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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
未来へと続く選択
145/258

えぴそど145 ルート分技

前回までのあらすじ


悩める乙女メイエリオから突然の実家に帰ります宣言を受け、動揺する俺はアルネロを放心状態で凝視し、不機嫌な顔をしたアルネロに、おつまみの豆を投げつけられていた。


「痛っ………メイエリオ、か、帰るって…」


「うん!決心が着いたよ!ヤーに戻って、腰を据えて本格的にレンジャーの資格を取る!」


「え?し、資格?」


俺とは対象的に清々しい顔を見せるメイエリオがそこに居た。


「今のまま、なんとなくでコースケ達と一緒に居ても駄目だと思うし、ヤーには弓とレンジャーを教えてくれるツテがあるの。私なんかにどこまで出来るかは分からないけど、コースケが困った時に少しでも役に立ちたい。」


「メイエリオ…ありがとう!上手く言えないけど、凄く嬉しいよ!」


メイエリオは俺から離れたい訳でも、戦いに巻き込まれるのが嫌な訳でも無い。


自分に何が出来るのかを、真剣に考え悩んでくれた結果が今の言葉なんだろう。


俺は素直に彼女のその気持を尊重したいと思えた。


「俺もやりたい事を見つけたんだ。」


続け様にユージリンが口を開いた。


ついに告白かと、俺はにやつきそうな顔をひきつらせながら見ていると、ユージリンは身体を傾け、ハピスさんに向け頭を下げた。


「ハピスさん!装置を壊して回る旅!それに俺を連れてって下さい!」


ハピスさんを含め、俺達は呆気に取られた。


確実にメイエリオに付いていくものだと思っていただけに、やりたい事はメイエリオと付き合うなり結婚するなりそんな事だと思っていた。


「えーと、うんー、まぁ、君くらい戦えるなら別にいいんだけどさーつか、なぜ私?装置壊すのは私の完全な私怨だよ?」


「メイエリオが言った事は本当に凄いと思う。これからどんな苦しい戦いが待っているかも分からないのに、その現実から目を逸らさず立ち向かおうとしてる。」


「なら君も一緒にヤーに帰って、元々居た剣術道場だっけ?そこで鍛えてくればいいんじゃない?」


「今回ダンジョンに潜ってみて良く分かったんです。道場で習うより、より実践的な戦い方のテクニックを身につける必要がある。ハピスさんに稽古を付けて貰っている間、俺はそれを強く肌で感じました。


「肌で感じるって…なんだか、エロいね。」


「もちろん!ただで教えを乞うつもりはありません!旅のサポートを兼ね、ハピスさんの身の回りの世話をします!お願いです!俺を弟子にしてください!」


「身の回りの世話…ま、いっか。弟子と言うのは大袈裟だけど、私としても人手があるのはありがたいしね。」


「あ、ありがとうございます!」


「あーでも私って狙われてるからそれなりに危険だよ?」


「望む所です!」


「だってさ康介。」


二人のやりとりを黙って聞き終えると、ハピスさんの言葉に皆がこちらを見てくる。


「良いと思いますよ。じゃあメイエリオはヤーへ、ハピスさんとユージリンは旅へ、後は…」


俺がそう言いながらヤッパスタを見ると、待ってましたと言わんばかりにヤッパスタが立ち上がった。


「俺だな!俺はずっと決まってら!この命を拾ってくれた旦那にどこまでも付いて行くぜ!」


「そ、そうか。ありがたいやら暑苦しいやら。」


ヤッパスタは鼻息荒く、細身な身体でマッスルポーズを取っていた。


「コースケはどうするの?ダンジョンを続けるの?」


「そうだなぁ今すぐする事は無いし、ダンジョンかなぁ…でもヤッパスタと二人だと…あ、ちなみに、アルネロ。」


「……もぐもぐ…ごくごく…なんだゴミ。」


酒がいい感じに回ってきたのか、皆が話している間も黙々と食事と酒を口にしていたアルネロの機嫌が、若干ではあるが和らいでいた。


「今日みたいにオフの日があるなら、一緒にダンジョンに行けたり……だ、駄目だよね?」


「……ムリだ。」


「だよな。ジャクシンさんの護衛も忙しいもんな。」


「…………ジャクシンさまのゴエイのにんはといてもらった。わたしにはやることがある。」


「そ、そうなんだ。何か特殊な任務とかって事か?」


「……こじんてきなじじょうだ。わたしはかぞくのカタキをうちにいく。フットプリンツとのたたかいのなかで、わたしがさがしていたオトコのばしょがわかったからな。そいつをぶっころす。」


「ず、随分と物騒な話しになってるんだな。」


組織の名前が出ると、すかさずハピスさんが反応してきた。


「アルネロちゃん、それってフットプリンツのメンバーなの?」


「…いや、ちがう。モモイヌとよばれているやつからのジョウホウであって、メンバーではないいいぶりだった。」


アルネロはそこまで話すと、グラスに残っていたワインをぐいっと飲み干した。


「………しんぴょうせいにかけるが、かのうせいがあるなら、わたしはこのめでたしかめたい……ジャクシンさまにもそうつたえ、イトマをいただいたのだ。」


「あーあいつの言った事なら確実だよ。情報の等価交換があいつの意味分からない信条だから、嘘は言わないよ。」


「そうか…かくじつか…」


「ちなみに、その仇の名前を聞いてもいい?」


「…………サブダブというおとこだ。」


「え!?うっそ!?まーじで!?あーアルネロちゃん、あいつはヤバいよ!」


「ハピスさんも知ってるんですか?」


「知ってるも何も、帝国の冒険者ランクトップに居た奴だよ!6年前に勇者が立ち上げたレベリオンっていう組織の幹部になったから、今はランクから抜けたけど、実力はもちろん、人間性もぶっとんでんの!その時期から居る帝国の冒険者ならみんな知ってる名前だよ!」


「ア、アルネロ。本当にそんなヤバそうな人と戦う気なのか?それも勇者や帝国って…」


「ああ、もちろんだ。このイッカゲツはジョウホウシュウシュウについやしながら、キズをいやした。カラダがうごくようになったからには、ぶっころしにいくだけだ。」


その言葉に、俺だけではなく、メイエリオやユージリン、ヤッパスタまでも驚いていた。


「んーでも、一人じゃ厳しいと思うなー」



ハピスさんの何気ないその言葉に

俺はつい反応してしまう

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