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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
☆ I Can Fly ☆
18/258

えぴそど18 神々の遊戯

オカマのおっさんの口から発せられた台詞に俺は顔をひきつらせた。


「み、皆殺しっすか。」


「そ、皆殺し♡ふふ、大丈夫よん。もう一度理由は説明したあげるし、二柱を騙してあなたの事はちゃーんと強くしてあげているから♡」


「二柱?そうっすか…じゃぁ説明してもらっていいっすかね。」


「オッケー♡」


そこからオカマはこの世界の事を説明してくれた。


だが、それは俺の想像を遥かに超える、人智では到底及ばない壮大で糞な悪戯だった。


オカマの話を要約するとこうだ


今いるこの世界は、貧乏神と疫病神が戦うテーブルゲーム。元々この二柱がある神器を賭けて始めたただの遊戯なのだ。


将棋やチェスの様に、お互いの駒を揃え戦わせる。

駒と言うのはもちろん人間や魔物。だが、一つ一つに指示をしたり操作したりしている訳ではなく、配置を行ってからはそれぞれ目覚めた自我により勝手に進むらしい。


全く手を掛けないかと言うと、そうでも無い。

まず、生まれながらに相手陣営の者を憎む呪いにかけており、どうやっても争いが起こりやすい状況が生まれる。


次に、天啓を用いる事により実際にアドバイスを送ったり、神同士、お互いが了承すれば新しいスキルを与えたり、強制イベントを起こす事もできる。こうして出来た内の一つが天舞などである。


そういった事を行いながら、貧乏神が魔族を、疫病神が人族を、それぞれ管理し戦っている。


「ここまではいいかしらん♡」


「はい…なんだか…正直胸糞が悪い話っすね。」


「んーふふ♡そんなものなのよ、あなた達が『神』と呼ぶ者なんてね。特にあの二柱は若いわね。人間で考えたら16歳くらいかしら。考える事もやる事もぜーんぶ幼稚なの。この世界の『設定』なんて滅茶苦茶で、地球と比べたら穴だらけよ。だから簡単に騙す事ができたわ。」


「そうなんすか…で、何を騙したんすか。」


「もちろん康介ちゃんの能力についてよ♡おかしいと思わない?あなたの様なスキルがゴロゴロあったら、ゲームバランスがおかしくなっちゃうわ♡」


「強肉弱食とかですよね。でも騙すってどうやって。」


「強肉弱食だけなら二柱からしても問題無いのよ。だってレベルが上がっていけば効果が薄くなるんだもの。」


年齢が上がっていけば薄くなる頭皮って事ですね。と什造の頭を見ながら心の中でツッコミを入れた。


「だからね、レベルが上がりにくくしたの♡それもちょっとやそっとじゃ全然上がらないくらいにね。でも、そのままじゃ私の意図もバレちゃうから、レベルが1から2に上がる時は必要経験値を8くらいにして、レベルを2から3に上げるには必要経験値を適当に7億以上にしといたって訳。もちろんカモフラージュに攻撃を受ける事でも経験値が入る様にしたわ。奴等レベル2以上の必要経験値まで確認してなかったから、最初に知った時は悔しそうな顔してたっけね♡」


「じゃぁ鎌も死神の使者としてのスキルとかっすか?」


「え?いやいやいや、死神が鎌を使うなんて地球の人間が勝手に創った空想よ。康介ちゃんが言ったんじゃない、攻撃手段は何がいい?って聞いたら目を瞑ったまま深く考えて『…カマだ』って。」


おい、おっさん。

それはきっと『オカマだ』って言ってたんだと思うぞ。お前の事だ。そもそも酩酊状態でまともに質疑応答していると思っちゃダメだ。


「じゃぁ男気ってのは…いや、何となくは分かってるんすけど。」


「康介ちゃんが思ってる通りよ。スキルに私の感情も多少流しておいたから、いかに私がキュンキュンしちゃうかって事ね♡要するに康介ちゃんが私を乙女にさせるポイントってとこかしら♡」


