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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
☆ I Can Fly ☆
17/258

えぴそど17 什造

やっときました

「いやいやいやいやいや

 おいおいおいおいおい」


俺は置かれている状況に困惑していた。

連れて来られたのは兵舎の隣にある地下牢だったのだ。鉄格子の中に入れられ足には太い鎖まで付けられている。


「おもてたんのと違うんだけどこれ!」


「うるさい!」と監獄の兵士に棒で鉄格子を叩かれる。これのどこが高級宿なんだ!何がどうしてこうなった!ジャクシンめ!許さん!許さんぞぉぉぉ!


結局、俺はふて寝するしかなかった。


…………。


……………。


…………………ん?


「お、き、て♡」


なんだ、何か野太い声が聞こえる。

耳に息を吹きかけられ、ウッとなり嫌々ながら眼を開けると目の前に青ひげのおっさんがいた。


「おぅわ!」


心の底から出た言葉だ。

おっさんの俺が言うのもなんだが、目の前に更におっさんの顔が度アップであったら中々のホラーだぞ。つか何の用だ。


「やぁーっと起きたわねぇ。康介ちゃん。五日ぶりかしら。元気で頑張ってるみたいね。」


言ってる意味が分からなかった。

こんなおっさんと出会った記憶なんか…いや、ある。俺はこのおっさんと何処かで出会っている。


だが、何処かが全く思い出せない。というか身体が全く動かない。金縛りか!?


「んー?どうしたのかしら。変な顔しちゃって。」


「あの…えと、どちら様でしたっけ。」


「!?」


おっさんは驚いた後、もの凄く悲しい顔をしている。

可哀想だが、その表情すら気持ち悪い。それに、覚えてい無いものは覚えてい無い。


見た目は50代くらいのひょろひょろなおっさん。

頭はバーコードハゲに黒縁のメガネをしている。耳にはピアスと爪にはネイルだ。その上、ピンクのドレス(フリル付き)を着ている。


初対面では無いのは分かってるが、これだけ強烈なキャラなら印象に残りそうなものを…ん?五日ぶり…?


俺はこの世界に来てまだ三日目…夜を越し四日目か…はっ!俺の記憶が…無い時か!!


「すみません!数日前に俺に会ってるんですよね!教えてください。どこで会ったんですか!お願いです!教えてください!」


「ちょ、ちょっと落ち着いてよ康介ちゃん。んもー、やっぱり忘れちゃったのね。いいわ。説明してあげるからお、ち、つ、い、て♡」


うん気持ち悪い。

格好だけでも薄々気付いていたが、これはアレだ。オカマだ。下手したらオネエかもしれない。


俺の防衛本能がスクランブルを奏でていた。身体が動いていたら走って逃げたかもしれない。


「んもぅ、だからあれほど呑みすぎだって言ったのよぅ。」


「呑みすぎ?あぁ、すみません。それで、まずはあなたは誰なんです?」


「私は什造。ジューちゃんって呼んでちょうだいね♡」


「わかりました。什造さん、それでこ───」


「ジューちゃんだっつってんだろ」


ドスがかかった重低音ボイスが空間を木霊し、耳や脳を通り越した上で腹に響く。やばい、このオカマはやばいぞ。怒らせたらやばそうだ。


ん?空間?つか、ここは何処だ!?監獄じゃない。周りをよく見ると真っ暗い中に無数の光の点が見える。まるで宇宙の様な感じだ。


「す、すすすみませんジューちゃん。それで、ここどこです?」


「むふふ♡ ここは私の所持する亜空間の一つよ。康介ちゃんと最初に出会った場所とはちょーっと違うけど。」


亜空間?さすがファンタジーだ。

だけど、このおっさんの着ている服やピアスにネイルはこの世界の物にしては些かクオリティが高い。


貴族とかそういうやつか。

什造を観察しながらそんな事を考えていると、予想外の言葉が出てきた。


「そんなに見つめないで。むふ♡話を続けるわね。私は死神、5次元と輪廻を司る者。そしてあなたの魂を保護しこの世界に招待した魂の救済者よ♡2回目の自己紹介だけどよろしくね。」


ん?………………

え?………………


「んーもぅ康介ちゃん。これもしっかり説明したのにぃ。あなたは地球で一度死んだのよ?お酒の呑みすぎでね。で、たまたまこの世界に参戦したかった私があなたの魂を貰い受けたって訳。ん?ちょっと大丈夫かしら?おーい康介ちゃーん!」


フリーズだ。

脳がオカマの喋る内容を理解できていない。死んでいたと言うのは頭のどこかで考えていた。


異世界に飛ばされる方法なんて、強制召喚か死んでやり直しとかだろ。だから死んだ可能性もあるというのは覚悟していた。


してはいたのだが、こうも直球でぶつけれると戸惑うもんだな。


「すみません、什…ジューちゃん。少し気持ちの整理ができていなくて。」


「仕方ないわよ…誰だって酔い潰れてトイレに顔がハマって溺れ死んだなんて受け入れ難いもの…」


どゆことぉぉぉ!?そんな理由で死んだの!?俺バカなの!?ねぇ!生前の俺って馬鹿なの!?


「あ、言っとくけどちゃんと康介ちゃんの許可は頂いたわよ。このまま今の世界の輪廻を巡るのか、それとも新しい世界で力強く羽ばたいてみるかって。あなたは魂のまま、二つ返事で『アイ!キャン!フラーイ!』って叫んでたわ。」


おい、オカマ野郎。

それは許可じゃなく酔っぱらいの戯言だろう。つか、魂になっても酔ったままとか、どんだけ飲んだんだ俺。


だが、頭の中にあったモヤモヤが幾分か晴れてきた。


異世界の現実も受け入れ始めていた今となっては、死神だろうが、ソ○ルソサエ○ィだろうが、なんでも来いだ。


「落ち着いて来ました。それでジューちゃん。さっき言ってた『この世界に参戦したくて』って言うのは?」


「ふふ♡康介ちゃんにちょっと人族と魔族を皆殺しにして欲しくってね♡」



オカマの

なんとも恐ろしいワードが亜空間に響いた

この話は元々エピソード0です

進行に合わせて脚色しました


次回まで続きますが、その後は後書きで什造ストーリーを書ければと思っています

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