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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
突撃☆隣のクソ野郎 中編
208/258

えぴそど208 "明"探偵グリカ

俺達は、全員で宿屋の主人に街の情報を改めて聞き、それぞれ分かれてフットプリンツを探す事となった。


グリカ以外は、桃犬ことリオンの風貌が分かる為、三人とも別行動する。


病み上がりのグリカに、当初は宿でまだ休んでおくように伝えたものの、本人は身体がなまってしまうと、付いてきている。


アルネロは一人の方が探しやすいと言い街の東部を、ヤッパスタは一度接触した南部を、ヤッパスタと組むと、どうしても事件性の香りが漂う光景になってしまう為、グリカは仕方なく俺と一緒に西部を散策する。


「それにしても暑いな。グリカ、大丈夫か?無理はするなよ?」


「大丈夫なのです。これくらい涼しい位なのです。」


グリカが拠点にしていた天照の塔は、海に近く、どこか南国を感じられる様な気候だった。


多少の暑さなど気にならないのだろう。


「それにしても、どう探したらいいのかなー昨日もヤッパスタと結構南部は歩き回ったけど、一度も姿を見てないんだよな。やっぱ、セシルに協力をお願いした方がいい気がするんだけど。」


「あの坊っちゃんの事です。大袈裟にして、その組織に気付かれるのが目に見えるのです。」


「ああー確かに、グリカの言う通りだわ。」


セシルはあの一件以降、俺達の事を認め、かなり気に入ってくれている。


おそらくお願いすれば喜んで協力はしてくれるだろうが、グリカの言う通り、期待を裏切らない結果にしかならい気がする。


「じゃぁこうやってただ歩くしか無いのか。」


「いや、コースケ。もっと頭を使うのです。」


なんだか俺が頭を使ってないと言わんばかりの、辛辣な言葉が少女から放たれた。


「あ、頭を使うって、具体的にどうすればいいんだよ。」


「そのフットプリンツは、仮にも裏の世界に属する組織なのでしょう?この街に居る目的まではわからないのですが、こんな大通りをウロつくとは思えぬのです。」


いや、そりゃごもっともだけど…


「何としても私達が先に見つけて、アルネロ様に良い所を見せるのです!」


アルネロ様って…グリカが随分と意気込んでいるのは理解した。


「裏路地を廻るって事か?スラム街とか?」


「宿の主人に聞いた話しでは、この街は大きさの割りに、スラム街の様な場所が少ないのです。貧富の差が開きすぎていないというのは、良い統治を行えている証拠ではあるのですが、それでも、悪は必ず蔓延るものです。」


「つまり?」


「まずは悪そうな奴は大体友達的な感じの奴を探して話を聞くのですよ。」


「わ、分かった。」


こうして俺達は建物の間にある、細い路地を奥に進み街の裏道へと入って行った。


裏路地と言っても、大通りからすぐ裏と言う事もあり、お店や人通りは幾らか見受けられた。


「うーん、グリカの言う『悪が蔓延る』って感じの雰囲気じゃないよな。」


「確かになのです。清掃も行き届いてますし、本当にいい街なのです。」


「目に見えて悪い雰囲気の奴も居ないし、どうしたもんか…」


それからしばらく、俺とグリカは店を外から楽しみながら、ただひたすらに歩き回ってみたが、めぼしいものは見つからないまま、昼を迎えてしまった。


「駄目だなぁ、そろそろ昼だし、店が込む前に俺達も昼飯にするか?」


「そうですね…食べるのです。」


裏路地にある地元の人しか入らない様な店に入ると、俺とグリカはランチを注文した。


窓から通りが見える位置に座り、俺は水を呑みながら身体を休めたが、グリカは道行く人間に、隈無く目を通している。


「グリカ、休む時はしっかり休もう。病み上がりで体調を崩したら元も子もないぞ。」


「はいなのです。でも、お構いなく。私が居れば百人力なのです。」


相変わらずグリカとは会話が出来ているのか良く分からない。


「こっちの区域は新しい分、思った以上に整っているし、もしかしたらアルネロ達の方が見つけるかもな。」


「それはどうでしょうか。」


「ん?何かあるのか?」


「南部は街の入り口という事もあり、人の出入りが多い場所なのです。その分、外部の者が一箇所に留まると、どうしても人目を引いてしまい、拠点化するには難しい筈。」


「う、うん。それで?」


「東部は元々この土地の民の居住が多く、こちらもやはり新参者には辛い地区である筈なのです。そう考えれば移民地区である、この西部を拠点にしている可能性は高いと思うのです。」


「でも、そうだとして、アルネロは真っ先に東部地区を回るって言ってたけど、考えが違うって事か?」


「いえ、もしその組織が地元民の協力を得ていた場合、東部を拠点にしている筈。アルネロ様はそう考えたのではないでしょうか。」


「なーるほど。じゃぁ、やっぱり見つけるとしたら、俺達かアルネロかになるって訳だ。」


「もちろん私達なのです。勝ちますよコースケ!」


「お、おう。」



気付かないうちに

競争になっている事に気付かされた俺だった

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