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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
殲滅☆大花火
195/258

えぴそど195 相当に荒れ

「ど、どらぁー!!!」


〈我流 杓文字スキル 五合盛(あさめし


ゴンガは、杓文字(しゃもじ)に魔法陣を展開させると同時に、それを振り回しすと、杓文字の周りに魔力で出来た更に大きな杓文字が現れる。


ゴンガが勢いよく杓文字を振り回すも、レベルの差か、速さの差か、囲んだ4人の敵兵達は、軽々とそれを避けた。


「ふんっ!そんな遅い攻撃!!」


敵兵の一人が剣を口に咥えると、器用に杓文字を掻い潜り、ゴンガのすぐ眼前まで距離を詰めると、そのまま身体を回転させ、蹴りをゴンガの顔に打ち込む。


ゴンガはその攻撃に対応しきれず、顔が天を向き、口から血飛沫が上がっていく。


すかさず敵兵は手を地面に付き体勢を整えると、咥えていた剣を握り、ゴンガの胸目掛けて突き出す。


剣先がゴンガの胸に当たる直前、ゴンガは目線を戻し、杓文字を眼前の敵へと振り下ろす。


「き、きかねぇだぁー!!!」


〈我流 杓文字スキル 竈炊こめがたつ


振り下ろされる魔法陣を帯びた杓文字は、敵の剣を砕きながら地面に刺さると、地面からは無数の赤い炎が湧き出した。


ゴンガの眼前に居た敵兵は、炎を直接受けてしまい、その身体を火に包まれてしまう。


その光景を見ていた残りの3人には、囲いの幅を広げ、それぞれの剣に魔法陣を展開させると、一斉に炎の中心に居るゴンガに向かい跳んだ。


「ぬぅぅぅあああああああ!!!!」


ゴンガは、突き刺した杓文字に更に魔力を注ぎ込むと、より大きな魔法陣が展開し、炎の色が赤から青色に変わったかと思うと、炎の威力が格段に上がり、炎を飛び越えようとした敵兵を包み込む。


〈我流 杓文字スキル 炎舞炊こめおどる


「ああああああああああ!!!!」


炎を吐き出し続ける杓文字を持つ手から、徐々に体全体へと、ゴンガの身体は赤く変色していった。


「くっ!下がれ!遠距離戦に切り替えろ!!」


「分かった!」


黒焦げになった一人を除き、残った二人は炎から逃れ、距離を空けると同時に、別の魔法陣を展開させ、ゴンガに向け魔力による斬撃を飛ばす技を繰り出す。


「ぬんっ!!」


ゴンガはその姿をしっかりと確認しており、力を込めると、敵兵から放出された斬撃が向かってくる部分のみ炎が更に強化され、相手の攻撃を完全に無効化する。


斬撃と炎がぶつかった衝撃と、雨を蒸発したものも含まれ、辺りは白い水蒸気に包まれる。


「こんのぉクソのろデブがぁ!」


敵兵は半分ヤケになりながら、ゴンガを中心に円に沿うように走りつつ、続け様に剣を何度も振り、場所を変えながら、霧の向こうに居るゴンガに向け斬撃を飛ばした。


「だぁぁぁれぇぇがぁぁ!!のろまなデブだぁぁぁぁ!!!」


霧を吹き飛ばしながら進んだ魔力による斬撃は、対象物を切り裂くこと無く、何かに当たり弾け跳んだ。


〈我流 杓文字スキル 五合盛あさめし)

〈我流 杓文字スキル 五杯目おかわり


霧が晴れ、炎が消えると同時に、ゴンガが巨大化した杓文字を持ちながら、まるで独楽の様に回転しつつ飛び出してきた。


「な!?そ、そっちだ!避けろ!」


「あ、ああ!うぉ!?」


動きが遅いと高を括っていた敵兵にとって、向かってくるゴンガの異様な速さは予想以上だった。


「ふ-き-と-べ-べ-べ-べ-べ-べー!!!!」


ゴンガは回転したまま敵に突っ込むと、遠心力で威力を増した杓文字で敵兵を薙ぎ払う。


ドッ!!っと鈍い音と共に、杓文字が当たった敵兵は、四肢が胴体から離れ、肉片となりつつ遠くへと飛ばさて行った。


「な!?嘘だろ!!!!」


ゴンガは止まる事なく、残った一人に向かって更に回転を上げながら突進する。


「く、くるなぁー!!!」


「ま-て-て-て-て-て-てー!!!!」


敵兵はゴンガから逃げようと走りだし、ゴンガは周り続けたままその後を追う。


「あっ!ぐっ…!」


雨でぬかるんでいた土部分に足を取られ、敵兵が転んでしまう。


「うぉ-お-お-お-お-お-お-!!」


「ひぃぃぃ!!!」


しかし、その時、敵兵の眼前に迫ったゴンガに、謎の巨大な衝撃波が当たり、ゴンガは盛大に吹っ飛んでしまう。


「ぐふっ!!」


「………!?え?な、なんだ!?た、助かったのか!?」


倒れるゴンガを横目に、敵兵は辺りを見渡すも、増援の気配は無く、やや遠目の方に交戦している味方の姿があるだけだった。


「と、ともかく…や、やるしか!」


敵兵は急いで落とした剣を拾うと、大の字に倒れているゴンガの元へ駆け寄り、剣を突き立てようと、両手で握り剣を思い切り引き上げた。


「死ねぇぇぇぇ!!!」


その剣は、意識が朦朧としているゴンガの腹部に突き刺さり、ゴンガの口元から血が溢れた。


「ごふっ!ごほっ!ごほっ!」


「おらぁ!もういっちょぉぉ!!」


再び突き立てられる剣に対し、ゴンガは自身の手を前に出すと、剣はゴンガの手を貫く。


「くっ!は、離せ!!!」


「ふぅー!ふぅー!」


剣が刺さったまま、ゴンガは刃を思い切り握りしめ、ついには敵兵の剣を折ってしまった。


「あ、あわわわわ!!!」


ゴンガがそのままゆっくり立ち上がると、敵兵よりはるかに大きなその体躯が、恐怖の対象として映る。


「オラはぁぁぁぁ!!!デブじゃなーーーーい!!!」


ゴンガは叫びながら、敵兵目掛け思い切り頭突きを振り下ろすと、敵兵の頭部は完全に粉砕され、跡形も無く潰れてしまった。


頭部を失った身体は、そのまま数歩後ろへ下がり、自然に倒れて行く。


「ふぅ、ふぅ、ふぅ…」


ゴンガは鼻息荒く、着ていた服の端を破り、剣が刺さり穴の開いた手に巻き付け、同じく、剣が刺さった腹を、手でさすった。


「あ、あれ……せ、先生の流れ弾だったなぁ……あっ!ゆ、ユージリンを助けねーと!!」



ゴンガは巨体を揺らしながら

ユージリンの元へと向かった

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