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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
殲滅☆大花火
202/258

えぴそど202 惨憺に呆れ

ハピスから離れ、左右に展開しつつ、ダリアが連れてきた面兵二人を、囲いこむ様に迫るユージリンとゴンガ。


剣の間合いに入る前に、ユージリンは魔法陣を展開させ、自分側では無く、ゴンガ側の面兵目掛け、剣を鞘に収めたまま魔力を放った。


〈中級剣スキル ウインドスラッシュ〉


「ループ。」


「ああ、問題無いキープ。さっさと片付けよう。」


放たれた衝撃波を意図も簡単に避けると、面兵は眼を黄色く輝かせ、左右に分かれ、それぞれ対峙する形を取った。


(あの身のこなし、速さが段違いだ。ゴンガが危ない……いたっ!)


ユージリンは急に走った痛みに、手にしたキュアソードへと視線を落とす。


鞘に収まった状態のキュアソードは、何かに反応するように、ユージリンの手へと侵食を始めていた。


(キュアソード…分かってる。お前を使わなきゃ勝てないんだろ…やってやる!)


ユージリンが鞘から剣を抜くと、面兵の一人キープは、ユージリンのすぐ目の前まで移動してきており、既に抜刀した刀をすれ違い様に振り抜く。


しかし、振り抜いた側のキープの刀は弾かれ、反動で大きく後退しつつ、キープは地面を擦りながら踏ん張り、手に残った痺れを確認していた。


「……マジックウェポンか。不相応な物を。寿命を縮めるぞ。」


ユージリン自身は反応しきれてなかったが、キュアソードがキープの刀を弾いていた。


「使わないなら使わないで寿命が縮みそうなんでね。俺は自分の力を過信しないんだ。」


ユージリンは剣を構え、魔法陣を展開するとキープに向け走り出す。


「ふっ、気構えは良し。」


キープも刀を構えると、ユージリンに向け走り出す。





「んふっ!んふっ!んっふんだぁー!!!」


「………」


ゴンガは近づいて来たループに対し、手にした杓文字しゃもじをがむしゃらに振り回すも、かする事すら無く、単純な足運びだけで避けられていた。


「………もういいだろ。」


ループは、杓文字の避け際に刀を抜くと、ゴンガの右腕に向け、身体を回しながら、勢いよく振り抜いた。


「!?…んぎぃ!!!」


「……?」


刀の刃は、まるでケーキを切るかの様にすんなりと腕に入るも、切り落とす事は叶わず、腕の途中で止まってしまった。


「い、いってぇだぁぁぁ!!!!」


ループは刀を抜くと、目の前で痛がり蹲るゴンガを他所に、刃こぼれが無いか刀を確認した。


「骨?予想以上に肉が分厚いのか、それとも何かあるのか。胴ごと切り離すつもりで振ったのだがな。」


「ふぎぃー!ふぎぃー!」


ゴンガの右腕は半分近く切れてしまい、そのままでは重さで落ちてしまいそうな程、傷は深かった。


「ならば首はどうか?」


ゴンガは顔を上げると、痛みに顔を歪め泣きながらループを睨んだ。


「お、おめぇ!おらがおにぎりを握れなくなったら許さねーど!!!」


「………」


ループは言葉を返す事なく、ゴンガの首筋に刀を振った。





「さぁ、その足でまだやるかい?ダリアちゃん。」


ダリアの太ももには、ハピスが突き刺したナイフが、反対側の肉を突き破る程に突き刺さっていた。


「……ちっ。」


ダリアは足に刺さったナイフを抜くと、ハピスに向け投げつけ、ハピスが避ける合間に、ドレスの切れ端を裂き、傷口を縛った。


「このまま引き下がってくれないかな。今の貴女にそんな忠誠心があるようには見えないんだよね。」


「忠誠心?はっ、ある訳ねーだろそんなもん。誰にもつんだよ。あのクソユウジか?クソ紅梟か?それともクソ神にか?笑わせるな。」


ダリアは縛り終えた足を地面に着け、動きの支障を確認する。


「……なら、なぜ貴女は組織の為に戦っているの?フットプリンツの目的は、世界の真実を見極める事だったはず。興味がある様に見えないんだよね。」


「なまぬりぃ。」


「ん?」


「お前らが言う、真実なんかに興味なんてねーよ!私は私を馬鹿にした奴らをぶっ倒す!それ以外に興味はねぇーんだよ!!!組織なんて知った事か!!」


「……そっか。貴女は良いように使われただけなんだね。」


「黙れ!おめーのその上から目線が気に入らねぇんだよ!!何勝ち誇ってやがる!!もう完全にキれたわ!!おめーの能力が何だって構わねー!ぜってー殺す!!」


ダリアは再び激昂すると、胸元から小瓶を取り出し、そのまま口に流し込んだ。


「おー、なんかヤバそうなもん呑んだね。」


途端にダリアの目は充血し始め、皮膚が赤黒く変色を始めだした。


「まさか、まさかのまさかだけど、それクラバナ…紅梟から貰ったでしょ。あいつ…私のレシピ盗んでやがったな。」


「ぐるぎいいいいいいいいいぎゃああああ!!!」


更にダリアの目や鼻からは血が流れ始め、身体からは蒸気が登るかの如く、体温を高め、汗を蒸発しはじめていた。


「ダリア…分かったよ。私が貴女を開放してあげる。」



ハピスはどこか悲しげな表情を浮かべ

鉄球を拾った

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