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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
殲滅☆大花火
206/258

えぴそど206 花火

「乳でかねーちゃん!準備出来たぜー!」


バールの声にはピスが反応し振り向くと、ナットとワッシャーも作業を終えこちらに走って帰って来ていた。


「粉も全部ぶちまけてきたぞー!」


「ほんとにだーれも居なかったぜー!」


ハピスは三人に笑顔を向けながら立ち上がると、膝に付いた草を払いながら深く息を吸った。


「ふぅーー」


「撃っちまってももういいのかー?やるぞー!」


「え!?あー!!ちょっとまってー!」


ハピスはバールの方へと走り、ユージリン達の場所から少し離れた所に並んだ8本の筒確認すると、おもむろにその内の一本を空へと向けた。


「バールたん、これだけ最後にね!」


「ははっ!ああ!分かったぜ!」


そう言うと、はピスは耳を塞ぎながら、楽しそうにユージリン達の方へと再び走って戻った。


「よーし!じゃー!ド派手にやっちゃってー!!」


「オーケイ!いくぜー!みんな下がれー!」


バールが留め具を外すと、筒の中にハピスの調合した液体が次々と注ぎ込まれる。


「…13…14…15………来るぞ!みんな!耳を塞げ!」


バールの声に、その場の全員が両耳を塞ぐが、片手が無くなったゴンガだけは狼狽えていた。


その直後、筒より強烈な閃光が走ると、肌に感じるほどの轟音と共に、大きな爆発が起こる。


「きゃーきゃー!!!(笑)」


ハピスは尚も楽しそうにはしゃぐと、筒先から光の玉が勢いよく放たれ、敵の拠点に向かいまっすぐに飛んでいく。


光の玉は建物に差し掛かる直前、更に強烈な光を放つと、その光を四散させながら大きく爆発した。


更に、爆発の衝撃が建物にまで及ぶと、ナットとワッシャーが撒いた粉が反応し、その場が激しく燃え上がり、一目で再建が不可能なまでのダメージを与え、壊滅する事に成功する。


「おっしゃー!!」


建物が派手に吹き飛んだ光景を見て、歓喜の声があげると、バールが最後に残っていた筒に液体を注ぐ。


最後の筒から起きた爆発は真上に光の球を走らせ、皆の頭上で強く発光し、華々しく光を四散させた。


「えーと!!たぁぁぁーまやぁぁぁー!!」


ハピスが万遍の笑みを見て光に向けて叫ぶと、ユージリンはその姿を微笑ましく見つめ、手を口元へと運び、大きく息を吸った。


「すぅー……かーぎやー!!!」


「ちょ!?(笑)他バージョンもあったの!!?(笑)」


「ええ、意味はわかりませんけどね。また、一緒にコースケに聞きましょう。」


「ふふっ、そだねー早く会いたいねー」


四散した光は輝きを無くし、雨雲が完全に無くなった空は、日が暮れかけている。


ハピス達はしばらくその雰囲気を楽しむかの様に、黙ったまま日が沈むのを見つめていた。


「さ、て、と。」


バールが筒を回収し、袋に入れハピス達の元へと置くと、ユージリンに向け手を差し出してきた。


「あんがとなユージリン!あんた達も!なんかよく分かんねーけど、楽しかったぜ!」


ユージリンはバールの手を握り返すと、クランク達にも目を配りながら答える。


「君達には本当に助けられた。ありがとう。感謝してもしきれない。」


「気にするなよ。報酬は貰ってるんだし、俺達は正しい事をやったんだ。むしろ感謝するのはこっちなくらいさ。」


「そうか、それを聞いて気が楽になったよ。本当にありがとう。で、これからどうするんだ?」


「俺達はこのままローランさんと合流して街に戻るよ。」


「つっても、ゴーロンは犯人探しに王国兵がわんさか居たからな。このままゴーロンには入らずクリュスに戻ると思うぜ。そっちはどーするんだ?」


ナットとワッシャーが答えると、ユージリンはハピスの顔を見た。


「んー、今のゴーロンに戻るのは危ないからねー私達もこのままゴーロンをドロンして、情報収集しながら傷の治療に専念するかなー」


「そうか、じゃぁ一緒にクリュスに来いよ。何も無いとこだけど、綺麗な湖を囲う療養にはもってこいの場所だぜ?」


「それに、商業都市だから人の流れは多い。情報収集にも適してるよ。」


バール達の誘いに、今度はハピスがユージリンの顔を見返す。


「決めて下さいハピスさん。俺は貴女に付いて行くだけだ。」


「うん、そうだねーあいつらの事もふりだしに戻った感もあるし、行っちゃおうか!ゴンゴンの腕と、ユージリンの目を何とかしたいしね。」


ハピスの答えに、バール達だけでなく、ユージリンとゴンガも笑みを見せる。


「よーし!じゃぁそうと決まれば撤収するよ!王国兵がこっちに来ちゃう前に!ものどもー!とんずらだー!」


「「「「「「おー!」」」」」」



轟音を鳴り響かせていた雨空が嘘だったかの様に

星空輝く空は平穏そのものだった

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