聞くんじゃ無かった。


今後、男気を獲得する度このオカマの気持ち悪い顔が出てきてしまう。


これはお互いを憎む呪いより厳しいな。いっそ二柱にお願いして、どちらかの陣営に移動させてもらうか。


「ちょっと、今失礼な事考えてない?」


だが、話はだいたい解ってきた。物騒な問題が解決していないけど。やっぱり、はっきりさせておこう。


「え?ちょっと無視?」


「ジューちゃん…」


「なーに?♡」


「さっき言ってた皆殺しって言うのは…」


「そうね。その話の前に私の目的から言っておくわ。私は、二柱が賭けてる神器が欲しいのよね。『黄鉞(こうえつ)』、あの二柱には勿体ない一品だわ。キラキラに輝いてそれはそれは美しいのよぅ♡」


「こう…えつ?ですか。」


「そ、黄鉞♡康介ちゃんにはどうしても勝ってもらわなきゃいけない訳。それに、700年以上も二柱の玩具にされたこの世界を開放してあげなきゃ可哀想でしょ?」


「それと皆殺しとどう関係が…」


「二柱が最初に決めた勝利条件は相手陣営の『殱滅』よ。」


糞だ。どちらの神も糞でしかない。

それから俺は少し考える。皆殺し。この世界に来てまだ日は浅いが、それでも関わってしまった人達がいる。そうで無くとも、そんな狂気の御業をまともな精神で行える訳が無い。


「……なんとか他に方法は無いんですか。」


「基本は無いわね。」


「基本って事は他の方法があるんですね!?」


「ええ、まぁ言うなれば、人族も魔族も康介ちゃんの仲間にしちゃったらいいのよ。例えばぜーんぶまとめて一つの国にしちゃうとか。そうすれば争いは無くなるでしょ?康介ちゃんの勝ち。強いては私の勝ち♡」


「じゃ、じゃあ!争いが無い世界になれば終わり!魔王ってのを倒せば叶うって事ですよね!」


「ん?ええ、そうだけど…そんな簡単には行かないと思うわよ。擬似的なものとは言え、神の力でもあるスキルを与えられてるし、戦う事に特化したものも多いのに、それらが無に帰す平和を彼等は望んでいるのかしら。二柱の力でお互いを憎む様にもされてるって言ったでしょ?700年も勝手に争ってる訳だし、利権争いは無くならなさそうよね。」


「う…。」


「それに、もちろん魔王って呼ばれている子も魔族側ではあるけど、そもそも人族や魔族って言うのはこの世界の人々が勝手につけちゃっただけなのよ。それを後から私達も使ってるだけ。言っちゃえば、あなたが今居るアスタリア国の人々が魔族よ。」


「え、どういう────」


「ま、その辺はすぐに判るわよ。もうあまり時間が無いからここから本題ね。長いから量が2話分になってるし、そろそろ指が痙りそうだわ…今回、康介ちゃんに神託を授けに来た本当の理由は、これからの道中気をつけて欲しいって事を伝えたくて♡」


「え?指?…気をつける…?」


「ううん指は気にしないで、もっと上の存在の話よ。それより、早くも二柱があなたへの対抗手段をあれこれ出してきてるって訳。私が細かくチェックしてなんとか防いではいるけど、私が康介ちゃんにした様に、自分達の力を直接使わせるスキルを考えているみたい。だから過信せず今後の道中に気をつけて欲しいのよ。今回はそれを伝える為に来たわ。」


「そうですか…あ、ありがとうございます。」


「いいのよ…天啓はしょっちゅう使えないから中々会えないし、康介ちゃんには色々と背負わしちゃうけど、私は味方だからね。難しく考えず康介ちゃんが思う様に進めばいいの。きっとそれがこの世界の人にとって、私にとって良い未来に繋がると信じてるわ。」


「ジューちゃん…」


「まだまだ聞きたい事はあるでしょうけど、そろそろ時間ね♡最後にもう一つ…」


『んちゅ───────』


死神は動けない俺に口づけをかましてきた

よし、まずはこいつら神からぶっ殺そう



そして俺の視界は暗転した

投稿が1-2日空く可能性があります。

次話以降で細かい調整をしたいところがあるのでちょっと考えたいです。

ごめんなさい!!

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