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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
突撃☆隣のクソ野郎 前編
171/258

えぴそど171 生ゴミ

「マ、マンティコアだと!?」


「トレントを血の海に変え、アムドを一日で壊滅さえたというあれか!」


「勇者パーティの聖女が犠牲になった事で、討伐レベルがAからSに引き上げられた魔物だぞ!」


「な、なんだってこんな所に!セシル様!無理です!」


侍従達があれやこれやと騒いでいる。


「アカーシャ、やばいのかアレ。」


俺はうるさい侍従達からは離れ、アルネロに近づき聞いた。


「……しょじきわからない。だが、やつらがいっているように、ゆうしゃパーティのひとりをぎせいにして、かろうじてかったというのはしっている。」


「じゃぁ…強いんだな。」


「まぁ、きさまがいれば、もんだいないだろうがな。」


「それはそうだけど。」


正直、相手が強ければ強い程真価を発揮する俺のスキルの前に、怖いものなんてない。


「ス、ス、スティンガー!どうすればいいのだ!」


あの暴言王子、セシルですら動揺している。


「落ち着けセシル。距離はあれども、そんなに声を張り上げていたら気付かれるかもしれないぞ。まずは、全員静かにさせるんだ。」


「わ、わわわ分かった!おい!お前ら!静かにしろ!!」


よほどの事なのか、注意しているセシルが誰よりも大きな声を出している。


「なぁ、あんたらの腕が立つのは聞いている。クリスタルウルフを二人で掃討したんだろ。どうだ、マンティコアはいけそうか?」


スティンガーが俺達に近付きながら言ってきた。


まぁ、倒したのは俺じゃなくアルネロとヤッパスタなんだけど。


「ぶつりこうげきが "しゅたい" であればもんだいない。スティンガーどのは、あのまものにくわしいのか?」


アルネロは馬から降り、フードを上げスティンガーの前に出る。


「どうかな。あの小さな翼である程度飛翔する事と、毒付きの両尾、人面口からは火を吹く事は知っている。あとは、あの図体に似合わず素早い事くらいだ。」


「" ひ "か……すこししつれいする。」


アルネロは振り向き、俺の方に歩いてきたかと思えば、俺のコートを無理やり引っ張り、下がった俺の耳元に囁いた。


「きさまのスキルで、ひはどうだ。ふせげるか?」


「いや、試した事はないんだけど、恐らく、俺に向けて放った火は防げると思う。ただ、地面に燃え移ったものに関してはそのまま通りそうなんだよな。」


「なるほどな…どうじにひをふかれば、やけどだけではなく、こきゅうすらきびしいかのうせいがあるのか。」


「たぶん…ごめん。」


「そうか…いや、あやまらなくてもいい。しかたないことだ。」


そこまで言うと、アルネロはコートから手を離し、俺の肩をポンポンと叩くと、再び俺に背を向けスティンガーの元へと戻った。


「いけます。マンティコアのとうばつ。わたしたちがうけもちましょう。」


おっとアルネロさん。


俺との会話はどこに行ったのかなこれ。


「そ、そうかアカーシャ!お前らでやってくれるか!」


「ええセシルさま。わたしとこちらのなまゴミでかたづけてまいります。」


「おお!お前はナマゴミと言うのか!そ、そうか!頼んだぞ!アカーシャ!ナマゴミ!」


ちょいちょーいアルネロさん。


セシル坊っちゃんが俺の名前を生ゴミだと勘違いしてないかこれ。


興奮のあまり、名前で呼ぼうとしてくれる姿勢は嬉しいんだけどさ、アルネロさんの粋過ぎる計らいの所為で不名誉な名前になっちまったじゃねーか。


「私も手を貸そう、囮くらいは出来るだろうからな。」


スティンガーが背負っていた大剣を手にし言う。


「ス、スティンガー!お前は俺の近くに居ろ!ここだって安全とは言えないだろ!」


すかさずセシルがそう言うと、セシルに背を向けたまま、スティンガーはこちらに向け少し嫌そうな顔を見せた。


「セシル、この先に召喚多発のホットスポットがあるかどうかも怪しい状況で、マンティコアの討伐となれば、それだけで大きな戦果だぞ。」


「う、うむ!それは分かっている!」


「それを他所者だけに任したとあれば、後で何を言われるか分からん。家の者も参加しておくべきだろ?別に俺じゃなくてもいい、おい、その方らで彼らと共にマンティコアに挑む者は居るか?」


スティンガーがセシルの後ろに固まった侍従達に問うも、侍従達は顔を逸し、俯いてしまった。


「な?俺が行くしかないだろ。いいかセシル。」


「ううむぅ…」


「セシルさま。グリカをごえいにおいていきます。このものも、たたかいにはなれておりますゆえ、ごあんしんください。」


アルネロは随分と余所行きの顔でセシルに愛想を振りまいた。


「ふぇ!?わ、私なのです!?」


グリカのその言葉に反応し、振り向いたアルネロは目を見開き『余計な事を言うな』と言わんばかりにグリカを凝視しながら命令した。


「グリカ、セシルさまをおまもりしろ。」


「は、はいなのです!」


敬礼をし平静を装いつつも、グリカの足がガクガクと震えている。流石に怖いよアルネロ。


こうして、グリカ含むセシル組はやや後方に下がり、俺達討伐組はマンティコアと距離を詰めながら、作戦を練ることにした。


「すまんなアカーシャとやら。政治に巻き込んでしまって。」


「……きにするな。ここまできて、てぶらであったり、しんでしまわれたらこまる。」


「ふっそうだな。」



勇者パーティにすら被害を出した魔物に

俺達は戦いを挑んだ

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