りながら『邪魔するんじゃねぇ』と強く睨みつけると、無表情のモナオはトモの影に消えていった。


「悪いようにはしない。シュナやハティの面倒も俺がみよう。君が勉学に集中できるよう家事も全て任せて欲しい。こう見えても料理には少し自信があるしな。」


口元を緩め、優しい表情でそう言ったイノイチさんに、既にもうメロメロの私は、垂れ始めた鼻血を食い止めるので必死だった。


「それとも、ここまで頑張ってきた事を、急に他人に取られるのは嫌だったか?」


私は激しく首を横に振りまくる。


ついでに鼻血も撒き散らし、イノイチさんの服にも付いてしまった。


私は慌ててハンカチを取り出し、付いてしまった鼻血を拭こうとすると、イノイチさんはそのハンカチを私の手から取り、私の鼻へと当ててくれた。


「ふっ、落ち着けメイエリオ。答えは焦らなくていい。まずはモンチロマッチョイの件を片付けて、その後答えを聞かせて欲しい。」


そんなんもう200%OKに決まってるじゃん!


みんなー!見て!

私!彼氏出来ちゃうんですけど!!


動揺している私は鼻血を止められたまま、目を輝かせ、首を何度も縦に振った。


「よし、なら早いうちに見つけられるよう、今日はしっかり休むといい。私が今晩は哨戒に立とう。」


イノイチさんはそう言いながら微笑むと、鼻血が止まった私を抱きしめながら再度口づけをし、剣を持ってキャンプ地に立てられた見張り台に向かった。


私はこんな興奮状態のまま寝られるのか不安だったが、秒速で眠りについていた。


つ、疲れが溜まってたし、仕方ないよね。



翌朝



今日から本格的な花の捜索に入る。


なるべく広く別れ、広範囲の捜索をするのがベストだが、いかんせん見える範囲に魔物が沢山いる。


距離は多少あれど、何がきっかけで向かってくるか分からない。


仕方なく、そう、すんごく仕方なく、私とイノイチさんの班に別れ、強制的に私に付いてくるモナオと私が東側から、シュナとトモとイノイチさんが西側から確認する事となった。


早速と端から順番に葉っぱを捲り螺旋を確認していくが、意外とモナオが真面目に探している。


群生地の中に入ると、歩く事で土が掘れ根が出ない様に気も遣っているようだ。


これで実は何を探しているのか分かって無かったら、ぶち殴ってやろうと思ったが、一応は真剣なようだ。


反対側からはイノイチさんとシュナも葉っぱを捲っている事が見える。


トモには流石に無理だったので、周りの警戒をしてもらっている。


けれどそこから一時間が過ぎ、二時間が過ぎ、三時間が過ぎと、モンチロマッチョイは見つけられず、時間だけが無情にも過ぎていった。


反対方向から向かっていたシュナ達も、声を張れば会話できる距離にまで来ている。


足場を荒らしてはいけない緊張と、魔物に対する警戒とで、正直な所たった三時間が丸三日に思えるほど辛い。


更に言えば、必ずあるのなら頑張れるものを、探し続けたからと言って、結果ありませんでした!って事も十分にありえる。


私は一旦身体を起こすと、腰を反り、辺りを見渡すと魔物が少し近づいて来ている気がした。


「…髪長…………おい、君の事だメイエリオ。」


うっすら聞こえたその声に、私は誰だろうと、声がする方向を見る。


そこには、葉っぱを黙々と捲るモナオしかいない。


気の所為かと思い、作業を再開させようとしゃがむ。


「そのまま奉仕を続けながら聞きなさい。」


やっぱりモナオだ。


あまりに唐突な感じで普通に喋ってきたモナオに、私は少し冷や汗をかいてしまう。


「悪い事は言わない、あの男はやめておきなさい。」


はぁ?


はぁ?はぁ?はぁー!?


いや、何こいつ。


一丁前に嫉妬してんの!?


つかそんな普通に喋れるなら、もっと早くコミュニケーションを取れよ!


私はモナオの方に振り返るも、モナオはこちらを向かず、黙々と花を探していた。


「忠告はした、俺に出来るのはこれだけだ。」


一方的に理由すらなく言い捨てられた言葉に、私は無性に腹が立ち、言い返せる言葉が無いか、久しぶりに台詞の選択肢を確認した。



▶『これだ!見つけたぞ!』

▷『危ない!みんな下がれ!』

▷『どっちでもいいよ』

▷『こんな事になるなんて…』



うん、どれも今じゃないわこれ。


私は深い溜息を一つつくと、片膝を突いたまま弓を構え、先程から少しづつ距離を詰めてきていた虫型の魔物に弓をひく。


最初の矢が刺さる前に、続けざま後続の虫型に向けて矢を放つ。


放った5本ともが虫型を射抜くと、動かなくなった事を確認し、私はモナオの言った事も忘れ、花を探す作業に戻る。



そうして捜索と掃討を続けていると

いつのまにか陽が暮れ始めた

「…………」


「しゅ、シュナだよー!ど、どうしたのおねぇちゃん(汗)固まってるよ」


「……あれ…」


「あれ?うーん、どれ?」


「……モナオ(仮)」


「ああ!章題やっと決まったんだね!おめで……ひっ!」


「もぉぉぉぉなぁぁぁぁぁおぉぉぉぉぉぉ!!!!!?なんじゃこの題名はぁぁぁ!!!!!!」


「ひっー!!!」


「うがー!!!!!」


「おねぇちゃんが…壊れちゃった……じ、次回、泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる【えぴそど258 襲撃】ぜひ読んでください」


「おあああああああ!!!!!!!」


「が、頑張っておねぇちゃん!」

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