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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
突撃☆隣のクソ野郎 前編
165/258

えぴそど165 救助クエスト

「じゃぁ最初に冒険者って言ってたのは?」


「嘘なのであります。冒険者登録はしてないですし、天照の塔の調査も何も、塔に住んでたのです。どちらからと言うと、近くに不審者が居ないか警戒してたのです。」


俺達は街を出て、次の街へと向かい歩いている。


その道中、グリカについての話を色々と聞いていた。


「そのでっかいノコギリは?」


「ノコギリ?あぁ、このこれの事なのですね。私にも分からないのですが、元々草刈りに使っていた人が居たのです。何も無かったので仕方なく武器として使ってみたら、予想以上に手に馴染んでしまって。ノコギリと言うのですね。知れて嬉しいのです。」


「回転ノコギリって言うんだけどな。木とか切るノコギリって知らないのか?」


「ごめんなさいなのです。お母様の言いつけで、私は戦闘訓練ばかり受けていたので、日常的な事に疎いものがるのです…」


「い、いや謝る必要は無いけどさ。」


街の人が言っていた様に、洗脳?とまでいかないにしろ、難しい考え方の大人の中で育ったにしては、話がよく通じる普通の子だった。


「グリカちゃんよぉ、あの時なんで塔まで俺達を連れてったんだ?もし、俺達が入ろうとしたらどうしたんで?」


「ああ、大丈夫なのですよ。中にはたくさん罠をしかけているのです。殺して身ぐるみ剥がして売ろうと思っていたのであります。」


「そうかーそりゃ残念だったなぁ。」


「全くなのです。」


前言撤回


ナンパして付いて行ったら大変な事になるタイプの女の子だった。


それにしても、元盗賊のヤッパスタが共感しているのが怖い。


お前ら、普通に人を殺して何かを巻き上げるとか、そういう考えは頼むから止めてくれ。


「きさまら、みえたぞ。ジャンカーロだ。」


先頭を歩き小さな丘の上に登っているアルネロが、遠くを見ている。


俺達も丘を上がると、遠くにブーメルムに匹敵するのでは無いかというほどの大きな城壁が見えた。


「でっけぇなぁおい。」


「ああ、確かに大きいな。」


「巨大なのです。」


俺達が関心して見ている中でも、アルネロは地図で何かを確認している。


「どうしたアルネロ?」


「……あのきぼのまちであれば、にゅうじょうしんさがある。わたしたちにはみぶんしょうがないからな。このちかくでやえいできるばしょをかくにんしている。」


そりゃそうだ。


俺達のんびり街道を歩いてはいるが、こう見えて立派な密入国だ。


「かぁー残念だなー!あの規模ならいい店ありそうなのによー!」


「残念なのです…ん?あれは何です?」


グリカが何かを見つけ、指差す方向を俺達が見ると、林から出てきた馬車の様な乗り物(以後馬車って呼ぶ!)が、魔物に追いかけられていた。


「襲われてる!アルネロ!」


「どうするんで嬢!」


「あの速さだと、街に付く前にやられてしまうのです!アルネロ様!」


「うっ……あまりめだちたくないというのに……くそっ!きさまら!!た、たすけるぞ!!」


「「「おー!」」」


アルネロの号令に、俺達はすぐに武器をセットし、追いかけらている馬車に向かって走り出した。


馬車は右前方に見える林の方から右に見える街に向かっている。俺達がこのまま真っ直ぐに走れば、角度的にちょうど鉢合わせとなる。


「つっても馬がいねぇにしちゃ早えな。よく見たらめちゃくちゃでかくねーか?どうやって走ってるんだ?」


「はぁ、はぁ、おそらく、グリカのノコギリと一緒だ。魔鉱石を使ってるんだろ。」


「ああ、なーる。でも馬より遅けりゃ意味ねぇのによ。あの図体じゃ仕方ねーわな。」


馬が居ないのに馬車の形を取っているあれは、車と呼んでも差し支えは無い。


だが、地球の車とは比べ物にならないほどに遅く、あれでは魔物に簡単に追いつかれてしまう。


それもそのはずだが、いかんせん大きすぎる。


魔物との対比と遠近感で、最初は違和感が無かったが、近付けば近づくほど、馬車も魔物もでかかった。


馬車の中からは、時折魔法が発射されているが、魔物には当たらず、軽々と避けられていた。


魔物は狼型。


狼と言っても、近づいてきてようやく分かったが、身体に無数のクリスタルの様な鉱石を生やしており、さながら石狼と言った所だろうか。


「あれは!クリスタルウルフなのです!」


まんまだったわ。


「知らねぇな。グリカちゃん、そいつは強えのか?」


「いえ!名前しか知らないのですがはっきり言えば強いのです!戦った事はないのですが、私が居れば全く問題無いのです!」


「お、おう。ん?ああ、そうか。」


ヤッパスタの頭上にいくつかの『?』が浮かんでいるのが見えるようだ。相変わらずこういう時のグリカの言葉が何かおかしい。


俺は念の為にレベル鑑定をしてみる。


狼型の数は9匹。


個体差はあるだろうが、だいたい18~24といったところだった。


素早く動いている事から油断すれば怪我をするだろうが、今のこのメンバーならまず負ける事はなさそうだ。


「おいゴミ。」


「はぁ…はぁ…なんだアルネロ!」


「あのしゅのまものは『連携』をとる。ごみととうぞくはまものにしゅうちゅうしてゆうげきしろ。わたしとグリカでばしゃをごえいする。」


「分かった!はぁ…はぁ…」


「たいりょくのないやつめ。グリカ!わたしについてこい!」


「はいなのです!」


「仕方ないだろ!!おっさんなんだから!!」



俺達は急遽始まった

救助クエストに参加する事となった

2021/4/29はお休みです

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