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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
突撃☆隣のクソ野郎 前編
159/258

えぴそど159 観念クッコロ

グリカの回転ノコギリが、アルネロを捉えたと思われた瞬間、そこにアルネロの姿は無く、代わりにグリカの側頭部に強烈な衝撃が走った。


「ほぅ、はんのうするかこれに。」


アルネロが身体をよじり、回し蹴りを繰り出すと、グリカのこめかみに踵は入ったものの、グリカもまた身体をひねり、衝撃を逃していた。


そのまま体勢を崩した所に、追撃の鉄甲が打ち込まれるが、グリカはこれをノコギリの本体部分で受け止める。


「負けないのです!サブダブ様の敵をぶっ殺すのです!」


「………」


後転しつつ、低い体勢から回転ノコギリを構え直すと、グリカが魔法陣を展開する。


しかし、展開した刹那、アルネロの鉄甲がグリカの脇腹に食い込む。


「ぐふぅ!!!ぶはぁぁっ!」


骨が折れ、内蔵へのダメージを追ったグリカは、血を吹き出しながらも、衝撃で後退した身体を踏ん張り、再度魔法陣を展開させた。


「こんじょうがあるな。だが、それではいまのわたしにはかてんぞ。」


「うるさいのですよ!!なんなのです!貴女は!」


〈中級剣スキル セブンフラッシュ〉


グリカが魔法陣に向け、回転ノコギリを振り回すと、斬撃に沿う様に魔力による衝撃波がアルネロを次々と襲う。


「ぬるいな。」


アルネロは蛇行し、斬撃を避けながらもグリカに距離を詰める。


(この獣人は距離を取って戦うのです)


近付いて来たアルネロに対し、回転ノコギリを一際大きく振り抜き、それに見合った巨大な斬撃波を出したグリカは、アルネロへの直撃を確認すると、後ろへと下がる。


(捉えた!今の内に次のスキルを…!?)


下がっさ先で魔法陣を出そうとしたグリカの目の前に、アルネロの姿が映った。


「な!?なんで!!」


「このガントレットはそんなにヤワじゃないぞ。」


アルネロは巨大な衝撃波を、鉄甲を閉じ受けると、意に介さないかの様に、更に前に加速しグリカの目の前にまで来ていた。


(だ、駄目なのです!ちょくげ…)


アルネロの鉄甲によるパンチが、グリカの顔面に直撃すると、グリカはその衝撃のまま塔の壁を突き破り、外にまで飛ばされた。





「んだよ!それじゃぁあの子は、その狂った母親に利用されただけじゃねーか!」


鉱夫からグリカの話を聞くと、ヤッパスタが珍しく激昂している。


これは正義心や義侠心から言ってるのでは無い、おそらく酔い過ぎて変なテンションになってるだけだ。


「まあ落ち着きなよあんちゃん。あれでもかなりましになったんだぜ。ちょうどレベリオンの奴らが来てた頃に母親が亡くなったんだ。元々は流行り病でもう何日も姿を見せなかったが、キジュハの血が汚れるとかなんとか、薬を飲まなかったんだとよ。」


「それによ、存外話せばあの子自身は普通に話が出来るんだがよ、王朝の血を引くもの以外は敵だと教え込まれてて、俺達の言う事は聞き入れやしねぇ。」


「俺達もなんとかしてやろうと、色々としてやったんだぜ?でもあそこを離れようとしねぇ。それから、あの子はあの塔で一人で暮らしてやがらぁ。たまに街に食材を買求めには来るが、あんた達もあまり関わらない方がいいぜ。」


「……ありがとう。実は、森の中で助けて貰った恩があるんだ。街を出る前に挨拶くらいと思っててね。」


その後も、勇者やキジュハ、塔の事や周辺の事を聞いていき、ヤッパスタが鼻提灯を膨らませた所でお開きにした。


「重いなぁ…ヤッパスター!起きろー!」


「むが…うが…」


「はぁ……アルネロー!手伝ってくれー!」


ほとんど引きずりながら、ヤッパスタに肩を貸し、俺達は宿を目指した。





「うぐ!?」


グリカが目を覚ますと、口は布で塞がれ、身体を魔法の鎖の様なものが包んでおり、木にくくりつけられていた。


眼前には石に腰掛けるアルネロの姿があり、グリカの面を持ち、何かを考えている様だった。


「おきたか。」


「むぐー!むぐむぐむぐー!」


「じたばたするな。くちのをとってやる。」


アルネロが口枷を取ると、グリカはアルネロを睨みつけた。


「くっ!殺せなのです!」


「……いきなりなにをいっている。きさまにききたいことがある。」


「答えぬのです!面の模様と言っていたでしょう!サブダブ様の事は何一つ言わないのです!」


「……なぜそんなにアレをかばう。ねどこをしらべさせてもらったが、きさまはレベリオンのものではないだろう。なぜやつにそんなにはんのうする。」


アルネロはグリカの眼の前に腰を下ろすと、水筒をグリカの口に当て、水を飲ませた。


「それは…」


「まあいい。レベリオンでないのであれば、きさまをこれいじょうどうこうするつもりはないが、きさまもきづいているように、わたしのもくてきはサブダブだ。なかまをかばい、わたしのじゃまになるようなら、ここでけさなければならない。」


「……仲間とか…私にそんなのは居ないのです。ただ……サブダブ様は、私を救ってくれたのです。」


「なにをだ。」


「……はぁ……分かったのです。ちゃんと話すから、これを解くのです。」


「……」


アルネロは警戒をしながら、グリカを縛っていた魔法を解いた。


「付いて来るのです。塔の中で見せたいものがあるのですよ。」



そう言い塔へと歩き出したグリカを

アルネロはお面の穴から覗いていた

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